58話「決闘トーナメント第1予選⑥」
久しぶりです。最近忙しくて週一ペースになるかもなのでご了承ください。
コリンの指示で、西の方に向かい初めてから数分が経過した。状況は変わらず、背後には怒り狂ったSSランクモンスター『デストロイヤーレックス』が追いかけている。
「嬢ちゃん、悪ぃ……。そろそろ、限界だ」
ウィルソンが焦りながら、コリンに目掛けて言葉を呟く。彼の属性スキル『糸』は使い続けると強度が弱くなるという弱点がある。
「どうする??もういつ切れてもおかしくない状況だが」
「あと、もう少しだけ堪えてください。………ザリバさんにもお願いがあります」
「僕に??」
「はい。まずはこれを」
コリンは手にしていた『モノ』をザリバに見せる。
「どーしたの、それ??」
「飛び移っている時に役に立つかなと思って採取しました。」
「飛び移っている時に??嘘でしょ??」
ザリバは困惑した表情となる。この絶望的な状況の中、彼女は逃げながらさりげなくアイテムを回収していたのだ。
「れ、冷静すぎない??それとも僕達がおかしいだけ??ねぇ、兄ちゃん」
「知るかよ!!」
ザリバの問いかけにウィルソンは少し苛立ったトーンで答える。それによって、ザリバは怖かったのか、ビクンと身体を震わせ、「ごめん」と弱々しく呟いた。
「説明はまた後で。とりあえず、お願いします。」
「わ、分かった。属性スキル発動!!」
ザリバはコリンから『モノ』を受け取り、属性スキル『クリエイト』を発動させる
「『コレ』でいいの??」
「はい。ありがとうございます!!」
ザリバが作った『コレ』をコリンは礼を言いながら受け取り、目をキランとさせて悪戯っ子が悪いことを計画したような悪魔の微笑みをしながら…………
「えい!!」
コリンは『コレ』をデストロイヤーレックスに目掛けて思いっ切り放り投げた。しかし、デストロイヤーレックスはくるりと身体を回転させ、長い尻尾でコリンが投げた『コレ』を弾き、砕け散った。
「グォン!?」
『コレ』を砕くと、デストロイヤーレックスの目の前に多くの白い粉がぶわーっと舞い上がる。
「喰らえ!!」
それを見逃さなかったコリンはさらにデストロイヤーレックスに目掛けてとあるアイテムを投げた。
彼女が投げたアイテムは『スカーレッドキク』の種だった。逃げ回っている最中にさりげなく採取していたものだった。
スカーレッドキクには素敵な花言葉の他にもう1つの性質がある。それは、衝撃を与えると爆発するというもの。しかし、威力はほぼ皆無であり、ポンといいながら少しだけ火花が出るだけの威力である。当然、デストロイヤーレックスにとっては痒くもならない程度である。
しかし、その少しだけの火花が後にデストロイヤーレックスにとって驚異になるとはまだ誰も予想は着いていなかった。
デストロイヤーレックスはスカーレッドキクの種を自慢の歯で噛み砕いた。
本来だったら、威力の弱い爆発が起きるはずが……………
「グォォォ!?」
なんと噛み砕いた瞬間、ボオォォォォォォォォォォオン!!と音を立てながら、火炎がデストロイヤーレックスの顔面を覆うかのように激しく燃え上がった。
「ウィルソンさん!今のうちに!!」
「あ、あぁ!!2人ともしっかり捕まってろよ」
ポカンとしていたウィルソンはコリンの呼び掛けで気を引き締め直し、地面に向かって糸を放出し、そのまま地面に転がりながらも着地した。
「走れ走れ走れぇ!!」
そして、着地して間もなく3人は西の方向に向かって走り出した。
背後からは、SSランクモンスターの驚きと怒りの咆哮が響き渡った。まるで『本気でお前らを殺す』と言っているかのように…………
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「コリンちゃん……すごい」
モニターでコリン達の行動を見ていたアキラは驚愕の声を上げる。アキラだけではない。ここの部屋にいる冒険者のほとんどか、コリンという少女を人目置いていた。さらに、観客席の方では、「おぉぉぉぉぉ!!」という声が聞こえ、大いに盛り上がっていることが分かる。実況者も今では熱くコリンについて語っていた。
「ねぇ、あれもハヤトくんが教えたの??」
アキラは隣にいるハヤトに声をかける。アキラ達が予想もつかないことをコリンが行う時は大抵ハヤトが関わっていると考えられる。
「おう。魔法が使えない子でも使える言うならば『なんちゃって爆裂魔法』だ」
「なんちゃって爆裂魔法??」
「まぁ、俺の故郷では粉塵爆発って呼ばれるやつけどね」
「粉塵爆発??」
アキラは聞いたことのない単語が口に出されたので、首を傾げる。
粉塵爆発っていうのはある一定の濃度の可燃性の粉塵が大気などの気体中に浮遊した状態で、火花などにより引火すると、大きい爆発を起こす現象のことを言う。
コリンがデストロイヤーレックスに目掛けて放り投げた『モノ』は麦類の植物であり、ザリバの属性スキルによって粉末状にしたものであった。それを、デストロイヤーレックスが弾いたことで粉末が周りを飛び散り、あとは2回目に投げたスカーレッドキクの種をなんも知らないデストロイヤーレックスが噛み砕いたことによって生じた火花が粉末に反応し、火炎の威力を上げたということである。
「ただし、今回の場合、スカーレッドキクの種の火力は本当に低いから周りの森にさほど影響は無かったけどもし加減を間違えたら冗談抜きで山火事とか起きてヤバイ危険性もあったからな。みんなも面白がって真似とかしちゃダメだぞ。ハヤトお兄さんとの約束だ!!」
「いや、誰に話しかけてんのよ!!」
ハヤトのナチュラルなボケにアキラはツッコミを入れたあと、安心そうな表情をして言葉を呟く。
「でも、これであの3人は逃げ切れるわよね??」
「はぁ?逃げ切れるわけないじゃん。アキラさん、馬鹿なの??」
「口酷くない!?」
「でも、ハヤトちゃんの言う通りだよぉ、アキラちゃん!!」
アキラ達の側にいた母ちゃんがモニターを見ながら話しかける。
「どういうことですか??」
「相手はSSランクモンスター。ハヤトちゃんの言う粉塵爆発とやらは実に見事だったけど、奴にしたら一時的の足止めに過ぎないのさぁ!!少し時間が経てば匂いを辿って再び追いかけてくるに違いないからだよぉ!!」
母ちゃんは張りのある声で誰でも分かりやすく説明を行う。それを聞いて、アキラも「ふむふむ」と頷きながら理解する。
「つまり、その一時的な間にあの3人はどうにか対策をしないとまた危ないってことですよね??」
「そういうことだろぉねぇ!!」
母ちゃんはそう言って、手にしていた『バナナプロテイン』の残りをクイッと飲み干した。対してアキラは「そうですか」と言いながら俯いていた。
「そんなに心配すんなよ、アキラさん。」
ハヤトは無表情で、心配して顔が優れないアキラの肩に手を置きながら『しゅわしゅわコーラ』を飲んだあと、「それに」と一言言ってモニターの方に指を指し出す。
そこには、コリンが走りながらウィルソンとザリバに何か話しかけている様子が映し出されていた。
「どうやらあいつ、まだ何かやってくれるみたいだぜ??」
粉塵爆発はWiki参考です
あと、次回、第1予選決着する予定です。出来なかったらごめんね。
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