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司書さんは無自覚でいいのです!  作者: 黒色猫


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月影の島2日目③

 はい、迷っていると思ったら地図を上下逆にしていました。なんという初歩的なミスをしていたのでしょう……と、とにかく花蓮の泉には無事に辿り着くことができました!泉の周辺には色とりどりの花が多く咲き誇っています。

 さて、灯火は……。


「ホー!!」

「ルノー、どうしましたか?」

「ホッホ!!」


 ルノーが興奮したように羽をばたつかせ始めました。その視線の先は……あ、灯火!温かい海の色をした灯火が、泉の上で神秘的に漂っています。


「ルノー、お手柄です!」

「ホー」

「……ですが、どうやってあそこまで行きましょうか」


 灯火を持っていくためには、導きのランタンを近づける必要があります。ですが場所は泉の上。見渡す限り足場もありませんし……。お、泳いでいきますか。


「ホーホッホ!」

「ん?どうしたんですか?」

「ホホー」


 ルノーから力強い感情が流れてきます。


「導きのランタンを出せばいいんですか?」

「ホッ!」

「……分かりました」


 アイテムボックスからランタンを取り出し、かかげます。するとルノーは足で器用につかみ、灯火が浮かんでいる方へ飛んでいきました。すごい、かっこよすぎます!ルノーの体はランタンより小さいのに、それを物ともしていません。

 ルノーは灯火の傍まで飛行すると、ランタンをそうっと近づけました。すると澄んだ青色の灯火はスルンっと吸い込まれて無事確保?完了です。帰ってきたルノーから導きのランタンを受け取ります。


「ルノー、本当にありがとうございます」

「ホー」

「……シュ」

「フォスの力が必要になるときもきますよ。そのときは頼りにさせていただきますね」

「シュ!」


 さて、次は祈りの崖です。


「くくくっ……はーはっは!」

「?!」

「ホッ?!」

「シャー!!」


 地図を広げようとした瞬間、どこからともなく男性の笑い声が聞こえてきました。ルノーとフォスが驚きすぎて威嚇しちゃってます。私もびっくりしすぎて心臓が飛び出るかと…。

 声の主を探すと、私たちがいる場所のちょうど反対側に黒いマントを着た秀麗な男性プレイヤーが仁王立ちしていました。


「…行ってみますか?」

「ホー…」

「シュシュ……」


 2匹とも近寄りたくないみたいです。でも気になりませんか?あんなところで急に大声で笑いだした理由。何かを見つけたのか、それとも私たちを見て笑ったのか…でもルノーたちは行きたくなさそうですし…。


「やはり深淵には惹かれるものだ…」

「わぁ?!」

「ホルホルー!!!」

「シャーーー!!!」


 こ、今度こそ心臓が出てきたと思いました…。いつの間に近くに来たのか、男性が私たちのすぐ後ろから話しかけてきたのです。ルノーたちもびっくりしすぎて、変な声出ちゃってます。

 黒い髪に赤い目、服は全体的に黒で統一しています。なんというか、吸血鬼っぽい印象を受けますね。


「こ、こんにちは?」

「ふむ、只人たちの挨拶はやはり素朴だな。我は大いなる闇の母に感謝を、が普段の挨拶ゆえ…」


 …なかなかに独特な世界観をお持ちの方のようです。それにしてもどのようにして一瞬でこの距離を移動したのでしょうか?私たちに気付かれないようにここまで来たのですから、相当な実力を持っているのかもしれません…。


「あはは…」

「獣たちを従えし者よ。そなたの名前を問おう」

「えっと、ステラといいます。よろしくお願いしますね」

「うむ。我はエターナル・グリムゾン・ダークネス。だがこの世界の名前には縛りがあるゆえ、ダークまでが我が名前になってしまった。まぁ気軽にネスと呼ぶがいい」


 どうやら文字数制限に引っかかってしまったみたいです。名前は15文字までしか入力できませんからね。


「ネスさん、はどうしてここに?」

「ふむ、この泉には何やら不思議な力が宿っていると我の魂が叫んでおったのだ。それゆえ召喚の儀を行ったが、気難しいのか呼びかけには答えてくれなくてな。愉快すぎて思わず笑ってしまったわ」


 む、難しい。ネスさんの話す言葉は個性的で、内容を理解するのに時間がかかりますね。


「ときにステラはここで何をしておったのだ?そちらの空飛ぶ使い魔が何やら泉の上を飛んでいたが…」

「あ、それは灯火を回収していたんです」

「灯火とな?」


 ネスさんにこの島の現状、灯火を見つけて持ち帰る理由を話しました。ネスさんは灯火について何も知らなかったようで、1つ1つの情報に反応しながら話を聞いてくれます。


「なるほど…女神を降臨させるために、灯火を集めているのか」

「はい。お祭りまで時間がないので、私も全力で探しているところです」

「ふむ。ならば我も手伝ってもよいか?」

「!いいのですか?」

「もちろんだ。我のように闇に染まっている者は、月の女神に膝をつく運命。何ができるかは分からぬが、我も灯火とやらを探そう!」


 おー頼もしいです!ネスさんとフレンドコードを交換して、より詳しい状況を説明します。やっぱり1人の探索は限界がありますからね。本当に偶然ですが、人手が増えて嬉しいです!


 花蓮の泉は光魔法を持つものだけが泳げるという設定でした。つまりフォスに行ってもらう予定だったんです。でも空を飛べるルノーがいたので…。ごめんね、フォス!

 ネスの話し言葉は、中二病の友人をそのままトレースしました。若干こっちの方が常識人っぽくはなってます。どうして突然ネスを登場させたか?ちょっと混沌とした感じを書きたかったんです。あとここを逃すと、ネスが登場しなくても灯火を集め終わりそうだったので…。

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― 新着の感想 ―
いや待って、最後の作者さんの中二病の友人の存在のせいで内容すっ飛んだわw リアルに参考がいるんかいww
中二病患者をステラさんはご存知ない???
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