11話
「レオン様、司祭様がいらっしゃいましたよ~」
その声を聞き急いで出していた本をしまい書斎を出る。
そして玄関に向かうと、見知らぬ初老の女性がいた。
「ご機嫌はいかがですか、レオン様」
「レオンは覚えてないかも知れないけど、この人がレオンが生まれた時取り上げてくれた人で名前はアクセル・イルティさん、この領で唯一の神の加護を受けた人なんだよ」
「はじめまして」
「ほお、町の皆が噂する通りなかなか利発そうな子じゃ」
「ありがとうございます」
「本当にグレンにこのような息子ができるとは、世の中何が起こるか分からんのう…」
「ま、まあそれはおいといて、早くレオンの適性属性を視てやってくれないか」
「わかっとるよ、年寄りを急かさんでくれ」
玄関から庭に行きいつも剣の練習をしている場所へと向かう。
「この辺なら周囲の魔力に干渉して、レオン様の適性属性も分かるじゃろ」
適性属性を調べるのだから、もうちょっと厳かな雰囲気の中でやるのかと思ったが、加護の力だけでは弱いので周囲の魔力を使い、その魔力に俺が触れたときの感じで調べるそうだ。
ややこしくなったが、要約すると辺りの魔力が多い方が分かりやすいらしい。
「それでは、始めます」
そういうとアクセルさんは、詠唱を始めた。
アクセルさんの詠唱は独特で、俺や皆が使っているような言葉ではなく、ちょっと何を言っているのか聞き取れない。
そしてその詠唱を始めてから十分程たった頃、俺の周りに変化がおとずれる。
今までなにも起こらなかったのに急に、周囲が光出し俺はちょっと慌ててしまった。
「落ち着きなさい、もうすぐ終わるから」
そう言われてすこしは落ち着いてきたのだが、次の瞬間突然周りの光が大きくなり俺を包み込んだ。
しかし、それも一瞬で散っていき、周りに光はなくなった。
「ふぅ、終わりましたぞ」
どうやら今ので終わりらしい。
一体俺は、なに属性なんだろうか。
「レオン様の適性属性は…」
「適性属性は…?」
「無属性です」
そういわれた瞬間俺は何も考えられなかった。
何故皆悲しそうな顔をしているのか、何故アクセルさんは苦笑いをしているのか、何もわからなかったいや、わかろうとしなかった。
俺はその後皆にどのような返事をしたのか分からない。
ただ無性に一人になりたかった。
なのでタイバーンの所に行くと嘘を言って家を出た、特にいくあてもなく歩く。
すると知らないうちにタイバーンの家に来ていた。
タイバーンはなんというだろうか、魔法の練習を続けてもらえるだろうか。
延々と考え事をしていたら、家の中からタイバーンが出てきた。
「なんじゃレオン、どうしてそんなところで突っ立っておるんじゃ?」
「タイバーン…」
「何か事情がありそうじゃの、まあいい早く家の中に入らんか」
「ああ…そうだね」
タイバーンの家に入ると部屋の中が硫黄臭く、窓が開け放してある。
「ゲホッゲホッ!!一体何をしてたの!?」
「ちょっとポーションを作るのに失敗しての爆発しただけじゃ」
この騒ぎをちょっとでかたずけるとは…
それにしても何を混ぜたら爆発物を作れるんだ?
「それよりもレオン、何があったんじゃ?」
そうだ忘れていた、あんなにも悲観に暮れていたのに一瞬で忘れさせるとは、タイバーンはやっぱりすごいのかも知れない…色んな意味で。
「今日適性属性の判断があったんだ」
「ああそうじゃったのう、それがどうかしたのか?」
「実は俺の適性属性は無属性なんだ…」
「ほう、でもそれで何故そんなにも悲しむ必要があるんじゃ?」
「何でって、そりゃ無属性魔法は威力も低いし、他の魔法に比べて華やかさがないじゃないか
」
「魔法の威力など鍛練を積めば高くなるし、第一に魔法に華やかさなど本来必要のないものじゃろう」
「それはそうだけど…」
「レオンはまだ若いんじゃから、そんなことを気にするより腕をあげる方がよかろう?」
「そうだね…うん、そうしよう。ありがとうタイバーン」
「うむ、それでこそレオンじゃ」
タイバーンに相談したら、一気に悩みが消え新たな目標ができた。
やはりタイバーンはすごい人だとあらためて思った。
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