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司書さんは無自覚でいいのです!  作者: 黒色猫


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知恵の精霊


「おぉ…。この部屋にも本がたくさん置かれていますね」

「ホッホ」


 隠し部屋らしき部屋には、先ほどの図書室と同じように所狭しと本が並んでいます。ですが違う点が1つ。部屋の壁にいかにも何かあると言わんばかりの神棚があります。


「…とりあえずお祈りしておきましょうか」

「ホー」


 作法などわからないので、ソッと手を合わせて祀られている方に挨拶をします。ステラと申します、お邪魔しております。


「あらあら、ご丁寧に。礼儀正しい子は好きよ。どうぞゆっくりしていってね」

「はい。ありがとうございます。……うん?」


 中性的な声が聞こえてきました。妖精さんたちよりも人間に近い声色ですね。慌てて顔を上げると、そこには神秘的な存在が。古代ローマ風の服装を身にまとい、銀髪の髪が物理法則を無視して自由にうねっています。身長は私より少し小さいくらいでしょうか?顔も少し幼いですし…。ただ見た目だけだと男性なのか女性なのかは分かりませんね。話し方は女性らしいですが。


「えっと…えぇ~こんにちは?」

「はい、こんにちは」

「…お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」

「あらあら、それを忘れていたわね。私は古くからこの図書室、ひいては教会を見守る存在。知恵の精霊ビビよ」


 せいれい…。精霊?!は、初めてお会いしました。こんな簡単に会ってしまってよかったのでしょうか。妖精さんと会った時もそうでしたが、ちょっと興奮と不安が織り交じりますね。


「この教会に人が近寄らなくなってから幾久しく…。つまりここの書物を管理してくれる人も訪れなくてね。おかげで埃やら虫やらが集っちゃって」

「はぁ…」

「虫は私がなんとかできるけど、掃除はどうにもできなくてね。それで人を真似てクエストを出してみたら、ようやくステラ。あなたが来てくれたのよ」


 急に語り始めたかと思ったら、聞き逃せない言葉が聞こえてきました。あのクエスト、人ではなくて目の前にいる精霊さんが依頼したんですか?!確かに冒険者ギルドは民間からの依頼も委託という形で受注していますが、まさか精霊が出すとは思わないでしょう!

 私の名前を知っているのは、先ほど心の中で名乗ったからでしょうか。精霊がどのようなものなのか本には専門的な事は書かれていませんでしたが、読心くらいできそうです。…今度図書館で精霊に関する本を読んでみましょう。


「…ということは、私は図書室の掃除をすればよろしいのでしょうか?」

「それとここもね。ほら、確か生活術というのがあったでしょう?あれを使ってパパっとお願いできないかしら」

「…生活術とはどんなものでしょうか?」

「あらあら…。生活術は技術、と言えばいいのかしらね。魔法とは違うのよ。まぁ実践してみた方が早いわよね。はい」


≪生活術を獲得しました≫


生活術:生活に関する物事を最適化するスキル。


 なんかスキルを獲得してしまいました。いえ嬉しいことではあるのですが…こんな簡単にスキルを頂いてもいいものなのでしょうか。


「生活術は掃除以外にも、採取や狩猟、クラフトする際なんかにも使えるから活用してみてね。それじゃ、早速埃を一か所にまとめるイメージでレユニールって言ってみて」

「わ、分かりました」


 スキルはどういう時に使うのかいまいち掴み切れておりませんが、精霊さんに促されたので実践に移ります。本や棚に降り積もっている埃を1つにまとめる…。


「レユニール」

「…うん。ちゃんとできてるわね」


 キラッと部屋の中が光ったかと思うと、次の瞬間には埃が中央にまとまっていました。これが魔法ではないだなんて…不思議ですね。ですがとても便利なスキルです。現実でも使えるようになりませんかね…。


「埃を消したいときはペーダよ」

「はい。ペーダ」


 また埃が光ると、パッと消えてしまいました。本当に便利ですね!これは掃除のクエストを受けたときなんかにも役に立ちそうです。


「あらあら、あっという間ね。この調子で図書室の方もお願いできるかしら」

「もちろんです。…あの、私がここや図書室の本を読むのは大丈夫でしょうか?」

「掃除してくれるんだもの。それくらい問題ないわ。気が済むまで読んでいってちょうだい」

「ありがとうございます!」


 ビビさんのお許しもいただいたので、これで心置きなく本を読むことができます。そのためには生活術でパパっと掃除しなくては。


「私は一度消えるわね。また何かあったら、そこの棚に呼び掛けてちょうだいな」

「わかりました。色々とありがとうございました」

「あらあら、こちらこそありがとう。クエストを受けたのがステラでよかったわ」


≪称号『知恵の精霊の祝福』を獲得しました≫

≪称号『知恵の精霊の加護』を獲得しました≫


『知恵の精霊の祝福』 魔攻+10 SP+3

取得条件:プレイヤーの中で初めて知恵の精霊と出会う


『知恵の精霊の加護』 魔攻+30 SP+5

取得条件:プレイヤーの中で初めて知恵の精霊に気に入られる


 …祝福はともかく、加護は貰ってもいいものなのでしょうか?そこまで気に入られるようなこと、してないと思いますが…。とビビさんに少し確認したいことがありますが、当の精霊さんは消えてしまった後です。まぁ得した側なので、文句を言うつもりは最初からないんですけどね。ここは感謝を伝えましょうか。ビビさん、ありがとうございます。


次の更新は4月5日になります。

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― 新着の感想 ―
星巡りがいいね 星魔法持ってるだけに 寵愛の次は息子だね
次は寵愛ですね(*´∀`*)
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