第7話「星間億年バカ一瞬」
〈ここは私立『笑ヶ丘 学園』〉
ドドドドドドドドッ!!
〈将来の政治家や医系技官などを世に輩出する為のエリート校である〉
ドドドドドドドドッ!!
〈そんなエリート校に聞こえてはイケない……足音が……校内に響き渡っていた〉
「うぉおおおおおおおおお!!!」
ドドドドドドドドッ!!
「さがすぜぇえ!!」
ドドドドドドドドッ!!
『ヤバイ奴を!!』
〈このバカ……もとい、この男は、龍波 一喜……本作の主人公である〉
ドドドドドドドドッ!!
〈見た目は高校生にしては……少し怖い……。髪色は少し茶色がかった黒……〉
「どこだぁああ!!!ヤバイ奴!!」
〈髪型は毎日頑張ってセットしているオールバック…………いや怖い〉
「うぉおおおおおおお!!!」
〈高校生がしていたら確実に不良と間違われるが……顔がバカっぽいので±0である〉
キッキィ!!
〈おっとそのバカがやっと止まったようだ……ヤバそうな奴でも見つけたのでしょうか?〉
「ふぅ……疲れた。とりあえずテキトーに声かけよっと!」
走り回ったけど……みんな真面目そうな人ばっかりだったな!
疲れるだけだしこっからは……
「会う人全員に声をかけよう!!」
お!さっそく発見だ!第一村人として会話を開始!!
「そこの君!『学園奉仕部』に入りませんか!」
まずはこの人を口説こう!
あ!口説くってそっちの意味じゃないからな!
勘違いしないでよね!!
「え?……サワゲ部の事ですか……ごめんなさい……遠慮しときます……!」
ダッ!
「あ!……あぁ……どっか行っちゃった……あれ?今の人サワゲ部って言ってたよな?」
う~ん?S・W・G部は呼びにくいから、皆『サワゲ部』って呼んでるのかな?
ま!どっちでもいっか!
「次だ次!!」
次は……お!これは……
中々いい感じの人だな!
〈一喜好みの人を発見。制服の上からでもわかる……少し体のラインが出ている女生徒である〉
「おねえ~さん!どうです?学園奉仕部……入りませんか?今なら幻のじゃんけんゲーム……遊び放題ですよ!」
この売り込みは、いけるぞ!
あのゲームは、やっていない俺でも魅了される……魔のじゃんけんゲームだ!
「はい?じゃんけん、ですか?……ごめんなさい意味がわかりません……」
ふふん!ここからですよ!お姉さん!
セールスは会話を始めてしまえばこっちのものですよ!
「じゃんけん……気になりますか……そうですか……では……」
ここだ!
「サワゲ部に入りましょう!!」
完璧だ!ここで皆が認知してるであろうワードを入れる!
さぁ……食いつくぜ!このデカい針に!!
ビュウウウン!
………………
「?」
あっれ~?おっかしいなぁ~?
逃げたぞ?ふむ……営業力のなさか!
そうなんだな!!〈違います〉
「う~ん……困ったな……このままじゃ『ママン』も出来ないし、部にも入れないし……」
どうしよっかな~……まぁでも……とりあえず……
探すか!!〈ポジティブである〉
〈そうこの男……バカではあるが、中々のポジティブ男なのである〉
〈自分の欲望に忠実で、自分の世界に生きている……そんなバカなのである〉
「さ~わげ♪さわげ♪さ~わげ♪入りましょう~サワゲ部に~♪」
とりあえず宣伝カーの様に歌でも歌いながら歩き回るか!
「サ~ワゲ♪さわげ♪サ~ワゲ♪部員!サ~ワゲ♪さわげ♪募集中~♪」
激しめの曲でも良いかもな!
街中でたまに見かけるピンク色の宣伝カー……
あれは中々印象に残る曲だ!
「よ~し!この調子で探すぞ!!……サ~ワゲ♪さわげ♪サ~ワゲ……」
― ― ― ― ― ―
ガサゴソ……
ゴソゴソ……
ひょい!
「前方……敵影なしなのです……!」
不時着してしまったので、近くの建物に来ましたが……
凄く大きな建物なのです……
〈おやおや……これはまた……典型的な人物ですね……〉
〈見た目は白髪のボブカット。頭に触覚のような物が2本〉
〈触覚の先には、黄色くて丸い玉のようなものが付いていますね〉
「それにしても……なんだか人がいっぱいなのです?」
〈誰がどう見ても宇宙人です。服装は……シルバーの全身タイツです〉
〈ワンポイントとしてミニスカートがありますが……全身タイツです〉
「ここはもしかして……ガッコウというやつなのですか?」
〈すごくダサいですね……流石は宇宙人と言ったところですかね……〉
「ちょっと調べるのです!」
ブゥン
〈音とともに空中に映像が投影されましたね。はい宇宙人ですね〉
「やっぱりガッコウなのです!……なになに……」
この星の文字は読めないので変換するのです!
