追放された天使たち
堕天使ラミュエル。
天界から追放された天使らしい。追放された理由は謀反を起こしたとかそんなんじゃなく。
「ヤンチャしすぎたってこと?」
「そうっす! アタシ、喧嘩っ早いし戦うの好きだから誰彼構わず戦いをふっかけてたら神様がキレまして。で、人間界に降りて頭を冷やしてこいって言われて追放されたっす!」
うわぁ。
オレは一言で感想を言うなら「うわぁ」の一言に尽きる。戦闘狂かよ。オレの手に扱えるかコイツ……。
「でももう! 師匠が出来たし師匠に負けたんでやめるっす! 師匠のとこで働くっすよ!」
「だそうですがリーダー」
「ま、まぁいいんじゃないか? とりあえず受付作業とかしてもらおうかな……」
リーダーも苦笑いだ。
暴れん坊天使が仲間に加わった。
オレはラミュエルを連れて事務所に戻る。
ラミュエルは事務所に入ると目を輝かせていた。
「これが人間界のカイシャってものなんすねぇ! なんもないっすねぇ!」
「まぁこれからインテリアは揃えていくから……」
「あ、これが師匠の机!」
ラミュエルはオレの机に座っていた。
オレはため息をつき、オレの部屋にとりあえず案内することにした。オレはログアウトする時は基本部屋でするし、リスポーン地点も部屋だ。
オレに限らず、クランのメンバーが全員そうしている。
「ここが師匠の部屋……!」
「しばらくはここでオレと寝泊まりな。オレ結構寝る時あるかもしれねェがそんな時もリーダーとかの言うこと聞けよ」
「了解っす。師匠以外の言うことは聞きたくないんすけど命令とあらば」
オレが制御してないと誰の命令も聞こうとしない。
リーダーが熱心に話しかけてもツーンと無視していた。社交性のカケラもねェ。
「いやぁ、追放されてこんな巡り合わせがあるとは。神様はアタシを見捨ててないっすね」
「そうだな……」
「他の追放された天使は苦労してるのにアタシはラッキーっすねぇ」
「……他の? まだいるのか?」
「いるっすよ!」
ラミュエル曰く、一緒に追放された天使がいるらしい。
カラエル、サンガルファン、シルシファーの3人の天使。それぞれ追放された理由が違うという。
カラエルは他の天使の恋人を寝取ったから、サンガルファンは仕事をしないから、シルシファーは謀反を起こそうとしたから。シルシファーが一番やばいらしい。
「シルシファーだったらこうも上手く丸めこめてなさそうだな」
「アレはアタシも喧嘩売りたくないっす」
「余程だな……」
シルシファーとは出会わないに限る。いつか出会いそうですげェ怖いが。
「……ん?」
と、ラミュエルが何かに気がついたようにキョロキョロと辺りを見渡す。
「どうした?」
「いや……なんか気配がしたんすよ」
「気配?」
「いやーな気配が……」
嫌な気配?
すると、ラミュエルは窓の外を見る。オレも見てみると、突然街中で爆発が起きていた。
な、なんだ?
「シルシファーっすね」
「……シルシファーがあそこに?」
「天界を追放された腹いせで暴れてるように感じるっすねぇ〜……」
ラミュエルは苦笑いを浮かべていた。
《トウキョウ都シンジュク区にレイドボスが現れました》
《レイドボスはシンジュクを攻撃しています》
《力を合わせて戦いましょう》
うわぁ。
「しゃあねェ。オレらもいくか」
「うっす! お供するっす!」
レイドボスのシルシファー。
やべェのが来たもんだぜ。




