財宝が欲しい!
バスカルの断罪峠に到着した私達。
でもここは馬車が通れるような道がなかったの。
私とベノムとブラッククロウ以外は正規のルートで帰らせるんだって。
それで残った私達は長い列になって峠を進んだの。
一日目は何も無かったんだけど、二日目に私が先行した時、知っている三人組を見かけたんだ。
それは前にアリアを誘拐した三人だったの。
もう悪いことはしていないみたいだから放っておいて先に進んだんだけど、何かが動く感じがしたの。
気配は感じられない、でも絶対何か居る。
警戒していると、さっきの三人が通り過ぎて行こうとしていた。
それで隠れていた大蛇が動いたんだ。
私は三人を助けることに成功したの。
でも倒しきれなかった大蛇は逃げて行ってしまったんだ。
私は三人を連れて皆の下に戻ったんだよ。
「トレジャーハンターかよ。ま、俺がどうこう言うつもりはねぇけどな」
ベノムはあんまり気にしてないみたい。
「御主人、トレジャーハンターって何?」
私は分からないことを御主人に聞いてみたよ。
(あー、たぶんだけど、伝説の財宝とか探す人のことかなぁ?)
「ふーん?」
あの三人が悪いことをしているんじゃないならいいかなぁ?
「隊長殿、その話をもっと詳しく聞きましょう! 拙者、貰えるはずの金が貰えなくなってこういう話に飛びつきたくて仕方ないのです! それに隊長だってお金は欲しいでしょう!」
それでブラッククロウは財宝ってものに興味があるみたい。
「話し合いの途中にすまないが、こちらからも提案がある」
でねワイトロウもその話に入って来たの。
「その財宝とやらはなるべく探してもらいたいのだ。手ぶらでお前達の国に行くのは少し気が引けるからな」
「隊長殿、ワイトロウ殿もこう云っているのです。是非やりましょう!」
「ま、俺も金が欲しいのは確かだ。ただ食料にも限りがあるし、それを主にしてやろうってんなら無理だぜ。精々道中に見つけたらって感じだな」
「ええ、それで構いませんとも!」
と、それにも決着がついたみたい?
「待てええええい! 勝手にべらべらと話を進めやがって、財宝は俺達の手で見つけるんだ。お前達には一つたりとも渡すもんかよ!」
「そうだそうだ、親分の云う通りだ!」
「お前等なんかに渡すもんか!」
この三人は反論しているけど、
「ほう、んじゃここでお別れだな。そんな少人数で移動していたら大蛇に食われるのは確定だが、まあそれまで精々達者でやんな。来世で上手くやれることを祈っているぜ」
ベノムの一言でトレジャーハンターの三人は顔を見合わせ、
『ごめんなさい、是非同行させてほしいです!』
一瞬で心変わりしたみたい。
それで大蛇退治と同時に宝探しをすることになったんだ。
相変わらず何処に隠れているのか全然分からないから私達は周りを警戒しながら出発したの。
先頭を進む私はキャットスレイヴで周りを確認していくんだよ。
保護色になっていてもこれならすぐ分かるよね。
「お肉早く出て来ないかなぁ」
(あんまり期待しない方が良いよ。あれも不味いかも知れないし)
「そんなの食べてみないと分かんないもん」
(というか、さっき頭を貫いたし、どこかで死んでいたりして)
「えー、それは困ったね。急いで見つけないと腐っちゃうよ。私ちょっと見て来るね」
(あんまり離れちゃダメだからね)
「はーい!」
私はまた周りを見て回ったよ。
さっき大蛇と出会った崖の下とかも確認したけど変なコインぐらいしか落ちて無かったの。
もしかしてこれが皆で探している財宝?
私はそれをポケットにしまって皆の下に戻ったんだ。
早くこの場所を抜けないとだね。
それは良いとして、またどこかから大蛇が動く音が聞こえてくるんだ。
きっとこの隊列の中の誰かを狙っているのかも。
「気を付けて、何処かに大蛇が居そうだよー!」
私が声を上げると皆は警戒心を強めたの。
ねぇ、何所から来るの?
上、それとも下、もしかして壁に張り付いていたり?
