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黒猫は眠らない  作者: 鳩胸 ぽっぽ
試される大地ホッカイドウ
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自信家アマカケル

 オレとしたことが女の子を巻き込んでしまった。

 さすがにあの高度からの墜落は結構なダメージが入り、オレは回復薬を飲む。そして、女の子にも声をかけた。


「悪いな」

「と、突然びっくりしたぜ……」

「……」


 女の子だよな?

 見た目は結構中性的なんだよな。ショートカットの髪、控えめな胸……。割と男に見間違いそうにもあるが、女だよな?

 見た目はマジでイケメンというか、本当にイケてる。


「お前、今このおれに見とれているんだろう? わかるさ! おれはかっこよくて美しいからね!」

「変な奴とぶつかっちまったなァ……」

「おれはアマカケル! 一応女の子さ! よかったら君の名前を教えてもらえないかな?」

「……ラピスラズリ」

「ラピスラズリ! いい名前だ。宝石のようにキラキラと煌めいている君を象徴するような名前だね!」


 変な奴と遭遇する確率高くないか?

 いや、ミヨシさんとかはこいつと比べたらマジでマシなんだけど。なんだよ一人称おれって。流行らねェぞ(ブーメラン)

 それに、なんかものすごくいい声なのがむかつく。


「宝石ちゃんはどこへ向かう最中だったのかな?」

「宝石ちゃんっていうのはやめろ。シレトコだよ。武器に使う素材のモンスターがそこに生息してるからな」

「ほほう! 奇遇だね! おれもシレトコ目指して歩いていたのさ。良かったら一緒にどうだい? 旅は道連れ世は情けというだろう?」

「……」

「なに、退屈しないようおれが君を楽しませてみせるよ! どうだい?」

「まァ、一緒に行くんならいいけどよ……」

「決まりだね。おれと君の出会いは、とても素晴らしいものとなるであろう! おれに掘れない女の子なんていないからね!」

「なんつー自信家……」


 そもそも惚れられる前提かよ。

 顔がそこら辺の男よりはかっこいいのは認めるけどよ。


「ではいこうか!」

「おう……」

「くしくも美しきおれと、クールな君の二人旅! この二人は無敵だ!」

「…………」


 オレいつからクール属性になったんだよ。

 オレ割とパッションっつーか、そういうほうだと勝手に思ってたんだが。クールって印象うけんのオレって。

 いや、でも言われてちょっと心当たりは……。大体受け身だからな……。自ら行動するってことはあまりない気がするからパッションとは呼べないかもしれない。


「んで、ここはどこらへんかわかるか?」

「さっきおれが寄った場所が足寄町だから……大体阿寒湖の近くだろう。そろそろ湖が見えてくるはずさ。おれの感覚が正しければね」


 そういうと、たしかに湖が見えてきた。

 阿寒湖と書かれた看板があり、阿寒湖を見渡してみる。琵琶湖よりは大きくなさそうだが、それでも対岸が見えないくらいものすごく大きい湖。

 阿寒湖でこれなら琵琶湖なんてもはや海かなんかじゃないだろうか。


「阿寒湖といえば特別天然記念物のマリモや、冬だったらワカサギ釣りが有名だね! 道民だから詳しいのさ!」

「道民なんだ」

「おれは北海道に住んでるからね! もっとも、住んでいるのは北も北、留萌のほうだが。留萌にくるならおれが案内してあげるよ」

「行くことがあったらな」

「いいや、行こう。シレトコの用事が済んだらルモイに出発さ!」

「終わったらトウキョウ行くんですけど」


 トウキョウにも必要な素材があるんですが。


「そうかい……。おれが持っている素材であれば譲渡ができるが、それでなかったらトウキョウのほうにいくというのはどうだい?」

「いいけど……。機械烏マシンガァの羽あるか?」

「おお、奇遇だねぇ! あるとも! これだろう? おれの武器に必要だったから狩っていたが結構余分に狩っていてねぇ。はーっはっは! 何かに使えるかもと思って売らずに取っておいた自分の先見の明が怖い!」


 あるのかよ。で、必要数もあるっぽいし。

 こりゃ次ルモイルートか……。










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