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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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10-3 何があったのか・・・話します

「もう、セリアってば、どうしてこう、うれしいことを言ってくれるのよ」

「セリアおねえさま、大好きです」

「セリアテス様、一生ついて行きます」


ローザ様、マイン様、フィリナ様も涙ぐんでます。

4人で抱き合ってしばらく泣きました。


泣き止むとキュリアさんがおしぼり?を用意してくれました。

みんなで顔を拭きます。

顔を見合わせて笑い合いました。

入れ直してくれた紅茶を一口飲み、さて、どうしましょうと思いました。


「ねえ、セリア。今日の勉強って何をする予定だったの」


ローザ様が聞いてきます。

私も何も聞かされていなかったので、首をひねりながら答えます。


「それが何も聞いてないのです」

「何も?」

「はい」

「ねえ、帰ってから今日まで何をしたの?」


問われて、帰ってきてからのことを思い出しながら話します。


王宮を辞した後屋敷に着くと、屋敷に仕えている人がみんなで出迎えてくれたこと。

アルンスト侯爵家の方々が待っていたこと。

侯爵家が帰られた後、自分の部屋に行って、リボンを見てそれをもらった時のことを思い出したこと。


次の日はお母様に紙を渡されて、いろいろ書いてあったけど、それが勉強と関係なさそうなものまで書いてあったこと。それで、文字を読むことができるとわかったこと。

歩くことから初めて、館の廊下を午前と午後に一往復づつしたこと。

それ以外は暇だったから、刺繍をしたこと。


2日目も前の日と同じに、館の廊下を午前と午後に一往復づつ歩き、それ以外は刺繍と巾着袋を作ったこと。


3日目に朝早くにおじい様、おばあ様が見えたこと。

5時30分だったと言ったら、みんな目を丸くしたわ。

おじい様、おばあ様のことも自分の祖父母だとわかったこと。

食事をした後、お兄様におじい様、おばあ様の名前と家族の年を教えてもらったこと。

簡単な地図を書いてくれて、フォングラム公爵領の位置や、周辺諸国の名前を教えてもらったこと。

王都からフォングラム公爵領まで何日かかるか教えてもらったこと。魔法について少々。

それから、アルンスト侯爵家の方々が祖父母を追ってきたこと。

大人たちが話している間、子供達で話をしたこと。

遠話の魔道具を説明してもらったこと。

大人たちが戻ってきて、おじい様の扱いが予定調和だったこと。

屋敷の探検をしたこと。といっても来賓棟を少し歩いただけだったけど。

それから、ルートーガー公爵家の方々が来たこと。

そして、みんなで昼食会をしたこと

そのあと、また、大人たちは別室に行ってしまって、みんなで折り紙をしたこと。


4日目は、前の日の反動なのか微熱がでたこと。

一日ボーと過ごしたこと。


5日目、ウェルナー医師とロンテス医師が往診に見えたこと。

そのあと・・・。


どうしよう。

言っていいの、かな。

・・・でも、黙っていたくないなぁ~。


そんなことを思っていたら、ローザ様が言ってくれました。


「セリア。無理に全て話さなくてもいいのよ」


・・・聞いているのですか。

私に起こったことを。

気遣ってくれるのですね。

ならば・・・。


「いえ。聞いていただきたいです」


それから、あの日に起こったことを思い出しながら話します。

そう、サラエさんが髪を縛るためにゴムを使っていて、それが欲しいとおもったのよね。

なんで欲しいか聞かれたから、服を改良したいと言って・・・。

えっと、今の服は自分一人じゃ着替えられなくて不便で、有事の際に行動できなくて、困って・・・。

それから、魔物と戦うのに不都合で・・・。

えっと、貴族の義務とか・・・。

女性が魔物と戦うとか・・・。

そういうことを言っていたら、

「魔物の大量発生」に関係してるのだろうとおじい様がおっしゃって。


あれ、みんなの顔色が青くなったような。


それから、おばあ様がどういう風に服を改良するのか聞いてきて、具体的に紙に書きだしたのよ。

ボタン、ホック、ベルトを使った服を書いたものを見せたら、おじい様が材料を用意してくれたの。

そして、おじい様が魔法を使ってボタンを作ったの。

それを見て、おばあ様と、お母様、お兄様も魔法を使って作ったのよね。

見ていてね、私もやってみたいな。と思ったの。

だから、木切れを一つ手に取って、みんなが言っていた言葉を呟いてみたの。


私の中で何かが動いたのがわかったの。

ボタンが出来ていたわ。

偶然触れた針金がホックに変わって、それから皮と金属からベルトを作って・・・。

そうして、私は、魔力暴走を起こしたのね。

裁縫室で服の改良どころか作りまくったようよ。

いいえ、作ってしまったの。

かなり、危なかったみたいなの。

魔法を使えることがうれしくて、楽しくて、魔力に酔ってしまったの。


おじい様達が助けてくれなければ、今、私はここに居なかったでしょうね。

魔力が枯渇しかけた私に、みんなが魔力を分けてくれたみたいなの。

私は眠らされていたから確かなことは言えないけどね。

でも、そうでなければ、目が覚めた時にみんなが集まっていた理由がないのよね。



104話です


うわ~。

やってしまった~。


と、いうことに気が付いた回です。

日にちが1日飛んでました。

本文には何日とは入れてなかったからよかったけど、後書きで目覚めて何日と入れてましたので、気分はアウトでした。


セリアちゃんありがとう。

あなたが皆に話さなかったら、気が付かないまま、話が進むところだったよ。


なんで、こんなことになったかというと、王宮から帰った日を1日目にカウントしたことですね。

往診の回に気がつけばよかったんだけどね。


それから、あらすじに言葉を足しました。

キーワード?も増やしました。


それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。

それでは、次話で。


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