太古より来た者
トリニティを倒した私達、捕まっていたウォームラビットを助け出した。
合計千人以上、そこにはウィーニの両親も居たんだよ。
回復しても誰も起きて来ないから私は御主人と別の通路を捜しに行こうとしたの。
でもその途中で警報音が鳴ったんだ。
この場所を封鎖しちゃうんだって。
天井が落ちてきたり空気が抜けて行ったり大変だったけど、皆で一緒に脱出したよ。
それで町に戻ったんだけど、お母さんに叱られちゃった。
でもね、代わりにウォームラビットの技術を教えてくれるってことで全部上手くいったんだ!
「おおモモ殿、部屋にいらっしゃいましたか! 実はですな、今回のこと、是非礼を言いたくて参上仕った次第なのです! お目通りをお願いしたいのです!」
私の部屋にやって来たのは、シャーンの付き人のグリフなの。
よく分からないけど、誉められるなら大歓迎!
「入っていいよー!」
私はお部屋に通したんだよ。
今日は鎧とか剣とか付けていないみたい。
もしかして仕事をやめさせられちゃったとか?
でもすごく嬉しそうだよ。
(何か用事なのかな?)
「どうかなー?」
お茶を出してあげると口を潤して話を始めるみたい。
「訝しまれるのも無理はありませんな。私も城でこのような姿になるのは初めてですから。シャーン様の身を守るために武装は確実に必要ですからな。ですが寄る年波には勝てないのです。剣も鎧も重くて重くて、肩をやったり腰をやったり、まあ酷いものなのです。ですが、先日ウォームラビット族から伝えられた技術により、ほらこの通り! 重い鎧や剣から解放されたのですよ!」
「へー?」
全然分からないけど、とりあえず相槌を打っておいたよ。
「いや失礼、あまりに興奮しておりまして。ちゃんと説明せねば理解できませんですな。実はこういうことなのです!」
グリフの体がピカッと光り、鎧と剣が体に装着されたんだよ。
でもその所為で座っていたフワモコの椅子がビリビリに破れてワタが飛び出ちゃったの。
あそこで寝っ転がるの、気に入っていたんだけどなぁ。
「こ、これは失礼しました! 直ぐに代わりの物を用意させますのでどうぞご容赦を!」
グリフは頭を下げて謝ってくれたんだ。
それに新しいのが貰えるのなら全然いいよ。
私は許してあげたんだ。
それでばつが悪そうにグリフが帰って行ったの。
(そういえばウォームラビットの技術を扱う新しい施設が出来たんだっけ? アリアも手伝いに行っているとか)
「うん、そうだよ。だからしばらくお勉強はお休みなんだ!」
色々行ったり来たりしていたから、のんびりゴロゴロしたかったんだ。
(うん、そうなんだけどね、ちょっとぐらい動いてもいいんじゃないかな? ほら、お散歩とかしたくならない? アリアの様子を見に行ってみたりさ)
「お散歩かー」
忙しくならないのならそれも良いかな?
何をしているのかもちょっと気になるもんね。
「うーん、じゃあ行ってみよー!」
(おー!)
だからね、私達はウォームラビット達の新しい施設に向かったんだ。
そこはお城の庭の隅っこにある、そこそこ大きな建物だよ。
私はごめん下さーいって扉を叩いたの。
パタパタと足音がして出てきたのは、
「あらモモさん、もしかして手伝いにきてくださったのですか?」
お友達のアリアだったよ。
なんだかちょっと忙しそう。
「違うよ、遊びに来たんだよー!」
正直に伝えたんだけど、
「では是非手伝ってください! 猫の手も借りたいところなのです!」
「えー!」
私はアリアに手を引かれて中に入れられちゃったんだ。
何をするのかなって周りを見ると、ウォームラビット達がいっぱい居てバタバタ走り回っているの。
箱に入った物を棚に入れたりして整理している感じ?
