第九話 バスタ時空魔法の試し打ち、災害級の魔物に指導をしてもらう
最近寒さが増してきていますね。
家の中では毛布にくるまる日々です。
では、ごゆっくーり。
父さんと母さんに説教を受けて3年間家の裏までしか出れなくなった俺は、することが少なく退屈していた。
朝起きては、家の本を読み昼になったらフィルナに戦いの指導を受けていた。
特にフィルナの指導で楽しいと感じるのはフィルナが付き添ってた勇者の剣の型を習うことだ。しかも勇者の型はもう世界に存在しないらしい。
父さんが俺に教えてくれた剣の型とはスタイルが全然違う。勇者は先手を取ったり受け流しができるといった型だ。それに対して父さんの教えてくれた型は攻撃重視の型だ。父さんいわく、ギルドの冒険者や王国騎士など剣を扱う多くの人がこの型らしい。
「バスタ、足運び違うよ。それはこうだよ」
フィルナも徹底的にに教えてくれるから俺は基本の動作は約一ヶ月ほどで使えるようになった。
俺はフィルナ指導のもと勇者の型の応用を教えてもらっていた。
「うん。だいぶ良くなってきたかな。」
そりゃそうだろうなんたって五ヶ月はずっと教えてもらっていたからな。基本の動作と何から何まで違って身体が全然馴染んでいかなかったが今は呼吸をするように剣を振ることができる。
ちなみに父さんは俺がこの型を練習していることは知らない。また、王都に出ているからな。だがら母さんが父さんの分まで俺を監視している。
「バスタ、私とそろそろ対人訓練をしようか。いつまでもそんな素振りばっかり楽しくないでしょ?」
そんなの願ったりかなったりだ。
「あぁ、頼むずっとその練習がしたかったよ。でも剣はどうするんだ?」
そもそも俺の剣は一本しかないし母さんは基本魔法使いで王都に出ている父さんは剣を持っていったから家に今は剣がない。
「なら、こうするんだよ。」
と言って、フィルナは土魔法を唱えて剣を2本作り出す。その一本を俺に渡す。
そもそも無詠唱を使えるのはごくわずからしい。普通に詠唱することもできるが。
詠唱するときは使いたい属性の例えば火属性の魔法を使うときは火に関係する言葉を用いて詠唱をしなければならない。
俺がマッシュスライムに使った氷の槍を普通の人が使おうとしたら
『フリージングランス』といわなければならない。相手が魔法を使うときはその魔法の属性をまず聞かないと対処のしようがない。
「なんで俺にも土の剣を?」
「だってその剣、もろすぎて当たっただけで折れちゃうよ。それとあんな軽い剣振っても意味ないでしょ。」
そりゃそうか。土属性レベル10のフィルナさんが作った剣の方が硬いし重いに決まってますわな。
「剣だけで勝負だよ。じゃあ、始めるよ。よーい始め」
フィルナの型は俺と同じ勇者の型だ。俺に教えてくれてたぐらいだから当たり前か。
先に仕掛けたのはフィルナの方だ。
フィルナは縦斬り、横斬りと迷いない太刀筋で振ってくる。もちろん俺は勇者の型の初期動作の受け流しでフィルナの剣をさばいていく。
「うん、基本がしっかりとできてるね。じゃあここからは私に攻撃を当てに来てね。あと油断していると痛い目にあうから注意してね。」
そんなのいわれるまでもない。
俺はフィルナに一撃でも入れようと一振り一振り正確に斬りかかる。そんなのもちろんフィルナだってわかっているだろうから受け流しつつこっちに斬りつけてくる。
三分位打ち合ってて気づいたがやはりステータスの差がだいぶあるようだ。土の剣の振る速度がだいぶ違う。俺がバックステップをとってもすぐに距離を詰められてしまう。
俺はしゃがみこんで足払いをかけにいく。
「わっ、キャー。」
え、すんなりと引っかかってこけた。そして俺は剣を突きつける。
「もう、バスタったら、剣だけでっていったのに。ひどい。」
あーそういえばそんな感じのこと言ってた気がする。
「ごめんごめん。集中しすぎて忘れてたよ。
じゃ、じゃあ、剣の練習は一旦中断して時空魔法のこと教えてよ。」
そろそろこっちの方も気になってたからな。
「レベル10だがらだいたいどんなことでもできると思うよ。行きたいと思うところを想像してテレポーテーションって言ってみて。そこに行ってから家に戻りたいってなったら家を想像してもう一回テレポーテーションを使って帰ってきてね。
