終わりかけの空の手前で
掲載日:2026/03/30
君の名前を呼ぶ前に
夕焼けが滲んでしまう
オレンジと赤のあいだで揺れる光は
僕らの会話を盗み聞きしていたんだろ
どこか不器用で
どこか優しい
今日という日
終わることを
誰よりも早く知っていたのは
きっと空のほう
それなのに僕らは
まだ終われないまま
言いかけた言葉を
ポケットにしまって歩いている
本当は
君の横顔に触れる勇気さえ
夕焼けの色に溶けてしまっていた
残ったのは少しの鼓動と
言い訳みたいな沈黙だけ
完成しないまま
僕らもそう
足りないものばかり
それでも明日を欲しがってしまう
終わりかけの空は
どうして
こんなにも
愛おしいくなるのかな




