表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月光の姫と信望者たち  作者: 山之上 舞花
第1章 セリアテスと記憶喪失と王宮の人々
103/444

10-1 友達との約束の日・・・ですが

今日は目が覚めてから、ずっとそわそわしています。

フィリナ様が家に来てくださる日なのですもの。


一昨日の魔力暴走で、もう少しで今日のフィリナ様との勉強会がなくなってしまうところでした。

昨日は一日だるかったけど、動けないわけではなかったので・・・。

いえ、うそです。

す~ご~く、だるかったけど、お母様が私の体調を気にして、勉強会を後日にしようとするのですもの。

絶対、それはイヤだったから、頑張りました。


・・・なのに、なぜ、今日もアルンスト侯爵家とルートガー公爵家が来ているのでしょうか。

いえ、ビアンカ様やアマリア様が嫌だというわけではないのですよ。

ただ、フィリナ様は私にとって特別というか。

そう、初めてのお友だちなのです。

だから、家に来ていただく最初の時は出来れば他の人がいない2人で・・・。


・・・本当はローザ様や、マイン様も一緒にいて欲しかったです。

思ったよりも王宮で4人で過ごした時が楽しかったみたいでした。

10時にはいらっしゃると連絡があったそうなので、時計を見てばかりいます。


「セリアおねえさま、さっきからてがとまってます」


アマリア様に言われてしまいました。


そうなんです。

一昨日の宣言通りに、叔母様達は侍女の方を何人も連れてきました。

それに、男の召使いの方?や、職人風の方も。

皆さん、ああでもない、こうでもないと言って、ベルトやホック、ボタンの作り方を研究していました。


侍女さん達はドレスをみて、やはり、ああでもない、こうでもないと言いあっていました。

私が魔法を使わないやり方でドレスを作り直すと、みんなこぞってマネをし始めました。


ああ、型紙まで作ってたなんて。

穴があったら・・・。


今は、時間つぶしのためにチョーカーを作っています。

でも、全然集中できません。


みなさまが笑って見てます。

約束の5分前になりました。

もう、待ちきれないので、玄関に向かうことにしました。


玄関の所まできたら、馬車が止まる音が聞こえました。

扉を叩く音が聞こえます。

執事のアロンさんが応対しています。

アロンさんが横に動いてお客様が見えました。

私はフィリナ様に抱きつきました。


「セリアテス様?!」


耳元でフィリナ様の声が聞こえます。

私は身体を離してフィリナ様の顔を見ました。


「お招きいただきましてありがとうございます」

「よくおいでくださいました」


お決まりのあいさつをして、顔を見合わせて笑い合いました。

でも、と、表情がくもってしまったのでしょう。

フィリナ様が訝しそうに見てきます。


「どうかなさいましたか」

「あの、ね。フィリナ様と会えてうれしいのだけど、ここにローザ様とマイン様がいらっしゃればと、思ってしまって」

「そうなのですね」


フィリナ様はそう言うと一歩左に動きました。


「あ~ら、うれしことを言ってくれるじゃない。セリア」


その声と共にローザ様が姿を表しました。

その後ろから、マイン様も顔をのぞかせます。


「おひさしぶりですの~」


私は何も言えずに二人に抱きつきました。

2人も抱き返してくれました。


「元気そうでよかったわ。歩くのも支障なさそうね」

「はい」


胸がいっぱいで、言葉が出ません。

連絡がいったのか、お母様が来てくれました。


「まあ、ローザ王女様、マイン王女様。よくいらしてくださいました。スクワーレ伯爵令嬢も」

「突然お邪魔してしまってごめんなさい、公爵夫人」

「おじゃまするですの~」

「本日からお世話になります」

「ええ、よろしくお願いするわね。どうぞ、こちらにいらしてください」


お母様に先導されて居間に向かいました。

居間にはもちろんみなさまがいます。

王女様達は部屋に入ると淑女の礼をしました。

みなさまも王女様たちに礼をしました。


「お久しぶりです、みなさま。こちらでお会いできるとは思いませんでしたわ」

「ローザ王女様、マイン王女様。ご無沙汰しております」

「ええ。では、挨拶も済んだことですし、どちらの部屋に行けばよろしいのかしら」


ローザ様はニッコリ笑顔でのたまいました。

ソフィティア叔母様が笑顔で返します。


「まあ、何のことでしょうか、ローザ王女様」

「あら、きいていらっしゃると思っていたわ。私達はセリアと勉強をしにきたのよ」

「ええ、もちろんきいておりますわ。ですが、その前にお茶でも飲みませんこと」

「別に喉は渇いておりませんわ。それよりも、時間は限られていますのよ。早く始めませんか」

「まあ、勉強熱心ですこと。でしたら、部屋を移られることはありませんわ。この部屋でなさってはいかがですの」


他の大人の方も頷いています。

何となく嫌な感じです。

そういえば、昨日まで勉強らしい勉強をしていません。

何か、作為を感じます。


「まあ、いやですわ。勉強はこんなに大人の方に見られながらするものではないとおもいますわ」


ローザ様がみなさまに言ってくれました。



102話です。


セリアちゃんバージョンに戻りました。

はあ~、癒されます。

セリアちゃんは、かわいいです。


そんな、あなたに~、サプライズ!


あと、セリアの気持ちはよ~くわかりますね。

大切な約束に割り込まれたら嫌ですよね。


では、次話で。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