「ワライガオカ学園?………変な名前なのです!」
〈誰も突っ込まなかった名前を宇宙人に突っ込まれましたね〉
「……!この学園……すごく頭が良い人が集まっているのです!」
この学園を拠点にして征服するのが……一番、良いかもです!!
不時着しましたが……
凄く運がいいのです!〈悪いです〉
「早速潜入するのですが……その前に……」
ポチッポチッ!
シュン!
「これで完璧なのです!」
〈さすが宇宙人。画面をポチポチとするだけで学園の制服に変わりましたね〉
「では……出発進行なのです!」
〈はてさて……どうなることやら……〉
― ― ― ― ― ―
「う~ん……全然、勧誘できない~」
俺の営業トークがダメなのは置いておいて……
それにしたって集まらん!!
「サワゲ部って言うと皆にげるな?学園奉仕部って言っても一緒だし……」
な~んでだ?困った~困った~……
俺、コマだ!
「く~る~く~るく~るく~る」
どうせ集まらないし回りながら周ろう!
「く~る~く~るく~るく~る」
それにしてもなんでだ?
皆す~ぐに逃げちゃう……
「く~る~く~るく~るく~る……う!」
やべ!吐きそう!ストップ俺!
「うげぇぇ……三半規管が俺を苦しめる……」
三半規管が悪いんだ!
ちょっと回っただけで気持ち悪くなるなんて……
四半規管なら大丈夫なのに!!〈意味不明で怖いです……〉
「そうだよ!足りないから気持ち悪くなるんだ!努力しろ!!規管くん!!」
あ~回ったら喉かわいた……
自販機あるかな~?
ふらふら……ふら~
「お!あったあった!」
なにがあるかな~?
〈ラインナップ〉
〈おりゃ!お茶!!〉
〈午前中に紅茶どう?〉
〈CZレモン(レモン0.02個分)〉
〈桃の木から出たかもしれない無天然水〉
「う~ん……これだ!」
ガチャコン!
ゴクゴクゴク
「うん!まずい!」
〈ガリレオ君ジュース:シュレーディンガーのイチゴ味〉
ゴクゴクゴク
「やっぱまずい!でも飲み干す!地球に優しく生きようじゃないか!」
ゴクゴクゴク
ゴクゴクゴク……
― ― ― ― ― ―
「索敵……索敵なのです……」
この学園……すごく広いのです……
パパに頼んでこの星に来ましたが……
「すごく広いのです……迷いそうなのです……」
上空からのスキャンで地表の地図はありますが……
建物の中までは無いのです……
「不安なのです……泣きそうなのです……」
はぁ……地球は低文明は嘘なのですか……くすん……
こんな事なら一人で来なければよかったのです……ん?
あれは……
「なんなのです?これ?」
なんだか色々なモノが機械の中に並べられているのです?
……見たところ……飲み物なのです?
「ちょっとスキャンするのです!」
ブゥン
「やっぱりそうなのです!………地球のシステムぐらいなら……」
ピッピッ――ピッ!
「これで選べるのです!」
ちょうど喉が渇いていたところなのです!
何にするかなです♪う~ん……
これに決めたです!
ガチャコン!
〈ガリレオ君ジュース:シュレーディンガーのイチゴ味〉
コクコクコク……コクコクコク
「……!おいしいのです!地球は食べ物がおいしいと聞いていましたが……やっぱりなのです!」
コクコクコク……コクコクコク
「喉を通るたびにシュワシュワとはじける泡と……少し酸味のある甘さ……」
クコクコク……コクコクコク
「その甘さの奥に不思議な味わいの苦みにも似た辛さがあって……」
コクコクコク……
「ぷはぁ~……おいしいのです~!」
地球の人は中々やるのです!メルメルポ星人の舌に合う飲み物を作れるなんて!
「やるのです……地球人……!」
やっぱり征服するのです!決意が固まりましたのです!
クコクコク……コクコクコク……コクコクコク……
― ― ― ― ― ―
「だめだ~……見つからない……」
皆にげちゃうよ~……も~う逃げないでよ~
そんなことすると……泣いちゃうよ?俺?
え?本気で泣くよ俺?泣けるからね……
俺?
「泣こうかな~泣けば集まる~部員数~」
あ、ホトトギスってこんな感じで詠ったのかな?
そうなのか!きっとそうだ!!
