オークション
これからのオークションのお話では、以前までと同じような内容が出てきますが、主人公の脳内での回想になります。ご了承ください。
「オークションだというから、夜からスタートするものだと考えていたのだが……」
俺はつぶやきながら、ギルド本部の倉庫で魔石を手に取った。冷たい感触が指先に伝わる。参加者からの要望で、開始時間は昼前に変更されたらしい。シエラ総合ギルド長からは、追加で鉱石や魔石を競売にかけてほしいと依頼されていた。
「仕方がないか」
俺は肩をすくめ、処分してもいい素材を選び始めた。腐るほどある戦利品の中から、売却用の品々をピックアップしていく作業は、ある種の切なさを伴う。それぞれの素材には、倒した魔物との戦いの記憶が刻まれているのだから。
会場に足を踏み入れたとき、私は息をのんだ。数百人収容可能な広さのホールは、すでに満員だった。アジア地域の有力ギルドから、代表者や代理がこぞって参加しているとのこと。緊張が走る。
シエラの開会の挨拶が終わると、オークションが始まった。
最初の出品は、ブラッディオーガ【変異体】の素材一式と魔石のセットだ。
「ランクAの魔物、しかも変異体……」
参加者はいきなりの高ランクの魔物の素材に息を呑む。対して俺はあの戦いを思い出す。魔法耐性が強く、物理攻撃も猛烈な個体だった。素材を傷つけないように気を遣いながらの討伐は、長時間に及んだ。牙は剣の材料に、皮は防具に、睾丸は強力な精力剤に、魔石は魔杖の媒体やエネルギー源に――使い道は多岐にわたる。
参加者たちの声が次々に上がる。金額はみるみる跳ね上がっていく。
「一億!」
中国のギルド代表が落札を宣言した。拍手が湧き起こる。手数料を差し引いて九千万円、税金を考慮すれば手元に残るのは五千六百万円ほどか。異世界の処分オークションをしている気分の俺にとっては悪くない金額ではあるが、やはり少ないような気がする。
次はアースドラゴンの素材一式と魔石。今度はシンガポールの有力ギルドが五億円で競り落とした。
「アースドラゴンでこれだと、次はどうしようかな…」
俺は内心で苦笑する。会場はさらに熱気を帯び、シエラの巧みな司会で盛り上がりは最高潮に達していた。
そして、私が素材系で最後に出品したのは――ベヒモスだ。
「陸上最強の魔物……」
正直、現代の今の冒険者で討伐できるのはアメリカにいる最強と称される超越者だけだろうな。奴でも相当苦労するはずだ。
神獣と呼ばれる存在には敵わないが、その素材はすべて超最高級品と言って間違いない。競りはすぐに白熱し、日本、中国、韓国、シンガポールのギルドによる激しい争奪戦となった。
「五十パーセントを中国ギルドが、三十パーセントを日本が、残りを韓国とシンガポールが分け合う形で……」
落札総額は百億円。普通の個体より大きく、傷が少なかったことが評価されたのだろう。会場は興奮に包まれ、あまりの白熱ぶりに昼休憩が宣言された。
「本当にありがとうございます」
シエラが近づき、支払い金の受領書を手渡してくれた。彼女の目は、達成感に輝いていた。
「これだけの金額が動くオークションは久本当に初めてです。流石は悟様。参加者も大満足だったみたいです。」
「それならよかったが…後半はより盛り上がるだろうな。」
「楽しみにしております!」
俺は受領書を受け取り、ホッと胸を撫で下ろした。現代での初めての大規模オークション――思いがけない高額取引に、少しめまいを感じながらも、確かな手応えを感じていた。
休憩後は、俺の思い出の品の競売が続く。装備品の競売も残っている。まだまだ長い一日は終わらない。
ブラッディオーガ-1億円
アースドラゴン-5億円
ベヒモス-100億円
すごい多いようにも思えるけど、ギルドに手数料10%持っていかれて、さらに税金払ったら、57億2400万になる。意外に…




