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恋するエンペラーは神の倫理に立ち向かう。  作者: 蓮太郎


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10/12

朗報。

ドカーン!ゴーーー!!


ものすごい音と振動で、倫は目を覚ます。

倫は急いでテントの外に出た。


「なんだこれ!!?」


野営していた場所から少し離れた所に、

次に越える山があった。

山は消え、そこは平な地面に代わっていた。

まるで巨人が踏みつぶしたような、

変わり果てた景色が広がっていた。


倫は、平地となった場所まで走る。

平地には、二人の人の姿が見えた。


倫が近いていくと、

二人のうち、一人に見覚えがあった。


「翔太!お前!お前!生きてたのか!

ごめん。翔太。俺っ。」


「倫、今は話している余裕ないぞ!」

翔太は、対峙する相手に目をやる。


「あいつは?何者だ?」


「倫、要件だけ話す。

俺はお前につく。

あいつは、最後の四天王、グラビティ。

重力を操る能力者だ。」


「内容濃すぎて頭追いつかね〜よ!

つまり、お前は見方で、俺たちを守って戦ってくれてるって事?」


「性格には、戦ってた。だ。

もう立っているので精一杯だ。」


二人が身構えながら話していると、

四天王グラビティが口を開く。


「ヒョッヒョッヒョッ。

一人増えたか。ワシも少し力を使いすぎた。一度引こうかの。」

四天王グラビティは、踵を返し、撤退する。


翔太は仰向けに倒れた。

「あー!マジ死ぬかと思った!

てか、このままだと多分死ぬ。

空気で色々つなぎ合わせてるけど、

内蔵ぐちゃぐちゃだわ。」


「翔太。お前が守ってくれなかったら、

俺達全滅してたんだよな?」


「そうだな。

グラビティに対抗できるのは俺の空気くらいだと思う。

あいつは、一人でも全ての能力者に勝てる自身があるから、余裕ぶっこいでやがるんだ。」


「ヤバい奴だな。

とりあえず、お前の傷治す。」


「はっ?無理だろ?

内蔵ぐちゃぐちゃなんだぞ。

倫、あいつを倒す秘策があるから、

俺が死ぬ前に、聞け。」


「翔太、黙ってじっとしてろ!

・・・細胞操作。」


「えっ!治った!治ったぞ!

倫、サンキュー!まだ俺生きて居られるんだな!」


「まぁ、いつまで持つのか、分からないんだけどな。

で?何から聞こうか?」



「グラビティがいつ戻って来るか分からない。まず、グラビティを倒す秘策からだ。でも、これは博打だ。

俺を信じるかは倫に任せる。」


翔太は、倫に秘策を話した。

「なるほどな。確かに可能性あるな。」


「次に、お前に吹き飛ばされてからの話をするか。」


「その節は、申し訳ない!」

倫は、翔太に頭を下げた。


「いいよ。お前の気持ちも分かったし、

何より、俺は政府軍を抜けたかった。

恐らく、グラビティはそれに気付いていて、俺には甘く接してた。

グラビティに対抗できる可能性のある、

唯一の能力者だったから、俺を手放したくなかったんだ。

でも、今戦って分かった。俺はあいつに勝てない。

だから、倫、お前にかかってる。

エンペラー、頼むぜ。」


「あぁ。分かった。

お前、なんでエンペラーの事?」


「悪い。俺は空気に同化できるんだ。」


「・・・まさか!のぞきか?

趣味悪いぞ。」


「お前と玲夢ちゃんがそういう雰囲気のときは、ドロンしてたから、気にすんな!」


「ドロンて・・・。

お前、俺もまだ見てない玲夢の入浴覗いたりしてないだろうな?」


「してねーよ。お前が好きじゃなかったら覗いてたかもな。めっちゃ可愛いし。」


「おい!治した内蔵元に戻すぞ。」


「顔が本気すぎて怖いわ。」


「でも、生きててくれてありがとな。」


「また、親友に戻れるかな?」


「お前を手にかけるって決めた時も、

手にかけた時も、

その後も、ずっと親友だった。だろ?」


「そうだな。

俺がなんで生きてるか知りたい?」


「あぁ、一応。」


「俺、お前に吹き飛ばされて、

呼吸できなくなった。

正直死んだと思ったよ。

そしたら、覚醒したんだ。

それからは、空気に同化できる様になった。

その後は、政府軍とお前の所を行ったり来たりして、正直どちらにつくか考えてた。

結果、お前につく事にした矢先に、

火のお嬢が、お前のとこに攻めてるって知って、急いで戻ったら、グラビティと遭遇した。

でも・・・俺、お前と戦ったのが覚醒前でよかった。

覚醒してからなら、俺は多分お前を手にかけてた。」


「そっか。でも、一つ訂正がある。

多分俺も死んで無かったぜ。

俺、火の奴に心臓貫かれたんだけど生きてるからな。」


「なんだそれ?!

