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お兄ちゃんとおうちカフェ

 今日は、7月24日は・・・。特別な。本当に特別な日。少女の記憶に残り続ける『愛しい時間』


 お兄ちゃんとおうちカフェ始まります♪

 7月24日。梅雨も明け、日差しが強くなりつつある夏。


 蚊の飛び始める季節というのは、ちょっとやだけど。今日は、私の夏休みというだけで無い。特別な日。


 ピカー♪ キラキラ♪


 お兄ちゃんのお誕生日♪そして・・・


 お父さんとお母さんは、また、月に一度の旅行に行っている。今度は、喜多方と猪苗代と会津。福島県だ。


 福島県には、最近、毎年行っているなぁ。


 赤い屋根瓦の会津城に行くのと。お茶室でお抹茶を。饅頭に衣を付けて揚げた天ぷら饅頭を食べて。酒造会社でのお酒の購入。


 試飲は車だからしないよね。


 喜多方らーめんと、馬刺しとピザを食べるのも楽しみだと、楽しそうに車で出かけて行った。


 うん。楽しんで来てね。


 留守番の私達は、信頼されてるのかな?家族だからかな。でも、両親の留守中に、間違いが起きたらどうするんだろう。


 お兄ちゃんとなら・・・私は。

 胸の鼓動を、手を当て確認した。


 前日、ホームセンターで購入して、綺麗にラッピングして貰った商品の包みを確認する。


 凄く良し。1人、部屋で頷く。


 本当は、先月プレゼントしようと思っていた。でも、バイト代が出るのが翌月の15日だから、誕生日まで待ったら?と、お母さんの助言。


 その間、リサーチして。良い物を選びたかったから。そうした。


 2階の自分の部屋を出て、フローリングの廊下を隣の部屋の前へ移動。


 喜んでくれるかな。


 中から気配がする。スリッパを履いた足元を見て。ふぅー。息を吸って吐き。


 コンコン

「お兄ちゃん?お仕事中?」

お兄ちゃん部屋のドアをノック。


「花?大丈夫、入って良いよ」


 声に、期待が膨らんで。微笑む。ドアを開ける。エアコンの効いた部屋。


「ファンレター読んでた」

 椅子を私の方に向ける座る貴方へ。


 後ろ手に持っていた包みを差し出す。用意した言葉を添えて。


「To《トゥー》 my《マイ》 beloved《ビラブド》 big《ビッグ》 brother《ブラザー》.here《ヒアー》 is《イズ》 your《ユア》 birthday《バースデー》 present《プレゼント》 ♪」

(愛しいお兄ちゃんへ。お誕生日のプレゼントだよ♪)


「! Thank《サンク》 you《ユー》, my《マイ》 dear《ディア》 little《リトル》 sister《シスター》. It《イット》 makes me《メイクスミー》 happy《ハッピー》!」

