1~10話のあらすじ
駐オランダ日本大使として職務を全うしたはずの主人公が次に目覚めた時、そこは1589年のアムステルダムだった。彼はオランダ総督マウリッツの6歳の弟、フレデリック・ヘンドリックの身体に転生してしまっていたのだ。当初は状況が飲み込めず混乱するも、元外交官としての知識と語学力を活かし、周囲には落馬事故による記憶喪失だと思わせながら情報収集を開始する。
しかし、執事のヤンから聞かされる世界情勢は、彼の知る歴史とは大きく異なっていた。本来スペイン領となるはずのネーデルラント南部は共和国に留まり、フランス王アンリ4世は史実より9年も早く「ナントの勅令」を発布。さらに、無敵艦隊を誇るスペインが、東洋の「肥前国」という謎の国に敗北しているという。
この世界の謎を探るため、フレデリックは市場調査を開始。そこで慢性的なインフレと食糧不足という問題を目の当たりにする。彼は解決策として、まだヨーロッパに普及していないジャガイモの栽培を計画。植物学者のカロルス・クルシウスの協力を得て、大規模な栽培に乗り出す。
さらなる情報を求め、駐ネーデルランドポルトガル大使のマヌエルと接触したフレデリックは、衝撃の事実を知る。肥前国は「小佐々純正」という謎の人物が統治し、蒸気船や精密な時計といった、数百年は先の未来の技術を保有しているというのだ。この事実から、フレデリックは肥前国の王も自分と同じ「転生者」ではないかと推測する。
このままではオランダが先進技術を持つ肥前国や、その同盟国ポルトガルに飲み込まれてしまうと危機感を覚えたフレデリックは、自らの持つ未来の知識を最大限に活用し、オランダの「富国強兵」を目指すことを決意する。彼は兄マウリッツに対し、ジャガイモの全国展開、運河ネットワークの整備、そしてテンサイを原料とした砂糖や、新製法による塩、石けん、ロウソクの大量生産といった、国家の根幹を揺るがす壮大な改革案を次々と提案していくのだった。