お前の能力、底が知れないな。」


「だな。」


「お前がエンペラーで良かったって思う。

グラビティ、倒そうな。」


「あぁ。一度戻ろうか。お前の事紹介するわ。」


「了解。」



倫は、野営地に戻り、翔太がグラビティと戦っていた事、これまでの事を白夜と幹部に話した。


「貴様、本当にこちらにつくのか?」

雷の女は問い詰める。


「ねぇ、君の名前教えて。」

翔太は、雷の女に問いかける。


「返答になっていないぞ!」


「いいから。」


「お前と話すと、調子が狂う。

私は西園寺(さいおんじ) 麗央(れお)だ。」


「麗央。俺がこちらについた理由は、

薬を消滅させたい利害の一致が一割。

倫がこちらにいるのが一割。

残りの八割は君だ。

全部終わったら、俺と結婚しよう!」


「はーっ!おま、お前は何を言っている!バカなのか!」


「バカかもね。でも、空気と同化してこちらを探っていて、君に惚れたんだ。」


「ゔ、うん。」

白夜が、咳払いをする。

「私達は、お互いの名前を伏せていた。

一つは、外部に情報が漏えいしないため。もう一つは・・・麗央の名字を聞いて気づかないか?」


珍しく白夜がイライラしている。


「まさか?」

倫が白夜と麗央を交互に見る。

白夜は頷く。

「兄の前で可愛い妹にプロポーズとはやってくれるね。」


「知ってました。

二人になった時、麗央はたまに兄さんとよんで怒られてたから。

本気だとわかって欲しいから、お兄さんの前で気持ちを伝えました。」


「ははっ!ははははははっ!」

倫は、笑う。


「倫・・・他人事だと思って。」

白夜は頭を抱える。


「白夜、翔太はいい奴だ。

俺が保証する!」


「倫の保証つきなら・・・。」


「ちょっ、ちょっと待て!私を置き去りにして話を進めるな〜!」

麗央は我を見失っている。


翔太は、麗央に向き直り、真っ直ぐ見つめる。

「麗央、もう一度言う。

俺と結婚してくれ。」


麗央は、そっぽを向き答える。

「考えておく!」

麗央は、翔太の真っ直ぐさに万更でもなさそうだった。


「よし、とりあえず保留って事で、

翔太、時間がないぞ。」


「そうだな、グラビティが戻ってきたらまずい。作戦を伝える。

俺を信じて欲しい。」


翔太は人柄が良く賢い。

この数分で、周りの兵士達を、自分を信じて動く気持ちにさせた。



翔太が兵士達に叫ぶ。

「倫が俺を治してくれなかったら、絶命していた時刻まであと10分間。

恐らく、グラビティは、俺が絶命する時間に戻って来る。配置についてくれ!」


配置と言っても、簡単だ。

倫と翔太以外は下がる。

ただそれだけだった。


「来るぞ!翔太!」


「どこだ?」


「また5キロ先だ。

でもあのスピードなら、あと一分でくるぞ!」


「どこまで見えるんだよ!

了解!頼むぞ、倫!」


「あぁ!」



ゴーーー!!!

辺りの重力が重い。


「来たな!」


「ヒョッヒョッヒョッ。

空気、何故生きている?」


「企業秘密だ!こいグラビティ!」



「まぁ、いいわい。二人一緒に潰れてしまえ。

・・・グラビティ。」


周りの重力がどんどん増し、潰されそうだ。

倫は、翔太の前に立ち、翔太にかかる重力を軽減する。


「ヒョッヒョッヒョッ。

どこまで耐えられるかの〜。」


倫は身体を最大まで強化するが、

口や目からは血がにじみ、流れる。

「ぐぅー。ぐるしぃー。しぃぬー。」

倫は、細胞が壊れるたび、体内で修復して、重力にたえる。

「しょーぅだー、まだがー。」


「倫!できた!俺たちの勝ちだ!」


「はぁやーぐー。」


「グラビティ!こいつを喰らえ!

いや、喰らわれろ!

エアー解除!」

翔太は何かにかけた能力を解いた。


グラビティの前に突然、ブラックホールが現れた。


「なんじゃこれは!水の力?何故じゃあ〜!」

グラビティは、重力を使い抵抗しているが、徐々にブラックホールにのまれていく。


「何故じゃ~!」


「冥土の土産に教えてやるよ!

翔太が空気の膜で隠していた水を、

お前が圧縮して、作ったんだよ!

そのブラックホールを!

俺たち二人だからできた。

お前の負けだ!」

倫は、叫んだ。


「ガァー。」

グラビティは、ブラックホールにのまれ、消えた。

ブラックホールは、グラビティをのみこむと消えた。


「やったな。」

パチン!

倫と翔太はハイタッチした。


「でも、ブラックホール消えて良かったな。」

翔太は、自分達ものまれる可能性も感覚ていた。


「原理不明だけど、玲夢がグラビティをのみこむとブラックホールは消えるって分析したんだ。

俺は玲夢を信じてたよ。」


「はいはい。お熱い事で。

さっ、戻るぞ!麗央と結婚式だ!」


「バーカ。まだ終わってないだろ。

薬と薬の力の消滅が終わらないと、

この戦いは永遠に続く。

終わらせに行くぞ、

富士山へ。」


「だなっ!」


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