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05 はじめてのおつかい①(1/3)

お久しぶりです。りんご飴です。

気付けば半年も更新しておらず、読者様を大変長らくお待たせしてしまい申し訳ありませんでした。

で、でも、これからは早めに更新するので……! 



「うっわ……すっご……」


 感無量。圧巻、としか言いようがない。


 今まで見てきた「日常」とは程遠い世界が、そこにはあった。

建造物や人だかりで埋め尽くされた窮屈な”それ”とは違い、辺り一面、自然の緑やら、自然の緑やらで埋め尽くされている。

てか何で自然の緑だけに囲まれてんの。説明下手かよ俺。


次に、興味本位から生じた気持ちから飛び出したあの場所を見やる。


「うっわ…………」


 感無量。圧巻、としか言いようがない。

一言で表すなら、雄大だが少し禍々しい雰囲気がありつつも外見は綺麗だし内装も綺麗だったしけっこういい感じなんじゃないかと思わせる”館”。

よし一言。息継ぎはしなかったのでセーフセーフ。

てかさっきもあんなこと思ったような気がする。

俺には感無量しか感じられないのか。

いや、そんなことないんですけどね。うん。


「さて、行くか……」


 そう、景色に見惚れている暇などない。

俺には一つ、頼まれたことがあるのだ。

「おつかい」という、単に買い出しに行って来るだけのこと。

いや本当に簡単。

もうね、簡単タンタタンタンタタンタン、だよ。


 で、肝心の品なんだけど、蕪を一玉買っていけばいいらしい。

お金は事前に貰ったし、指定された物さえ買えばあとは何に使ってもいいし……

これ遠回しに「欲望を満たせ」とか言ってるのでは!?


 なら急がなくては!

エルナが彼等の相手をし終わって、退屈する前に行かなきゃ!


ーーー

 さてさて、本日の「はじめてのおつかい」に出演するのは、何処かに住んでる、橘 和也くん16歳!

今日はエルナさんから、おつかいを頼まれました!一体、どんなことが待ち受けて…… いや待ち受けるなよ。


「てか、人少ないな……」


 指定された場所に向かうまで、くだらない事を考えていたが、所謂「繁華街」という感じの街並みに着いた途端、あまりに少ない人の数に違和感を感じた。

いやだって、異世界の繁華街とかそういうのって、常時賑わってて、誰かに押されるか何かでズッコケて可愛い女の子にダイブして、初めは悲鳴を上げられたりするけどゆくゆくはムフフな展開になる感じじゃん?

 

 人が少ない反面、辺りの店に何が売ってるかはよく分かる。

あの…… あれよ。異世界転生系でよく見かけるあれ。屋台がいっぱい並んでて、意外と店主と馴染めたりする場所。

って考えると夏祭りもこんな感じだな。まあ、あの場合、全国どこにでもありそうなくじ引……

これ以上は何も言わないでおこう。うん。


 というか、マルカブってどこに売ってるんですかね……。

残念ながらコミュニケーション能力が乏しいので、こっちからあまり人と話さず済ましたいんだけど……


「よっ、あんちゃん。 ここらでは見かけねぇ顔だな」


「うわあああああああ!!!!!!!」


 は? そっちから話しかけんの!?


「んだよ、喋りかけただけなのに……」


「いっ、いや違うんですよこれは……」


「お、何その袋、何か入ってんの?」


 そう言ってニヤニヤしながら、俺が持っている袋を指さす。


「あっ……と、その……えっと……」


 中身に関して何も言われてないから分かんないってばよ!


「お! 金貨じゃん! ラッキー!」


 おいおい待て待て勝手に袋の中見やがったぞ!?

彼はそのまま袋を俺の手から奪い、一目散に背を向け走っていった……。


 ……んん??

 ちょっとこれ、マズくない?




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