空から落ちてきた33
自分がこんな事態を作ってたくせに、蒼空に苛立ってたなんて、情けねぇな。
言葉を返せないまま本鈴が鳴った。
「分かった。もういいわ」
そう言うのがやっとだった。
俺は綺麗な蒼空に、触れる資格なんてねぇ。
情けない程、蒼空に触れたくて仕方ねぇのに・・・。
俺じゃダメだ、と言い聞かせ平静を装う。
俺の異変に気付いた蒼空が怯えた瞳で俺の名を呼んだ。
「・・・ロ・・・キ?」
頬に伸ばされた蒼空の手を振り払ってしまった。
俺になんて触るな。
お前が汚れちまう。
蒼空はいつも輝く綺麗な太陽であって欲しい。
「・・・っ・・」
泣きそうな顔の蒼空。
すぐにでも、この腕の中に抱きしめたい衝動に駆られる。
でも・・・ダメだ。
蒼空は俺なんかが汚していい存在じゃねぇ。
俺は自分の気を紛らわす為に、携帯を取り出してさっき着信拒否した女に電話する。
いつもの場所で会う約束を取り付けると、教室の入口に向かった。
蒼空を欲しくて堪らなくなる前に、この高ぶる気持ちを押さえこまなきゃならねぇ。
ドア付近で蒼空と言葉を交わしたはずなのに、その言葉さえ思いだせねぇなんてな。
思い出すのは切なげに揺れる瞳と、悲しげな声色だけ。
どうして、こんなに胸が苦しいんだ。
誰かこの胸が痛む意味を教えてくれよ。
いつもの空き教室のドアを開く。
俺より先に来ていた女は、可愛く笑って駆け寄って来る。
茶色の長い髪、派手な化粧、香る香水は男を惑わせる。
「朝から、呼んでくれるなんて嬉しい」
俺の腕に抱き着いて、豊満な胸を擦り寄せてくる。
スカートから覗く細い足、赤い唇が俺を誘う。
雌の匂いに反応するのは、俺の下半身。
こいつは、分類で分けるとすれば上玉の域に入る。
顔だって美人で、体付きだって魅力的な方だ。
蒼空と違って、女の色気を醸し出してる。
なのに、心は反応しねぇ。
体は勝手に反応してやがるのに・・・。
やべぇな、こいつを抱きたいって気が起きねぇ。
抱き着いてる俺が、一向に反応をしないのに痺れを切らした女は、俺の足元にひざまずいた。
カチャカチャとベルトを外す音。
女は俺のそれを躊躇なく喰わえると、音を立てて上下運動を始めた。
心が反応しなくても、体は反応を見せ始める。
女の行為に翻弄される。
「・・・っ・・・んっ」
女の頭を両手で押さえつけて、腰をスライドさせる。
激し息遣いと服の擦れる音。
なまめかしい水音に頭が麻痺し始める。
妖艶な瞳で俺を見上げる女の口の中に、熱を吐き出した。
「もう・・・ロキ様ったら、激しすぎるぅ」
女はそれを飲み干すと、涙目で口元を拭った。
俺の胸元に擦り寄ろうとした女の腕を払う。
「後ろを向いて、机に手をつけ」
「性急過ぎますよぉ」
頬を赤らめながら、そう言う女は俺の言う通りに背を向けた。
俺は女の後ろに周り込むと、制服の裾から片手を差し入れ女の豊満な胸を揉みしだく。
「あっ・・・んっ・・・」
漏れだす妖艶な声に反応したのはまたもや、心じゃなく体だけ。
空いてる手でスカートを託しあげ、そのまま下着に手をかけた。




