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黒猫は眠らない  作者: 鳩胸 ぽっぽ
試される大地ホッカイドウ
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一人だけの雪中行軍

 こちら大雪山。

 今現在、猛吹雪です。


「クッソ……。これ一人で雪中行軍は無理だな……」


 猛吹雪の中、オレは雪をかき分けて進んでいた。

 前も後ろも右も左もわからない。吹雪いていると方向感覚を見失ってしまうというのは理解していたが、ここまでとは。

 オレは今大雪山の何合目にいるのかすら把握できていないのに。


「風の音でなんもわからん……。魔物が出てきても察知できないしこの吹雪の中じゃ狙撃だってままならん」


 よくよく考えてみればオレとものすごく相性が悪いのでは?

 受けるんじゃなかったな……。受けるとしてもオレ一人で受けたのが大きな間違いだ。オレはちょっと後悔しながら先へと進む。

 

 その時だった。

 雪に足を突っ込んだ瞬間、オレの下半身がずぼっと雪の中に埋まる。


「あん?」


 身動きができない。

 そして、そのまま雪が崩れて、姿を現したクレバス。


「クレバス……! 雪で隠れて見えなかったのか!」


 オレはクレバスに真っ逆さまに落ちていく。

 クレバスをマジで体験するとは思ってなかったぜ……! こういうのって大体エベレストとかそういうもっとでかい山にあるはずだろ……!

 大雪山にあるとは思ってなかったぜ。しかもものすごく深い。クレバスはビル3階くらいに相当する深さの奴もあると聞くしな……。割れ目というか、もはや谷だよ。


「オレが空を飛べてなかったら死ぬところだったぜ」


 オレは翼を広げる。

 ゆっくりとクレバスの下に降りていったのだった。こういうクレバスになにかあるというのもあるからな……。それに、吹雪の影響もないから安心だ。

 ただただ暗いだけ。魔物が出たら困るのは変わりないが。


 こういうのってクレバスの中に何かあったりするんだがどうだろうか……。


 だが暗くて何も見えない。

 明かりとなるものがあればいいが、オレの荷物にはそんなのがないな……。光魔法とかで照らすこともできん。

 出直すか……? だがこの猛吹雪の中来たからどこにあるかなんてわからねェし二度と辿り着けねェかもしれねェ。


 手探りで何か探して、何か見つけるしかねェな。

 視界が悪くとも物はあるんだから触覚で判断はできるだろう。


「そうと決まれば……」


 オレは少し速度を早める。

 すると、顔が思い切り何かにぶつかって地面に落ちたのだった。気がつくと一番底まで来ていたようだ。


「少し見えるな。まだなんとかなる」


 新月の夜みたいな暗さだ。

 ものすごく暗いがビビるほどでもねェ。オレはクレバスの中を歩いて探索してみることにした。

 

 だが探索して早々、変なものを見つける。


「骸骨……!」


 人の骨。

 かつて大雪山探索に挑んだ者の末路だろうか。


「本当に宝探し感がヒートアップしてくんな……!」


 人の骨を見つけて興奮してしまった。

 宝探しゲームはこういうスリルがなくちゃあなァ……!










 

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