68話 風呂場が洗濯場になる
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風呂場が出来た。管理はしてもらわなければならないがまあそう難しいことではない。役所から職員を派遣して運営していけば良いだろう。当然無料だ。こんな所で金を取ってどうすると言うのか。ただでさえ金を持っていない農民が殆どだというのに。
まあまずは人間が風呂を気に入ってくれるのかが問題な訳だがな。役所の職員は問答無用で1日1回入らせることにした。まずは自分たちで使って感じてくれればいい。何かあるようなら改善策を提示してくれればよい。その都度対応する。
結構時間が掛かったな。住宅を建てるよりも大分時間が掛かった。まあ時間がかかるのは仕方のないことだがな。問題は使い心地だ。気に入ってくれれば良いのだが。
しかし、風呂場が出来たと言うのに石鹸が出来ていないというのは勿体ない話ではあるな。折角油はあるのだがな。油もそこまで消費をせんから貯まってきているのだが。
もちろん種で保管はしている。生産量が消費量をかなり上回っているのだ。これは生産調整をしなければならぬだろうな。魔界にも売れぬのだからこちらで調整するしかない。人間にでも売れれば良いのだがな。……まずは商人が来るところからなのだが。
商人が全く来んのだ。クレールはあと少しで来ると思いますと言ってはいるが、本当に来るのだろうか。話は色々なところで広めては来たそうなので時間の問題らしいが、全く来んというのもつまらん話だ。もう少しくると思っていたのだがな。
冒険者は相変わらずであるがな。何度来ても学習せん奴らだ。広場に入って来たとたんに騒ぎ出すから居場所が簡単に解ってしまう。もう少しなんとか考えんのか?
先制で魔法を打ってくるのはまあいい。効かんのだが、有効ではあるだろう。その辺は学習しているというか、何というかだ。もっと別の方向に学習をせねばならんのではないか?
まあ物資が沢山手に入るのだから文句は言わぬが。特にマジックバッグだな。あれはいくつあっても足りるという事はない。どんどんと持ってきてくれて構わん。
農作業にもってこいの品物だからな。農具も入るし収穫物も入れられる。至れり尽くせりだな。多すぎて困ることの方が珍しいのだ。どんどんと納品してくれ給えよ。
さて、風呂場は出来た。錬金術師は出てきておらぬ。石鹸が欲しいのだがな。石鹸の作り方が解らぬ。材料は解っているのにだ。灰と油。もっといえば灰汁と油だ。混ぜるだけで良いのか? その辺りは全くわからんのだ。
試しても良いのだがな。そこまで人間が余っておらぬのだ。用立てようと思えば幾らでも出来るのだが、農家の人数を減らすのも得策ではない。農業収入が減るからな。その辺との折り合いなのだがな。
急いでいるわけでは無いのだから気楽に行こうではないか。錬金術師が出てからでいい。私は使わないからな。そもそも風呂に入る必要性を感じていない。
人化しているだけだからな。人化するたびに汚れなどは落ちる。龍の状態になったら入る意味はあるのだろうが、私の大きさでは入る風呂がない。別に入りたいとは思わぬが。
入りたいものだけが入ればいいと思っている。悪魔でも入りたければ入ればいい。強制も何もせぬ。使ってくれればそれでよいのだ。
『カルネラ様、少しよろしいでしょうか?』
『ふむ、なんだ?』
『お風呂に関しての事なのですけれど』
『ふむ』
『流石に洗濯ものを持ち込むのは止めさせた方がよろしいかと。今のままでは女性の側は洗濯場ですわ』
『ふむ、流石に使用意図が違うな。止めさせるように言っておけ』
『わたくしが言ってもよろしいのですの?』
『うむ。私はそこまで縛るつもりはない。駄目であれば駄目と言ってやるがよい』
『解りましたわ』
ふむ、使われているが、洗濯場となったか。洗濯も重労働だからな。それこそ石鹸があれば楽になるだろう。錬金術師待ちだな。こればかりは待たねばならぬ。
洗濯か。楽に洗濯できる魔道具があるのであろうな。それを一般家庭にまで普及できているのかは知らぬが。それか仕事として残している可能性もあるな。小悪魔の仕事としてな。
魔界ではセーフティーネットがあるからな。何かしら最終手段と言うものがあるのだそうだ。それでも駄目な場合は放置らしいが、基本的には何かしらやることがあるらしい。
洗濯をやらせる仕事もあるのかもしれぬ。全てを魔道具に任せてしまうと最下層の仕事が無くなる可能性があるからな。そういう目的でないのかなどは解らぬが。単に無い可能性もあるからな。
あろうが無かろうが関係ないがな。我が国では採用予定は無い。切りがないからな。最終的には各家庭に1つなどと馬鹿らしいことになるのだからな。
そんなに魔道具ばかりに頼るわけにも行くまい。出来ることはやらなければ。仕事の効率が変わるのであれば別だがな。洗濯は別に効率化せんでも良いだろう。主婦の仕事が減るだけだ。
まあ風呂場で洗濯はやるとは思っていたがな。水が温かいし、大量にあるし、やりやすいであろう。駄目であれば駄目でいいのだが。私はどっちでも良いのだがな。
洗濯場もあるにはあるのだがな。あそこまでの水の量は無いが。流石に風呂場とは同じには出来んな。効率を求めた結果なのだろう。ナタリーの琴線に触れたわけだが。悪い意味でな。
効率化できるところはしてしまったしな。今の産業で効率化が出来るところは農業位なものなのだが、そんな魔道具があるのかどうかだな。コンバインが欲しい。責めて刈り取り機が欲しい。
無いそうなので、今後に期待である。もっと農地が広がれば考えよう。……いや、広げるために刈り取り機を流行らせるのも良いかもしれぬな。少し考えてみるか。発注は魔界にするとしてだ。
刈り取れれば良いのだから簡単であろう? 変に巻き込まぬように根元から刈り取れば良いのだからそんなに難しくはないだろう。魔界も麦であろう? 刈り取りはどうしているのであろうな。
カトリーヌに聞いておくか。人間でも真似できるのであれば真似をさせよう。真似できぬ場合は何か考えよう。良い方法があるかもしれぬ。さてと、住宅を作るか。それくらいしかやることが無くなってしまった。
娯楽も考えながらだがな。何かないものか。手軽で楽しめるものが良いな。そんな都合の良いものを知らない訳だが。農閑期もない地下帝国に娯楽は流行るのだろうか。




