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黒猫は眠らない  作者: 鳩胸 ぽっぽ
トウキョウ・カントウエリア
33/137

堕天使

 オレの紹介も終わり、今回のメインであるクエストに向かおうとした時だった。

 空が突然、赤く染まっていく。


「なんだァ?」

「あれなんだ?」


 海の方に人影が見えた。

 弓を持って翼を生やしている……天使? 天使にしては翼が純白ではなくドス黒い。

 オレは銃を構える。


 すると、その天使は弓を構え、矢を放つ。

 オレは銃で撃ち落とそうとして矢に当たるように弾を撃ってみたが当たった感覚はなく、矢はオレの足元に突き刺さる。


「敵だぜ!」

「なんなんだあの天使は……」

「うーん、堕天使ラミュエルだって」


 堕天使?

 堕天使だか熾天使だか知らねェけど敵なら戦うしかねェなァ。

 リーダーも武器を構えるが、ここに遠距離攻撃できるのはオレしかいない。弓でチクチクされてるだけでもキツイだろう。

 それにあの堕天使、結構な距離から狙撃してきている。


「どうにかして近づけさせないとリーダーたち攻撃できないっすよね!?」

「あぁ……。できる?」

「やってみます!」


 オレは狙いを定めてみる。

 敵もさっきの狙撃で少しは勘づいているだろう。だとすると、まず狙うのはオレ。

 スコープで覗いてみると次の矢を放とうとしていた。オレはトリガーを引く。


 飛んでいる翼を撃って墜落させてやった方がいい。


 オレの放った弾丸は堕天使ラミュエルの翼を撃ち抜いた。ラミュエルはバランスを崩し海に落下する。

 が、次の瞬間、オレの左腕を貫いた。


「ぐぬぅ……」


 火力が高い。

 腕を貫いた矢だけでオレは瀕死になりかけていた。


 天使は飛ぶことを諦めたのか海を泳いでこちらに向かってくる。お望み通りの接近戦。

 天使は海から勢いよくあがってきた。


 黒い髪の女の子。女の子は息を切らし、オレに向かってくる。


「何のつもりだ?」

「…………」


 リーダーは止めようと剣を向けるが、天使は剣身を素手で掴み、奪ってぶん投げた。

 そして、オレの手を掴み。


「お前凄い腕だな! あたしと結婚しようぜ!」

「……は?」


 なんかものすごいことぶっ込みやがった。

 天使の翼がパタパタ揺れている。


「……結婚?」

「あ、ちげえ! 契約! 契約だよ! あたしあんたみたいな狙撃手初めてだ! 翼をあの距離から撃ち抜くなんてその狙撃の技術に惚れたぜ」

「……えーっと?」


 状況が飲み込めん。

 契約?


「待った、契約とはなんだ?」

「…………」


 リーダーの質問に答えない。


「契約って何だよ」

「契約ってのはアタシを仲間にするってことさ! アタシは弓が大好きでねぇ、狙撃技術を磨いてきた。けど、アタシは狙撃対決で負けた。掟として、負けたら相手に従わないとならない」

「……はぁ」

「で、アタシが負けた。だから契約」


 なるほど、いつのまにか勝負をさせられていたのか。なんだそれは。

 まァ、オレの仲間になるなら実力的にも欲しい。


「まァいいよ。契約しよう」

「よし! じゃ、契約するぜ!」


《堕天使ラミュエルと契約しました》

《ラミュエルをいつでも呼び出すことができます》


 なんか変な天使に目をつけられたもんだぜ。











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