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黒猫は眠らない  作者: 鳩胸 ぽっぽ
幕間 サバイバルゲーム
86/137

ジュピータの苦難

 オレはクンツァイトをキルして、また再び隠れる建物を探す。

 すると、リーダーからメッセージが届いた。内容はカゲロウとフリッツの復活の許可らしい。即キルされたのは可哀想だということで復活させたようだ。

 ふぅん……。まァいいけど。さすがに初心者ではないガンジー、クンツァイトは復活させてもらえなかったようだ。


「んあ、アレはカゲロウじゃねェか?」


 復活したカゲロウが見えた。

 射程距離内か。どうする、撃つか? 届くけど。いや、だがしかしさすがにまた復活したばかりのを殺すのも気が引けるな。

 少し放置しておこう。


「警戒心が足りないな、カゲロウってやつは」


 銃を構えて中に入っていくのが見えた。

 場所はだいたい特定できたからな。あちらはオレがどこにいるか気づいてないみたいだし、下手に狙撃して位置がばれるのも避けたい。

 なのでオレはこの建物に入ってくる人物を見張るのみだ。あのカゲロウってやつもオレを探してんだろうな。


 オレは下を見つつ、カゲロウの入っていった建物を見る。

 キランと何かが反射するのが分かった。双眼鏡だな。太陽の光が反射しているぞ。バレバレだ。オレはしょうがないので銃を構えてその光が反射してきた方向に向かって弾を放つ。

 斜め向かいの建物は射程距離内だぜカゲロウくん。


《カゲロウがキルされました》


 一発で命中。

 まだ双眼鏡を除いてたんだろうなー、なんて思いつつ、二回目のキルだ。さすがにもう復活はさせないだろう。

 とりあえず周辺の見張り。オレはなんとしても居場所を特定されるわけにはいかねェからな。カゲロウを狙撃したことでどこかにプレイヤーがいないか確認してみるが誰もいない。


 何かが動く気配もないので大丈夫だろう。


「あと残りはオレ、リーダー、ヴァルキリーさん、ヲタク、あとギャングスタさん、ぴぃなっつさん、ジュピータ、フリッツか。まだ多いな。フリッツとジュピータに関しては武器も何も知らねェしなァ。カゲロウと同じ銃を使う相手ではないだろうが、用心しておこうか」


 オレは窓の外を見ていた時だった。

 影に何かが当たる。オレの後ろに誰かがいるな。オレは振り返り銃を構えた。


「ジュピータ。お前刀使いなのに苦無投げんのかよ」

「飛び道具は必要ですから。外しちゃいましたが」


 ジュピータが刀を構えていた。

 刀を使うから剣士か。さすがに接近戦じゃ不利だし、ガンジーと同じくらい不利だろう。


「ラピスラズリさんはナメてかかったらいけない相手ですから、本気で行きます」

「……手加減してくれるとありがてェな」

「うちの最弱のカゲロウをやったんですから弔い合戦です」

「最弱ってお前ひでェなァ」

「否定はしませんよね? 二度も狙撃してるんですから」

「まァ」

「うちのカゲロウは相手をナメてかかるんですよ。自分の実力は上手だと勘違いしてる痛い子なんです。だからあんな態度をとってますし、復活もしました」

「復活したのはカゲロウが駄々をこねたのか?」

「だと思いますよ。リーダーにつまんなとかそういうメッセージ送ったんだと思います。あれは幼稚ですからね」


 カゲロウをボロクソ言ってるのは笑ってもいいのだろうか。


「だけど、あんな油断しまくりの子と私とフリッツは同じじゃありません。フリッツに関しては多分狙撃技術で気づいたと思いますよ。カゲロウ以外に狙撃職がいること」

「だろうなァ。オレ狙撃されて一度外されてるしなァ」


 こういう話をしているときにもどこから逃げるか考えなくちゃならねェ。

 不利な時は逃げるしかない。今の対面は思いっきり不利だ。


「お前あのカゲロウの仲間だろ? ボロクソ言っていいのかよ」

「いいんです。アレは私らにも同じ態度取りますから……」

「苦労してんだな」

「はい……。突き放そうとしてもついてくるんで本当につらいです……」


 マジの声音だ。

 

「本当は私とフリッツだけがリーダーから誘いを受けたんですよ。そしたらあの子がついてきまして……。いや、今に限ったことじゃないんですけどね。6月に修学旅行で沖縄行ってホテルまでいくんですよ。私は女子、あっちは男子。なのに私の部屋に来ようとするんです。あいつは私を妹だと思ってるみたいで風呂とかトイレとかにもついてくるんですよ」

「……それはお疲れさん」

「もういいですか? あいつに関しての愚痴を吐きまくったらもう止まらないので戦いましょう」

「たくさん愚痴を吐いてもいいんだぜ?」

「それはこのサバゲーが終わってからでいいですか。ちょっと愚痴を吐きたいんですが、あまり長話してると嫌な予感がするので」


 と、戦闘モードに入るみたいだ。

 苦労してんなァ。












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