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月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
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10-2 侮辱されたので怒ります!

「あら、ローザ王女様。親というものはいつでも子供のことを気に掛けてますのよ」

「子離れしてないの間違いではなくて」

「まあ~。面白いことをおっしゃいますのね。ただね、子供にはお眼鏡にかなった方とお付き合いしていただきたいものだと思ってますわ」


ソフィティア叔母様の言葉にフィリナ様が顔色を変えました。

いえ、ローザ様、マイン様もです。

フィリナ様が震えています。

私も顔色が変わったことでしょう。


ということは、なんですか。

私の友達にフィリナ様は相応しくないということですか。

朝から楽しい気分に水を差されていたので、叔母様に苦言を呈することにします。

ローザ様が伯母様に詰め寄ろうとしていたのを制します。


「お言葉ですが叔母様、私の友達にずいぶん失礼なことをおっしゃいますのね」

「誤解しないでね、セリアテス。私はスクワーレ伯爵家をよく知らないから、お話しして人となりを知りたいと思ったのよ」

「それが、失礼だと言ってるのです。それに、なぜ、叔母様がフィリナ様のことを知らなくてはならないのですか」

「それはね、あなたのそばにね」

「だから、叔母様には関係ないことですよね」

「セリアテス?」

「フィリナ様は私の友達です。私が来てほしいとお招きしました。それを、関係のない叔母様に口出ししてほしくありません」

「セリアテス・・・」

「それと、なぜ私に聞かずにビアンカ様、アマリア様の勉強会の参加を決めたのですか。私の意思は必要ないのですか。私には決める権利はないのですか」

「セリアテス」


お母様が諌めるように強い声を出しました。

確かに言い過ぎました。

でも、叔母様の方が先に私の友達を侮辱したのです。

ここは譲れません。


「言い過ぎたかもしれませんが、私は謝りません。部屋の方に行かせていただきます」


そう言って、居間を出ていきました。

ローザ様、マイン様、フィリナ様も続いて出てきました。

私はフィリナ様の手を握ると自分の部屋に向かいました。

私の部屋に入るまで誰も口をききませんでした。


私の居間に入るとキュリアさんが紅茶を用意してくれました。

私はフィリナ様と並んで座っています。

自分の部屋に入り落ち着いてきた私は・・・頭が痛いです。

やっちゃいました。

どうも、私の中でこれは譲れないと思うと、たたみ掛けるようにしゃべってしまうようです。


と、向かいから笑い声が聞こえてきました。

ローザ様が笑っています。


「ふふふっ。私が言おうと思ったのに、セリアってば」

「・・・言い過ぎました、よね」

「あれくらい大丈夫よ。アルンスト侯爵夫人もいい薬になったのではないかしら」

「そうですの~、おねえさまのいうとおりですの~」

「あの、ありがとうございます。わたし・・・」


フィリナ様がお礼を言われました。そして、泣き出されてしまいました。


「ごめんなさい。謝ってすむものではないけど、本当にごめんなさい」

「セリアテス様が謝る必要はありません」

「ううん。身内がしたことですもの。私にも責任があるわ」

「いいえ、セリアテス様は悪くありません」

「そうよ。セリアは悪くないんだから」

「セリアおねえさまが、きにやむひつようはないのです~」


もう、これ以上言えなくなってしまうじゃないですか。

本当、会えてよかった。

あれ、なんで?


「ちょっと、なんで、セリアまで泣き出すのよ」

「セリアおねえさま?」

「セリアテス様」


みんなが焦ったように私のそばにきます。

もう、フィリナ様ってば。

王女様達に席を譲らなくてもいいのに。

本当に気遣いのできる方なんだから。


「う、ふふふっ。ごめんなさい。私、思った以上にみなさまに会えたのが、うれしかったみたいなの」


もう、マイン様。

手巾で私の涙を拭いてくれるなんて。

みんな、私の言葉の続きを待ってくれるなんて。


「この7日間いろいろあったの。いろいろな人に会ったわ。でもね、親戚といっても知らない人ばかりなの・・・。私のこと心配して来てくれてるのはわかっているのよ。でも、だからといって、していいことと悪いことがあるじぁない。・・・私は記憶がないかもしれないけど、何もわからない子供じゃないのよ。自分で判断できると思っているわ」


一度言葉を止めて息をつきます。


「心配してくれるのはありがたいけど、私の気持ちを無視してほしくなかったの。親戚が仲がいいのはうれしいけど、違うの。もっと信用してほしかったの」


ああ、もう、何が言いたいのかぐちゃぐちゃよ。

それでも、私がまだ、全部言ってないと、待ってくれるのね。


「ビアンカ様やアマリア様のこと、嫌なわけじゃないの。ただね、今日は初めてフィリナ様をお招きしたのよ。ローザ様、マイン様まで来てくれてうれしかったの。出来れば他の人には来てほしくなかったの。私達だけがよかったの」


本当は言うつもりはなかったの。

胸の奥にしまっておくつもりだったの。

こんな感情は知りたくなかったの。



103話です。


今回は・・・。

いうことはないので、コメントなしでね。


あっ、ブックマークをしてくれた方が、600件を越しました。

1話ごとにブックマークをしてくださる方が増えていくのを、とても楽しみにしています。


では、次話で。

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