33話 ビッグモスの糸で安い糸と布を買おう、役所は回り始めた
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作り掛けの人間の住居が完成したが、どうするか。これ以上増やしていくか? それとも別の建物が必要となってくるのか。麦を保管する建物などは必要ないか?
今は作った傍から売りに出しているが、農地が段々と広がっているところを見るに倉庫らしきものが必要となってくるだろう。そうに違いない。
そんな訳で、倉庫を作ろうと思う。必要となってくるだろう。農民側と役所側と2つは必要だな。役所の方でも貯めておく場所があればいいとは思うのだ。
麦を売るための袋はウィルソン商会から買っているからな。ビッグモスの糸で作るには流石に数が足りないらしいのと、割と貴重品らしいので、麦袋の布には向かぬそうだ。
貴重品であれば魔貨獲得の為に売るのも1つの手だな。糸を生産させて売り、安い糸と布を買い、服を生産させる。この流れの方が良い様な気がしてきた。
そんな訳で、クレールに相談だ。ウィルソン商会で取り扱ってくれれば重畳、扱えなくても他の商会に卸すことは出来るだろうからな。
『という訳だ。ビッグモスの糸が貴重な物ならば、それを売り、もっと安い糸や布を仕入れた方が良いと思うのだが、どうだ?』
『そうですね。その方が量も作れて、人間たちも服を買いやすくなるでしょう。良いと思います』
『うむ、ウィルソン商会で扱っているか?』
『扱ってますよ。利益はどうしますか?』
『赤字にならなければ良い。大きな黒字にする必要も無い。必要分だけ仕入れられれば良いが、物が余るくらいで丁度良いだろう』
『解りました。そうします。なるべく赤字を出さない様にするのですね』
『そう言う事だな。出来るか?』
『恐らく大丈夫だとは思います。魔界でもビッグモスは少し高い服に使われているので』
『ふむ。だが、育成が簡単ではないか。何故に少し高いのだ?』
『繊維の質が良いのと、綿花の方が大量に採れるからですね。ビッグモスを養殖するには森が必要になるので、町では少し敷居が高いんですよ』
『綿花をここで育てる訳にはいかんのか?』
『麦よりも安くなりますよ? 麦のままの方が良いと思います』
『麦よりも安いのか。それでは麦を作らせる方が良いか』
『ええ、それに綿花は忙しいんですよ。50日くらいで綿が取れるようになりますからね。麦の半分以下の値段で取引されるのと、紡糸には魔道具が必要になってきますし、初期投資の分を回収するのには麦の収穫をするよりも大変だと思いますよ。結果、麦の方が儲かるでしょうし』
『ふむ、そう上手くはいかんか。仕方ない。麦で行くしかないか。麦よりも儲かるものはないのか?』
『麦が一番管理が簡単で儲かるとは思いますけども……そうですね。ついでに出来るものとして魔蜂の蜜の生産を人間にもできる様にするのと、蜜鳥の蜜の採取を人間にもできる様にする方がいいでしょうね。今は小悪魔がやってますから』
『成る程な。それらをやる人間も育てた方が良いという事か』
『それについてはすでに交渉を行って人材の育成を行っています。3年程度で実が結ぶと思います』
『そうか、すでにやっているなら良い。他に出来ることはないのか?』
『他にもあるかもしれませんが、解りかねます。私も専門では無いので』
『そうか。それならば仕方ない。今の体制を続けてくれ』
『解りました』
クレールがすでに動いてくれていたか。糸で糸と布を買う計画も出来るようだし、そう通達すれば良かろうなのだ。服飾関係の店にいうだけで良いからな。問題無いだろう。
カトリーヌとイザベルの方はどうなっているのか。イザベルは戦力外だが、仕事は何かしらあるのではないか? 知らんが。
『カトリーヌ、仕事は順調であるか?』
『はい! カルネラ様。人間の職員もやり方を覚えたので、小悪魔の派遣を打ち切ってもいいのでは無いかと報告しようとしていました』
『ふむ、それ程に仕事は少ないのか?』
『今のところはあたしが処理できる程度しか仕事がありませんからね。麦の買い付けにしてもその時期だけですから。戸籍についてはもう完成してますし』
『うむ、それは良いことだ。して、人間の職員は何処にやったのだ?』
『現在はあたしの方じゃなくてイザベルの方の仕事を覚えさせてます。町の清掃の方ですね。基本的にはスライムを使った掃除を教えているところなのですが……堀に降りるための階段を作って貰いたいのです。悪魔は飛べますが、人間は飛べないので』
『ふむ……まあ問題無いか。堀への階段は作っておこう。スライムを捕まえるとしても手が溶けないか?』
『流石に手袋はさせてますよ。手袋なんかを溶かすには暫く時間が掛かるので、その時間内に作業すれば問題ありません。手袋は消耗品になりますが』
『それは仕方が無いだろう。しかし、スライムを持たないといけない事態とはどのような事態なのだ?』
『偶に汚物を捨ててあることがあります。多分トイレに間に合わなかったんでしょうね。そんな事例がすでに何件か起こっています』
『ふむ、もっと教育を徹底しないといけないのでは無いか?』
『それもありますが、すでに大人になっている人たちの仕業だと思うのです。彼らには教育をする予定は無いので、50年くらいはこんな事態も割と多く発生すると思います』
『まあ、それくらいであれば許容範囲内か。そう言えば、麦の貯蔵施設を作ろうと思っているのだ。必要では無いか?』
『あると大変嬉しいです。今は集積所に置かせてもらっている所ですし』
『うむ、早急に取り掛かるのである。堀の階段を作ったら次はそちらに取り掛かろう』
『ありがとうございます!』
『うむ、他に何かあれば言うがよい』
『解りました!』
小悪魔が必要ないくらいに役所は回り始めていると。これもクレールと相談だな。出費が減ることは良いことだ。小悪魔にとっては仕事が無くなることなのだが。
さて、堀への階段を作るか。……何か所も作っておくか。今後も拡張していく予定だしな。防衛施設としては欠陥もいい所なのだが、人間は飛べぬからな。仕方がないか。さあ、作りに行こう。階段程度なら簡単だ。場所も取らぬし問題は無かろう。その後に麦の集積所だな。さて、作るか。




