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ボリューム0(ゼロ)のデイドリーム

作者:空守人者
最新エピソード掲載日:2026/08/09
中学一年生の相葉奏(あいば・かなで)は、人と話すことが苦手な小柄な少年。

口癖は――「どうせ僕なんて」。

そんな奏が唯一好きなのは、亡き父が遺したエレキギターだった。

けれど、人に聴かれるのが怖くてアンプには繋げない。
誰にも届かない、小さな生音。

奏はずっと、“ボリューム0”の世界で一人きりギターを弾いていた。

そんなある日――

「お前、ギター弾けるんだろ? 俺とバンドやろうぜ!」

太陽みたいに騒がしい同級生・火野樹(ひのいつき)に見つかったことで、静かだった奏の日常は一変する。

理論と正しさにこだわるベーシスト・月島怜(つきしまれい)。
窓辺から三人を眺める、謎めいた天才・早乙女律(さおとめりつ)。

ドラムは走る。
ベースは理屈っぽい。
ギターは震える。
歌えば声まで裏返る。

それでも、バラバラだった音が初めて重なった瞬間、奏は知った。

一人ではただの音だったものが、
誰かと鳴らせば“音楽”になることを。

そして奏たちの前に現れたのは、圧倒的な演奏技術を持つ少年――ジョン・マグカイヤ。

奏たちの荒削りな演奏を「ノイズ」と切り捨てる彼は、仲間を率いて中学校の学園祭「海音祭」のステージへ立つ。

目標はただ一つ。

海音祭でマグカイヤたちと同じステージに立ち、
自分たちの音楽を叩きつけること。

完璧な音楽と、未完成な音楽。

果たして、人の心を揺らすのはどちらなのか――。

「どうせ僕なんて」と俯いていた少年が、
仲間と出会い、自分だけの声を見つけていく。

ゼロだった心のボリュームを、少しずつ上げながら。

これは、不器用で、下手くそで、完璧にはほど遠い少年たちが、
たった一度しかない青春を全力で鳴らす――

中学生バンドの青春音楽ストーリー。

『ボリューム0(ゼロ)のデイドリーム』

さあ、僕らの音を鳴らそう。
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