あっさりとしていて、それでいてコクのある
ゴクリっと唾を飲む音がハモる。
「……ねぇ、メイオさん」
「……モノは相談なんだが、オルフィ」
そしてどちらからともなく話しかけました。
言葉こそ違うものの、私たちの思いもまたハモっていたはずです。
二人の視線の向かう先、目は口ほどにモノを言うというやつです。
存在を主張しているのは金属のボトル。表面にはあからさま過ぎるほどに『MILK』と刻まれています。
「「……」」
魔物食品に対して難を示した手前、どこか躊躇してしまったのは仕方ないでしょう。
「……もういいや、飲んでしまおうぜ」
あっけらかんとメイオさんがそう言いました。
「そんな顔するなよ。私にもなんというか気まずい思いはあるさ。でも夕熾の顔を見たらな。『やらぬ後悔よりやって後悔』ってやつだ。最悪、謝れば許してくれるだろう」
そう言うとボトルを傾け、側にあったコップに注ぐと、私に手渡してくれました。
「……私に責任を押し付ける気じゃないですよね?」
今、一瞬ビクッとしませんでしたか?
「まぁ、運命共同体ってやつだな、ハハハ」
ジーっと目を細めて見ていると、
「……その、すまん。オルフィが謝ってくれれば夕熾のやつは許してくれるだろうという目算がなかったわけではなくもないというか」
えっと、話の流れ的にはあったってことですよね。
「わかりました、一緒に謝るんですからね」
ため息をついてそういうと、二人でコップを軽く打ち付ける振りをして傾けました。
んくんくんく。
過熱したのとは違う温かさ。臭いがちょっと強いものの、滑らかな喉越しとふんわりとした甘味が癖になる味で、それでいて飲むのを止めると口の中に残ることもなくスッと引いていきました。
「……これはうまいな。いくらでも飲めそうだ」
その瞬間に肩に力が加わって
「何を飲んでいるのかなぁ?えらくおいしそうじゃないか」
そんな声が耳元に響き、思わずビクッとしてしまう。それは上から数えた方が早い実力者のメイオさんも同じようでした。
「「ゴメンなさいっ」」
夕熾さんが目を見開いていました。
「素直に謝られると逆に困るものだな」
頬をポリポリと指で掻きながら照れ臭そうに夕熾さんが言いました。
「飲んでみたらすっげぇうまくてさ、二人にも飲ませたいと思ったんだが、コイツを飲んで一息ついたら疲労がどっときて眠ってしまったみたいだ、悪いな」
やっぱり我慢できずに捕まえに行っちゃったんですね。
「いや、私たちこそ飲みもしてないのに文句を言った挙げ句、この様だ。臭いはちょっと獣臭くてあれだが、今まで飲んだどの牛乳よりうまかった」
私も胸の前で手を握りしめながら首を上下に振ります。
「もうちょい工夫の余地はあるが、まぁ乾杯だ」
そう言ってコップに注ぐと、今度は3人で乾杯をして飲んだのでした。