「さあモモさん、そこの箱の物を取り出してそこのテーブルに並べてください。出した物は皆が並べてくれますので。でも手荒には扱わないでくださいね!」
アリアはそれだけ云って自分の作業に戻ったの。
(これはやるしかない感じだよ)
ここでやりたくないって言ったらアリアの機嫌が悪くなりそう。
「じゃあやっちゃおっかー!」
それよりは今頑張った方が全然いいよ。
私は箱に入ったよく分からないビンとかをテーブルに並べていったんだ。
ポンポン置くとウォームラビット達が飛んだり跳ねたりしながら物を整頓していくの。
それで開いた場所に物を置いてって繰り返し……。
「終わったよー!」
箱の中が全部空になって皆の作業も終わったんだ。
「ええ、何とか今日中に片付きました。これもモモさんのお陰ですね。少し休憩してお茶でも飲みましょうか」
「わーい!」
それから皆でお茶を飲んでゆったりしていたんだ。
ちょっとした話し合いをしていてね、
「あ、そうだ、モモさんを紹介して欲しいといわれていた方がいらっしゃるのですが、ちょっと会っていきませんか?」
アリアから提案があったんだ。
「うん、会っていくよー」
「よかった、では来てください、ラビッシュさん」
「待ちかねたですよ!」
名前を呼ばれ出てきたのは、この間お母さんと話していたウォームラビットさんだよ。
ピョンピョン跳ねてくる姿はやっぱり可愛い。
今はちょっと学者みたいな帽子をかぶっていて二つの耳が突き出ているんだ。
「モモ様、あの時は本当にお世話になりましたです。自分はラビッシュなのです。実はモモ様に御相談があるのです。聞いて貰えませんですか?」
「変なことじゃないならいいよー?」
「変なことではなくて重要なことなのです。自分はあの装置が出来る以前の世界に生きていたのですが、実はあの装置、魔法を扱うようにするだけの物じゃないのですよ。元々は強力無比なモンスターを封じていたのです。何か変化がないか見て来てほしいのです。行って来てくださいませんです?」
「それは大変そう」
私はお茶菓子に手を伸ばした。
「大変そうじゃありません、それは一大事じゃありませんか! モモさん急いで行って来てくださいませ! というかあなたも何故今まで言わなかったのですか!」
「本当に危険なのです。強い人じゃないと行かせられないのです。モモ様ならきっと大丈夫なのですよ!」
私はもう一つお茶菓子に手を伸ばした。
(のんびりお茶菓子を食べている場合じゃないんじゃない?)
「でもあそこまで結構遠いよ。お腹いっぱいにしていかないとお腹空いちゃうよー」
(そっか、それも一理あるのかも?)
「ならば早く食べて行っちゃってください!」
アリアに急かされて私はお茶菓子をパクパク食べきったの。
「御馳走様でしたー」
まだちょっと足りないけれど、ある程度お腹がふくれたよ。
それでアリアがウォームラビット達に頼んで、皆のお菓子を袋に包んでくれたの。
これで移動中も食べられるね。
「モモ様、これを持って行くです。御守りなのですよ」
それとラビッシュからも銀色の腕輪を貰えたんだ。
「ありがとう! じゃあ行ってきまーす!」
私は腕輪を身に着けて
(行ってきまーす!)
「行ってらっしゃいモモさん、御主人さん、道中お気をつけて!」
『行ってらっしゃーい!』
皆に見送られて御主人と一緒にあの草原に向かったの。
一生懸命走って辿り着いた場所。
そこはあの時と変らずにぼっこり穴が開いていて間違えようがないんだ。
この辺りにラビッシュが云っていた相手は居ないっぽい?
崖の下も何にも無さそうだよ。
「うーん、出て来てないみたいだよ?」
(そうだね、でも一応下にも下りてみようか。土の中に何か居るかも知れないし)
「分かったー!」
それで私達は崖の下に。
下りてみても何も気配を感じることはなかったよ。
ぐるっと回って帰ろうかなって思っていたけど、突然ラビッシュに貰った腕輪が光り出したんだ。
意識がキュルキュルして、思い出が逆回転していく感じ。
これは、なんだか、意識が……。
「わー!」
気が付くと、私は何処かの町の路上で寝ていたみたい。
といってもここは、どう考えてもウィーディアじゃないんだ。
真っ白くツルペタな道路、白くそびえ立つ高層ビル群、生まれ変わる前に見たことがあるような服装の人間達。
それになんだか私の体も変なんだ。
周りの人達より随分小さくて子供のようだったの。
これは夢?
ここは……どこ?
それよりも、御主人は?
「御主人?」
どこにもいない!?
近くに居たはずの御主人の姿がなくなっているよ!
知らない場所で一人っきり、お友達も、御主人も居ない。
これは、どうしよう……。
家猫のモモ
御主人(ヒロ)
王子シャーン
王女ルシフェリア
王女イブレーテ(長女)
シャーンのお母さんテルナ
爺
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




