13話リラの花が咲く頃
「歌劇団……素敵だね。帝国…なんとかは最近の曲なのかい?
私は、やっぱり歌劇団と言えば『スミレの花咲く頃』。
私は、あの曲を聞くと、胸の辺りが…こう、きゅっとなるんだよ。」
と、春枝はため息をつきました。
それを聞いて、家守は小さな頃の春枝を思い出して目を細めました。
小さな春枝が歌を歌うと、日だまりがキラキラと踊るのです。
「みんな、色々見せてくれたし、私も歌ってみようかね。」
春枝の言葉に、家守が少し驚いて春枝を見ました。
春枝が歌うなんて、随分と久しぶりだからです。
「良いですね(^_-)私、伴奏しますよ。」
お調子者のメフィストが立ち上がります。
「いえっ、それには及びません。」
家守も反射的に立ち上がりました。
久しぶりに歌う春枝に寄り添う伴奏の役を家守は誰にも渡したくはなかったのです。
そんな二人を春枝は見つめて笑いました。
「大丈夫…、みんなお客様だから、今日は、木漏れ日たちにお願いするよ。」
春枝がそう言ってテーブルに触れると、春の木漏れ日が、光と影のピアノの鍵盤をテーブルに描きました。 その上に、春の光がビーズのように丸まりながら弾けて曲を奏で始めました。
更新が遅いうえに、短くてごめんなさい。
少し、頭がこんがらかっていて、当分こんな感じで進みますm(_ _)m
すいません。どうしても、公募に投稿したかったので、番外書いてます。
土用の午後は という話です。
少し、投稿ラッシュで遅くなっていますが、こちらも少しずつ更新していく予定です。