27.ぜんぶ、買おう。
お菓子とジュースを食べ終えた。
心の中で呟く。
(ごちそうさまでした)
その瞬間、あの音がした。
テッテレー♪
『おめでとうナディアさん』
『子どもたちと楽しくミキサーを使って、ナポルジュースを作ったね!』
『ボーナス 3000ポイント!』
「さんぜ……っ!」
思いのほか多くもらえたポイントに声を出しそうになったが、近くにいたマークがこちらを見てきたので、どうにか耐えた。
やったわ……! 3000ポイントももらえたということは、もしかして——。
テッテレーレー、テッテレー♪
(キターー!!)
心の中でも叫ぶ。
待ちに待っていた軽快な音が鳴った。
『累計獲得ポイント30000ポイント達成!』
『新しい商品が交換できるようになったよ!』
私は周りの子どもたちに気づかれないよう、小さく拳を握ってガッツポーズをした。
◇
私はルーと共に、急いで孤児院長室へ戻った。
すぐにステータスを呼び出し、『ポイ貯め』の中の『アイテム交換』を選んだ。
そして、期待していた文字へ視線を走らせる。
『新商品が入荷したよ☆』
『ストロー(50本)/10P』
『紙コップ(50個)/20P』
『メニュー看板/500P』
『冷凍冷蔵庫(小)/5,000P』
「冷凍冷蔵庫!?」
思わぬ大物に驚く。
そしてつい、5,000ポイントという大きな数字にもビビってしまったが、本当に私の知る冷凍冷蔵庫なら高価なのは仕方ないだろう。
——それにしても。
「……ポイ活、ジューススタンドをやらせる気満々じゃない?」
新しく交換できるようになった商品たち。
どれもが、ジューススタンド用のようなアイテムだった。
「……どうしようかしら」
迷っていると——。
「ぷっぷぅ!」——『ぜんぶー』
「……え?」
「ぷー」——『ぜんぶかおー』
まあ、確かに。
ジューススタンドをやるには、全部必要そうだ。
「……よし!」
私はポチポチポチポチッ! と、すべて選択した。
『交換する?』
『YES/NO』
「YES!」
迷わぬうちに『YES』を押した。
いつものように光の粒が集まり――。
テーブルの上に、紙コップとストロー。
そして、その横——床の上には、大きな冷凍冷蔵庫が現れた。
「……おお」
冷凍冷蔵庫(小)と書いてあったので小さいと思いきや、それは業務用基準だったようだ。
思ったより大きく、家庭用冷蔵庫くらいの大きさはある。
「これ、運ぶの大変じゃない?」
「ぷふぅ」——『なでぃあー』
私が冷凍冷蔵庫を見て困惑していると、ルーが私を呼んだ。
そちらを見ると……あ。
「ぷきゅー」——『これー』
ルーはフレイヤが置いていったマジックバッグを持っていた。
それを受け取ったが……。
手のひらサイズのポーチに、頑張れば私が入れそうなほど大きい冷凍冷蔵庫を?
「さすがに……無理すぎない?」
◇
「ぷぷ~!」——『はいったー』
「マジックバッグすご……」
まさかの入ったわ。
中はともかく、ポーチの口に絶対入らないと思ったのに。
冷凍冷蔵庫の前でマジックバッグを開くと、ポーチの口がうにょーんと伸び、そのまま冷凍冷蔵庫を飲み込んでしまった。
……うん。さすがはファンタジーな異世界だわ。
私は、無理やり納得した。




