アマカケルの武器
オレたちは阿寒湖の横の歩道を歩く。
阿寒湖のアイヌコタンを過ぎ去り、湖を見ながら歩いていた時だった。
「キュアアアア!」
と、湖の中から突然恐竜のような魔物が飛び出してきたのだった。
いきなりの魔物の襲撃。オレら二人は武器を構える。オレは銃を、そしてアマカケルは仕込み杖のようなものを取り出した。
仕込み杖ってまたかっけぇモンを出してきやがったな……。
「ほほう、銃か! 君の武器は銃! 実にエクセレントなチョイスだね!」
「そういってる場合じゃねェだろ。相手はやる気満々だぜ」
「ふむ、そうだね。この魔物もおれの剣技を早く見たいらしい。いいだろう! ならばお望み通り踊ってやるとしようか!」
オレは素早く距離を取り一発狙撃してみる。
射程距離の半分くらいの距離だからそこまで威力は出ないだろう。オレは射程距離ぎりぎりまで距離を取ることにした。
湖から出られないのなら距離を取り放題だ。
「おわっ!?」
と、全力で距離を取っていたら突然水の弾が飛んできた。
水の弾は周りに生い茂っていた木をへし折るくらいの強さ。さすがに食らったらひとたまりもないな。
後ろに注意しつつオレは狙撃しよう。
「はーっはっは。おれを見ないとはずいぶんともの知らずな恐竜だねぇ。否が応でもおれを見せてやるさ!」
アマカケルは杖に仕込んでいた剣を抜き、飛び上がって恐竜の目を突き刺した。オレはそれと同時に片方の目を狙って狙撃する。
恐竜の両目がつぶれた。
「おぉ……! その距離から当てられるとはすばらしい狙撃技術だ!」
「あんがとよ。まだ相手は死んでねえんだ。油断すんな」
「そうだね。ここは相手にはターンを渡さず、おれたちの独壇場を作ろうではないか!」
アマカケルは仕込み杖でどんどん攻撃してく。
斬るというよりかは突く戦法を取るようだ。まァ、その仕込み杖は斬るのに向いてないだろうからな。突き刺して戦ったほうがいいだろう。レイピアのようなものだ。
「弱ってきてるな、これでトドメだ」
「はーっはっは! スキル:ローズストーム!」
と、突然アマカケルの周りにバラの花びらが舞い上がる。
バラの花びらは一斉に恐竜を攻撃し、そして、アマカケル自身飛び上がり、そのまま体を貫いた。すげぇ派手。オレのような狙撃とは対照的な派手さだ。
スキルでそんな派手なのもあるのか……。
「はーっはっは! 実にいい演劇だったよ。君という立役者がいたからおれたちが輝けた」
「無事勝利だな……」
「それにしても……銃を使っている人は初めて見たね。銃はスキル構成が難しいと聞く。ロックオンスキルが必須球というのがつらいところか」
「オレもってねェけどロックオンスキル」
「なっ……。自前のスキルでその狙撃力……!? 実にすばらしい……!」
「ありがとよ。それにしても……仕込み杖か。そんなに細い剣身じゃそこまで火力ないだろ」
「そうだね。だが、普通の剣よりかは素早く攻撃できる。手数で稼ぐタイプだから問題ない。レイピア型の片手剣は手数勝負なのさ」
「手数か……」
たしかに手数が多かったらダメージも出るか。
「さて、先を急ごうか。シレトコはまだまだ遠い。今日一日でつくことはないだろうから、ログアウトできる場所を探そうか」
「近くに宿屋とかあるか?」
「阿寒湖の近くには温泉宿がある。現実と同じならば温泉宿のようなものはあるだろう」
ならそこを探してみるか。