「泣きわめき~涙を誘う~勧誘道~」
お~これもいいな!なんだか俳句の極みを掴んだ気がする!!
………………
「う~んまた喉乾いて来た……そうだ!今度はお茶を買おう!!」
俳句にはお茶だろう!!お茶が一番だ!!
行くぜ!!
「うおぉぉぉおおおおおおおお!!!!」
ドドドドドドド!!!
………………
…………
……
クコクコク……コクコクコク
う~ん♪おしいのです~♡
地球人は凄いのです~♡
クコクコク……コクコクコク………………
「あへ~……おいしい~のれす~……」うっとり♡
……ドドド
「ん?……何か……音がするのです……?」
……ドドドド
「ち、近づいてくるのです……!」
……ドドドドドド!
「あわわわわわ……すごい勢いで音が近づいてくるのです!」
……
…………
………………
「うぉおおおおおお!!!」
自販機発見!……ん?誰かいるな?
あ、あれは……!
『ヤバイ奴』だ!
「うぉおお!!なんか頭に変なカチューシャ付けてるヤバイ奴がいる!」
これは……
ヤバイ奴だ!!
「うぉおおおいいい!!そこの君!!!」
ちっこいな~?150㎝あるか?いや無さそう!
学園の制服着てるし……新入生か!
「あわわわわわわ!!見つかったのです!!」
す、すごいスピードで迫ってくるのです!!
に……
「逃げるのです!!」
ヒュ~ン!
「あ、まって!そこのカチューシャ付けた君!!」
うお……!小さい割には中々早い!!
だが……
「はぁああああああああああ!!!!」
追いつけるぜ……
「いけるぜ……!俺の足なら……!!」
陸上部には及ばないが俺の100mのタイムは……
ジャスト12秒!!
「ハッ!」
ダッン!!
「あわわわわ…………ん?」
何か威圧感を感じるのです……
まさか……
………………
「は~い~お嬢サ~ン」
ぎょええええ!?並走されてるのです!!
と言うよりなんで……
並走してるのです!?
「サワゲ……んんっ!!……学園奉仕部に入りませんか?」
あわわわわ!なんでこの人間このスピードで……
息も切らさないで勧誘できるのですか!?
おかしいのです!!人間じゃないのです!!
「あわわわ!お断りするのです!!」
この学園は頭の良い人が居るのでは無いのですか!?
なんですかこの……頭のおかしい人間は!?
「え~入ろうよ~……君……ヤバそうだし適正あるよ?」
ヤバイ奴にヤバい人認定されたのです!
これはすごく……
ヤバいのです!!
「え、遠慮するのです!!怖いですあなた!!」
あわわわわ!まだ追いかけてくるのです!!
しつこいのです!!
「怖い?誰が??俺が???……まっさか~ハハ!」
ひえぇえ!!怖いのです!!笑顔で並走して……
ち、違うのです……並走じゃないのです……
前に出てバック走しているのです!!!???
「来るなです!!来ないでなのです!!」
なんなのです!!この人間は!!
あ……
あぁ……ダメです……も、もう……
「はぁ~……はぁ~……つ、疲れたのです~……」
ヘニョ~ン……
ぺたん……
し、侵略するつもりが……捕獲されるのです……
パパ……ママ……ごめんなさいなのです……
「お~い!大丈夫か!えぇ!?ごめんって!そんなに走ってないよ!?」
「はぁ……はぁ……」
そんなこと無いのです……すごく走ったのです……
「大丈夫か!しっかりしろ!初速は早かったけど……」
もう……どうにでもなれなのです……
………………
「自販機から100mも進んでないよ!?」
………………
「…………」
じゅ……
「重力の……せいなのです……」
ガックシ……
一喜!新部員を確保!だがその正体は宇宙人である!!
しかし一喜は気づいていない!こいつが宇宙人だと!!
どうなってしまうのか……この宇宙人はああああ!!?
それにしてもこの宇宙人……
ポンコツ過ぎではないかぁぁあああ!???
本当に……宇宙人なのかぁぁぁ!!!!??
………………
…………
……
次回予告!!
「地球侵略の使者が地球人に確保されてしまった!!
でも仕方ないよね……ポンコツだもんね!!!
そんなポンコツ宇宙人ちゃんの目覚めた場所は……
サワゲ部であった!!
宇宙人ちゃん……そこは……そこは……そこは…!
ブラックホールよりもカオス渦巻く環境だぁぁあ!!
今すぐ逃げるんだ……
宇宙人ちゃぁぁぁぁああああああああああああん!!」
次回! サワゲ部!!第8話「ポンコツ・アブダクション」
見る?見ない?う~ん……見てくれよな!!




