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014⚫️名物に美味いものなし、なんて誰が言ったのよ?
「カナタ、この食材は美味いな。」
「そうですね。見た目は少し不気味でしたけれど、味はいいですね。」
ふたりは沢の近くの小さな村で、湯気の立つ素朴な料理を前にしていた。
南の大陸は広い。気候も風土もまるで異なり、土地ごとに「その土地でしか得られない恵み」がある。
レグナスは、皿の上の食材を静かに観察した。
王都の洗練された宮廷料理ではまず見かけない、
泥臭くも力強い物産──。
だが、民のリアルな暮らしを知るには、こうした一皿こそが何より雄弁だ。
「……なるほど。これも、この土地の力だな。」
旅を続けるふたりは、心地よい沈黙のなか、
次の温かい皿へと手を伸ばした。