さあ、いってらっしゃい。
なんて無茶ぶりを言ってくるんだ。それにしても行きたいところか、、、ぶっちゃけ、もとの世界の家に帰りたい。一回試してみるか。
『テレポーテーション』
おおーなんか体が光に包まれる。
なるほど足から消えていくのか。一気に体全部じゃないんだな。フィルナが手を振ってくれている。
そして空間が切り替わった。
ん、なんだこのゲームと世界史、日本史とかの本をおきまくってる部屋は。つかここは
「俺の部屋じゃねぇかー」
マジで帰ってこれたんだな。もう少しここにいてからフィルナのもとに帰るか。
うわって、いってぇ俺の部屋汚すぎだろ。掃除しろよ、俺。
しまった。下から誰かが上がってくる。この階段の登るときスリッパを履いて上がるのは母さんしかいない。
父さんはなぜかスリッパを履かないからな。
そしてこの部屋のドアが開けられる。
「この部屋で何か物音がし、、。え、知識?もしかしてあなた知識なの?」
「母さんなのか?」
正直結構、おどろいている。
まさか母さんにまた会えるとは。
母さんが俺を抱きしめてくる。
「知識、あなた生きていたのね。」
「うん。あの事件の後生き返ってね。異世界で必死に生きているよ。そのおかげで魔法も使えるようになったよ。と言って、炎を手の上に出す。
「すごい世界で生きているのね。こっちに住むことはできないの?」
「うーん、それはどうなんだろう。」
今はあっちの世界に愛着が湧いている。
こっちの世界にも未練が、ってなんじゃこりゃ。
俺の下に魔法陣が生成され俺はテレポートさせられた。
ここは、、無重力の白い世界。ってことは神様と出会ったときの空間か。
「正解」
「ギャー」
あれこれデジャヴ。
「私が何を言いたくてここに強制テレポートさせたか理由はわかってる?」
あれか別の世界にテレポートしたことかな?
「そうです。それをされたら神の世界に異常をきたすのですよ。なので『テレポーテーション』の魔法に修正を加えておきます。あと知識さんとお母様の会話内容と会ったという記憶を消させていただきます。」
そっか、そういえば心の中を読めたんだったな。
「それは神様すまないことをしたな。」
「いえ、それはこちらに非があります。もしこのことをバレれば私が怒られてしまうのですよ。」
でも俺が日本にテレポートしなければこんなことにはならなかっただろうし。
「いえ、気にしないでください。そういえば知識さん。プラチナバードとの戦闘は面白かったですよ。」
別にそんなところは見なくていいのに。そういえば俺がその鳥に気絶させられたあと夢を見たんだがその夢は神様も見れたのか?
「いえ、さすがにそこまでは見れなかったですね。」
そっか、ありがとうな神様。じゃあそろそろあの世界に戻してくれ。
「わかりました。ではバスタさんの世界に戻します。」
神様は手を振って見届けてくれた。
おっと、帰ってきたな。
「遅いよバスタ、どこに行ってきたの。」
すぐ帰ってくると思ってたのか。じゃないとほかの時空魔法も試せないもんな。
「ごめんフィルナ。森にテレポーテーションしてたよ。」
ここは嘘でもそう行っとこう。母さんと会えたのは嬉しかったし、話もできてよかった。
「うん、森なら問題ないか。」
「『テレポーテーション』に何かデメリットがあるのか?」
フィルナの言い方から何かが絶対にあるだろう。
「『テレポーテーション』には、1%の確率でランダムにテレポートさせられるんだ。私も一回飛ばされたことがあったんだけどデスヴィア火山の頂上だったよ。しかもデスヴィア火山の噴火の時期だったから大変だったよ。」
それはヤバイな。デスヴィア火山というのはこの世界の一番高い山でだいたい、標高が2万メートルに達するらしい。この世界は木星位あるから標高2万はまだ酸素がある。日本では到底ありえない話だな。しかもドラゴンが何百体も住み着く火山で危険すぎて勇者クラスじゃないと入れさせてすらもらえないんだとか。
「フィルナは相当大変だったんだろうな。」
ドラゴンとはいつか戦ってみたいな。
「それじゃ、話はここまでにしようか、お母さんがそろそろご飯作り上げる時間だし。」
最近もしかしてと思ってきたけど、フィルナ食いしん坊キャラ?
「そうだな。家に戻ろうか。」
そろそろ話を進展させないとまずいかもしれない。