不死鳥の結末
ゴウゴウとこちらへ向かって放たれる火炎。
聞き間違えだろうか?
アーサーの口から放たれた言葉の意味がわからない。
「な…なにを言って…?」
「時間が…ありません。魔王様は右、リリス様は左へ。メテオの準備を」
「ふざけないで!捨て置くなんて…私はアーサーちゃんを!」
「ふざけてるのは魔王様です!私は…ガハッ!ゴホッ!」
「アーサーちゃん!」
もうしゃべるのは限界のようだ。
小指を立ててこちらに向けてくる。
「ハァ…ハァ…魔王様、約束を!」
まっすぐとアーサーの瞳が私の目を見る。
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約3分間の業火を終え、勝利を確信する。
その場には焦げた後しか残されていない。
灰になるまで燃やし尽くしたのだろう。
…しかし記憶が曖昧だ。
私は不死鳥で先ほど生まれたような感覚もある。
しかしそれにしては年を取ったように体が動かない。
それに何を相手にしていたのか?
相手の姿もぼやぼやとしていた。
いや、もうそんなことは考えなくてもいい。
我々の敵、消さなくてはならない敵だったはず。
これでもう心配しなくてもいい。
世界の不具合を取り除いたのだから。
…世界の不具合?
いや、もう終わったのだから何も問題はない。
巣へ帰って寝よう。
そうしたらいつもの日常へ…
「どこへ行こうとしているの?」
「グギッ!?」
脳天に衝撃。
蹴られた?
見ると左右に挟んで一人ずつ。
死にぞこないが、生きていたのか。
「ぬしよ!こちらは終わったぞ!」
「うん…」
まだぼやぼやとしている。
しかし…何を泣いているのだ?
いやいい、もう一度ブレスを。
ガシャン!と音が鳴り体が動かなくなる。
「固定完了!」
「ギギ!!?」
気づけば体に鎖が巻き付けられていた。
左右泣いている方は左腕を、もう一方は両腕を上に手を当てる。
気づけば上空に魔法陣が出来上がっている。
いつの間に…!
ガシャガシャともがくが動けない。
「「メテオ…」」
逃がさないと言わんばかりに魔法陣が光り出す。
「「フォール!!」」
ゴゴゴゴゴゴ!!と私の体ほどありそうな岩が顔をのぞかせた。
負けるのか?私が?
ブレス…いや、この大きさは無理だ。
(わしの体じゃ!返せ!)
ふと声がする。
何を言っている?私の体だ。
こんなところで負けるわけにはいかない。
敵を…世界を!
こんな奴らに!
「キ…キイィィィィ!!!」
ズウウゥゥゥン!!と音がする。
そして私の意識は途切れた。




