射的は得意
オレは水着に着替え、リーダーのもとに向かう。
こんな恥ずかしい格好で町中をうろつけって馬鹿だろ……と思いながらもリーダーのもとに向かう。オレはなぜこんな黒ビキニがチョイスされてるのが疑問だった。
もう深く考えたらオレの何かが崩壊しそうなのでもう考えないでおく。
「じゃあ、今日動画撮る? 前回、前々回とラズリさんだけ動画に出てないし」
「……うっす」
「嫌なら嫌っていいのよぉ?」
「いや……もうここまできたらやけくそですよ……。動画にでもなんでもでたらァ!」
もう知ったことか! 吹っ切れなきゃオレは恥ずかしくして死ぬ!
オレは動画に出ることを了承し、リーダーは動画を撮影し始めたのだった。動画に初めて出るからまずは自己紹介といわれる。
「えっと、どもっす。ラピスラズリっす。武器は銃で……」
「そんな固くなくていいよ。リラックスリラックス。次はスキル構成を見せてね」
といわれたのでスキルを公開した。
補正スキルなしで、弾強化などのスキルと、ティターノアの祝福スキル、エルピススキルを見せる。
リーダーは興味深そうにスキルを見ていた。
「エルピススキルとティターノアの祝福スキル、ものすごくシナジー悪いね」
「そうなんすよね」
オレも手に入れてから気づいた。
エルピスのスキルは状態異常にならない。
ティターノアの祝福スキルは毒で回復するスキル。毒状態になれば徐々に体力が回復していくのだが、毒状態になれないせいでそういう使い方ができない。
使い方としては毒薬を飲んで回復するってだけだ。効果としてはあまり強くなくなってしまった。
「まァ……ダメージ受けたら即死ぐらいにはオレ脆いんでほどんど関係ないんすけど」
「だね。今はまだ関係ないかもしれないね。んじゃ、まぁ、とりあえず新人ちゃんの実力を見せてあげようかな。何かクエストに向かおうか」
そういってリーダーは受けるクエストを探し始めた。
行くクエストを決めたのか、オレに行こうといってどこかに向かうことになる。
オレが向かった先はカナガワ県フジザワ市、エノシマ。ビーチで夏場になると人であふれかえるくらい人気の観光地だが、ゲームの中ではあまり人を見かけない。
魔物が出るから客足も遠のいてるんだろうな。あと、エノシマがどうも近未来的なビーチになっているのもあるのかもしれない。
「やっぱ水着といえば海でしょ! このエノシマに魚の魔物がいるっていう話なんだけど……あいつだ」
リーダーが指さした先にはリュウグウノツカイのような縦長の魚が浮かんでいた。あたりをきょろきょろと見渡している。
ぎりぎり射程距離内に入ってるな……。
オレは銃を取り出し構える。
「撃てますよ。どうするっすか?」
「戦おう」
「了解っす」
オレは狙いを定めてトリガーを引く。
放たれた銃弾はまっすぐリュウグウノツカイの目の辺りを貫いた。リュウグウノツカイはこちらに気づき、水をかき分けながらこちらに進んでくる。
「近寄らせるかよォ!」
オレはもう一発放つ。
近づけさせてはダメだ。一発で決めれることがないのは相手がタフだから。威力もまだそんなないしな。レベル差ちょっとあるっぽいし。
オレは敵から離れつつまた銃弾を放つ。
リュウグウノツカイは体力を一気に失い、そのまま水柱を高く上げて、倒れたのだった。
「っしゃあ! どんなもんだ! 近寄らせなきゃ敵じゃねェなァ!」
「さすが! 強い! 補正スキルなしでよく当てられるね!」
「射的とか得意っすからねぇ!」
俊敏な動きの相手には割と翻弄されるが、じっとだまっている相手なら狙いやすい。照準を定めることができたらオレの勝ちだ。