(ありがとう。可愛い妹。とっても嬉しいよ!)」


 片言の私の英語に、お兄ちゃんが、ノリ良く答えてくれた。愛を伝えた。答えてくれた。プレゼントを渡す。


「開けて良いのかな?」

「はい♪」


 ゆっくりと、包装のラッピングを開ける器用な手。中から箱が現れた。リボンを解く。箱の中そうこれは。


「!!コーヒーケトルだ!うわ・・・ありがとう。覚えていてくれたんだね!」


 お兄ちゃんのコーヒーミルで挽いた、コーヒー豆で飲んだアイスコーヒー。


 あの日、コーヒーケトルが有れば、もっと美味しいコーヒーが淹れれるかも知れないと、夢見ていたお兄ちゃん。


 あの可愛い姿と声を、忘れる訳か無い。


 黒いカラー。細口のコーヒーケトル。似た物にコーヒーポットという物も売られていて。私は、少し混乱してしまった。


 店員さんに、お兄ちゃんが言っていた用途を伝えたら。親切に、わかり易く説明してくれた。


 ケトルは、沸かす物で、ポットは、溜めて置く物らしい。


「ん♪どうかな?IHも直火も対応してるの。家《うち》はIHだけど、直火でも使えたらずっと使えるかもと思って。細い注ぎ口のケトル。これで合ってる?」

 違わないよね?大丈夫?違わない。違わない。


 飛鳥家は、オール電化なので。IH対応。ただ、それだとガスコンロ等では使えないと思って、両方で使える物をプレゼントした。その分、ちょっと値が上がったが。


「これ、良いやつだ!高かったんじゃないか?凄くオシャレだ・・・。花、本当にありがとう!!」

 愛おしそうにケトルを撫でている。


「・・・今から、これを使って、一緒に、アイスコーヒー淹れようか?!」


「うん!私も、これでお兄ちゃんのアイスコーヒー飲んでみたい♪」


 1階のキッチンへ。


 コーヒーミルを用意して、コーヒー豆を挽く。ドリッパーにセットしたフィルターと、挽いた豆に。


 黒いケトルで沸かしたお湯を、ゆっくり注ぎ入れた。サーバーにコーヒーが出来て行く。


 そのゆっくりした時間はとても愛しく。期待に彩られ。


 銅製のマグカップに氷を入れて。サーバーに出来上がったコーヒーを注ぐ。冷えたアイスコーヒーは、ブラックで。


 朝だけど、今朝はお母さんが、冷蔵庫に用意してくれていたお誕生日の、苺ショートのホールケーキを食べる。


 百貨店で買って来てくれたケーキ。


 蝋燭をちょっと太い蝋燭2本と、細い蝋燭を3本立てて火を灯す。23歳の大人の男性。


 照明を消して。私がバースデーソングを歌う。


「ハッピー バースデー トゥー ユー ハッピー バースデー トゥー ユー ハッピー バースデー ディア 将、お兄ちゃーん♪ハッピー バースデー トゥー ユー♪」


 蝋燭の火を吹き消すお兄ちゃん。

「おめでとう♡」


 拍手し、祝福する私。照れて笑うお兄ちゃん。貴方は本当に、私に幸せをくれるんだ。


 2人、幸せの味がするアイスコーヒーを飲んだ。やはり、苦いだけで無く。コクと香が増して、とても美味しかった。



 午後、私の同級生で友人の千葉 伊織。ポニーテールで見た目、佐々木小次郎の様なカッコいい子だけど、オタク女子。


 バイト仲間の中学生、藤林 真白ちゃん。ジャズ喫茶店の娘さん。凄く可愛い。


 本屋のお姉さん歌多野《かたの》 栞《しおり》さん。お兄ちゃんの小学生時代からの同級生が来てくれた。文学少女が大人になりかけの様な素敵な人。


 皆んな、プレゼントを用意してくれていて。


 伊織は、ククサカップという手彫りの木製カップ。


「カフェ先生、コーヒー好きだから使ってくれると嬉しいです♪」

 と、(オタクらしく無くない?)


 真白ちゃんは、

「イラストレーターさんにはこれかな?と」

 神社の美しい刺繍の入った芸事向上の御守り。(流石、御守り好き)


 栞さんは、手作りのぬいぐるみ。何と、私とお兄ちゃんに似ている?!(凄い。お兄ちゃんの、私が欲しい)


 喜んだお兄ちゃんが、感謝のアイスコーヒーを皆んなに淹れ。


 少し減ったホールケーキに、再び蝋燭を立て。お祝いの歌を、綺麗な女の子達が揃って歌う。


 私がケーキをカットして、真白ちゃんがお皿にセッティングしてくれた。


 おうちカフェでいただくケーキとアイスコーヒーに、笑顔の花が咲き乱れ。批評家気取りに、美味しいと言い合う。


 今年の7月24日。その日は、とても幸せな。記憶に残るお誕生日だった。


 それにしても、お兄ちゃんて今。男友達いないのかな?


(続く)

 数時間で書きました。今日は、ここまで・・・

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