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013⚫️美味な世界
オオサンショウウオ、アライグマ、キョン。
これらの名を聞いて食欲をそそられる者は稀だろう。
しかし、その偏見は実にもったいない。
かつて、北王子魯茶人をはじめとする’美食家’たちを’唸らせた’オオサンショウウオは、上品な魚肉と豚肉を合わせたような深みを持ち、ゼラチン質の食感は妖艶ですらある。
害獣の代表格とされるアライグマは、ジビエ屈指の甘い脂を持つ。口内でふわりととろけるその脂は、牛ホルモンの濃厚さを思わせながら驚くほど上品だ。
百葉県を騒がせるキョンは、絹のようにきめ細かい極上の赤身肉を誇る。シカ肉をさらに繊細にした味わいで、獣臭さが皆無。高級和牛にも引けを取らない。
不気味な見た目や“厄介者”というレッテルの裏に、これほどの美味が隠れている。偏見を捨てて口にした者だけが、自然の豊穣がもたらす本当の味に触れられるのだ。家畜でなければ気持ちが悪い──その感覚は理解できる。衛生環境の整った飼育は安心を与える。
だが、ヒトが自らの生活環境を持続可能に保つなら、時には新しい食材に挑む勇気も必要になるのかもしれない。
昆虫食が始まる前に、ね。
あっ、それとオオサンショウウオは国によっては、捕獲禁止だよ。




