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現代戦国  作者: 百合華
第六章
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28 声の主

『来てしまいましたな』

 暗闇に響く声。もう慣れたので、狼狽することはない。

『覚悟は、できたでございまするか?』

「うん」

 自分の思いがようやく声になったのを、幸村は驚かなかった。自分が浄化人になったからもう声は出るはずだ、と予測していたのだ。

 だって……。

「俺は、戦うよ。だから瞼も、もう開けていいよね?」

『ああ』

 幸村はゆっくりと目を開ける。あれほど言うことを聞かなかったのに、あっさりと動いた。

 それはきっと、この声の主が誰だかわかったからだろう。

 広がっていたのは、やはり暗闇だった。そこに立っているのは、一人の武将。想像通りの顔をした人物。

『やつがれの言ったこと、覚えてございまするか? 迷ったときには……』

「覚えてるよ。だから、その言葉通りの選択をするつもり」

『そう。なら、安心でございまする』

「うん。俺は、己の魂の示した道を行く」

 今まで気づけなかったのは、多分、あまりにも身近すぎたからだ。

 武装をし、少し大人びているものの、自分とまったく同じ顔をしているその武将に、幸村は微笑する。

 そう……これは、自分自身の声だったんだ。

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