表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
洞窟暮らしの魔族の娘に転生しても、皇子様と結婚したい  作者: 渓夏 酔月


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/41

12.国王陛下

 王宮はすさまじく大きかった。まずドーエルとは城壁の高さが違う。しかも城壁の石が磨かれていて美しい。お城の塔も多いし綺麗だ。わたしは馬車の窓に顔をくっつけて王宮に見入ってしまった。全くのお上りさん状態だ。


 わたし達を乗せた馬車が王宮の一角に着くと、お部屋に案内された。わたしはハンス先生の隣の部屋を用意してもらったが、豪華さに卒倒しそうになった。ベッドには豪華な天蓋がついていて、お姫様になったようだった。とうとう王宮内のお部屋に泊ることが出来ると舞い上がってしまった。


 モーガン様が王宮と交渉してくださったらしく、ハンス先生とわたしの護衛を引き続き務めてくださることになった。わたしの隣の部屋にモーガンさんも泊まってくれるらしい。


 きっとお酒の席で戯れに言ったことを守るためにそうしてくれたのだろう。騎士とはそういう存在なのかと思って尊敬した。ハンス先生に爪の垢でも煎じて飲ませたい。


 少し休憩した後、早速国王陛下に面会することになった。


 モーガン様に言わせると、こんなに早く呼ばれるのは異例で、結構厄介ごとなのかもしれないとのことだった。しかも本来外部の者が立ち入ることが出来ない、国王陛下のプライベートエリアでの面会とのことだった。


「性病とかかもな」


 ハンス先生がふざけてわたしに耳打ちする。頼むからそういうつまらない冗談はやめてほしい。こんなことで死罪にでもなったら、悔やんでも悔やみきれない。


 王宮の大きなつくりからすると、ややこじんまりとした部屋で国王陛下に面会することになった。ハンス先生やモーガン様が片膝ついて跪いているので、わたしも真似をした。衣擦れの音とともに、オーラをまとった人が部屋に入ってくるのを感じた。


「わたしがエルブルグ王国国王、クラウスです。ハンス先生、グレア殿、お顔を上げてください。遠いところお呼び立てして、しかも到着したばかりだというのにお疲れのところ申し訳ありません」


 国王陛下はびっくりするくらい腰の低い方だった。


「もともとこちらの王国騎士団にいたドミニクという者から、ハンス先生の御高名をお伺いしました。ドミニクをご存じですか」


「かつて膝の治療をして差し上げました」


 よしよし、ハンス先生、ちゃんと敬語で話している。


「私もドミニクが走り回る姿を見て驚きました。ドミニクが膝を痛めた原因は、私が作ったものだったのでずっと気にしていたのです。私が自分勝手な都合でお忍びで外出した際、ドミニクに護衛をしてもらったところ、暴漢に襲われ、ドミニクを負傷させてしまったのです」


 国王陛下とドミニク様はそんな関係だったのか。


「ドミニクが言うには、ハンス先生は天下一の名医だそうです。それで先生におすがりしたく、今回は無理を言ってお呼び立てしてしまいました」


「陛下、恐れながら医者にも出来ることと出来ないことがあります」


 ハンス先生少し地が出てきています。失礼が無いようにしゃべってください。


「それは当然存じています。もう王立医師会の医師達からも匙を投げられている患者なのですが、一度ハンス先生のお診立てをお聞きしたいのです」


「そういうことなら分かりました。患者のところに案内してもらいましょう」


「おお、診ていただけますか。どうぞこちらです」


 ハンス先生の言動にひやひやしながらも、国王陛下は気にも留めず喜んでわたし達を案内してくれた。お付きの人たちが扉を開けてくれた部屋に入ると、その患者さんはいた。


「診ていただきたいのは私の娘です」


 大きなベッドに18歳の美少女が寝ていた。美しい金髪に碧眼。透き通るような白い肌。本物のお姫様だ。わたしは感激して身が震えるのを感じた。


 国王陛下のお付きの人が詳しく説明してくれたところによると、国王陛下の第一皇女のカミーユ殿下は、ある時からおなかが膨らみ始めたそうだ。皇女殿下は恥ずかしさのあまり最初は内緒にしていたが、侍女も異変に気付き始め、誰もが妊娠したと思っていた。


 そのお相手は誰なのかと捜索が始まったが、いつも皇女殿下に付き従っている侍女達すら分からなかった。そうこうしているうちに、妊娠にしてはいくら経っても出産の兆候はないし、何か別の病気ではないかと疑うようになった。


 王立医師会の医師たちに診せるも、誰もよく分からない。悪魔の子を宿していると言う医師もいて、散々祈祷なども行ったが、良くなる兆候が見えない。皇女殿下も最近ではお腹が苦しく、臥せる日が多くなっているという。


「私は第一皇子のヨハンです。ハンス先生、妹を助けてください」


「僕は第二王子のフリッツです。先生、妹をお救いください。ほかの医者はすべて見捨ててしまいました」


 ベッドの傍にはカミーユ殿下と同じ金髪碧眼の第一皇子と、国王陛下と同じ黒髪に黄金の瞳を持った第二皇子が立っていた。どちらも気が狂うくらいのイケメンだった。わたしは初めて会う本物のイケメン皇子二人を間近に見て、感激のあまり気絶しそうになっていた。


「ちょっくら診察してみるか」


 もう少しましな言い方はないのだろうか。ハンス先生はわたしの感激をぶち壊して皇女殿下に近づくと、診察を始めた。




 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