でもどこから来てもいいからね。
私の警戒心はビンビンなんだもん。
そのまま緊張感がある時間が続く。
我慢できなくなったのは……。
「いつまでこうしているんだ! 早く追い払ってくれえええ!」
「こえええええ!」
「うひゃああああ!?」
さっき拾って来た三人だったの。
「おい動くなバカ野郎共!」
今居る場所から逃げ出そうとして隊列の人達を掻き分けて後ろに行こうとしているんだ。
多くの人が倒され、道を踏み外して崖から転げ落ちようとしている人も。
幸い近くの人が助けてくれて怪我した人は居なかったけど、一瞬警戒心が途切れたみたい。
その隙を大蛇は見逃さなかったんだ。
振動する大地、現れる殺気、狙っているのは逃げていく三人の居る場所なの。
「拙者の護る場所に来るか! 返り討ちにしてくれる!」
そこは丁度ブラッククロウが居る場所だよ。
シュラッと剣を抜いて近くの壁を駆け昇っていくの。
大きな大蛇の頭、私がつけた傷口のところにバキっと叩きつけたんだ。
並みのモンスターならそれで終わっていた。
でもこいつはそんな生易しい相手じゃなかったみたい。
「うおおおおおおお!?」
「ブラッククロウ!」
攻撃を物ともせずに、逆にブラッククロウをパクってくわえて持って帰ろうとしているの。
「モモ、奴を追え、お前なら追いつけるだろ! 俺はここを護らなきゃならねぇ!」
「うん!」
私はベノムの指示に従って大蛇を追い掛けたの。
今度は絶対逃がさない。
ブラッククロウを助け出すんだから!
「待てー!」
大蛇はトゲトゲの山の峠をウネウネしながら進んで行くの。
体が大きくてもそのスピードは並じゃない。
障害物を回ったり影にしたりしながら私をふり払おうとしてくるよ。
(モモ、見失ったら不味いよ! 気を付けて!)
「御主人、それは大丈夫だよ。ブラッククロウの気配は感じているもん」
それにまだ声も聞こえているんだ。
巣に帰ってゆっくり食べるつもりなのかも。
(そっか、でも急ごうね。ブラッククロウが死んじゃったらどうにもならないから)
「うん!」
私が追い掛け続けると大蛇は峠にあった大きな河の中に身を沈めたんだ。
ブラッククロウの気配は段々離れていく。
水の中だと息が続かなくなっちゃうよ。
こうなったらキャットスレイヴで引きずり出してやろうと思ったんだけど、その気配は川の流れからは分岐してしまったんだ。
「御主人、河の中からあっちに行っちゃったよ?」
(もしかしたら河の中に洞窟でもあるのかもしれないね。こうなったら突入するしか!)
「えー!」
お風呂はいいけど、冷たい水の中に入るのはあんまり好きじゃない。
でもこれもブラッククロウの為だよね!
「じゃあ行ってみるよ。御主人もがんばって!」
(う、うん、出来る限りがんばるよ)
私は御主人をキャットスレイヴで包み込んで濡れないようにしてあげたの。
それからバシャンと水の中に飛び込んだんだ。
水は透明でお魚とかも見えたりするけど結構冷たい。
我慢しながら手を動かすと、横に抜ける道を発見したの。
私はそこに入ってみたんだ。
大蛇が襲ってきたらちょっと困ったけれど、それは大丈夫だったんだよ。
それに穴の中は空気があるみたい。
洞窟みたいになっていてちゃんと足場もあるの。
でも濡れているからちょっと寒い。
(ぷはぁ、ちょっと息苦しい感じがしたよ)
「御主人頑張った、私も頑張るよー!」
私はブラッククロウの気配を感じながら更に先に進んでみたよ。
道は入り組んでいるけど、行くべき場所は分かるんだ。
そして辿り着いた奥。
「見つけた!」
「も、モモ殿、お助けください!」
ブラッククロウは剣を使って踏ん張っているけど、もう下半身は殆ど飲み込まていたんだ。
時間はそんなにない感じ!
「にゃああああああん!」
私はキャットスレイヴを操って一気に蹴りをつけようとしたの。
肌が岩のようにガッチガチで突き刺さってはくれなかった。
その間にもブラッククロウの全身が飲み込まれ、ゴクンと丸のみにされちゃったよ。
(まだ大丈夫、直ぐに助け出せば蘇生できるはずだよ!)
「うん!」
かたいのなら自分の手で斬っちゃおう。
キャットスレイヴを剣にして接近戦に挑もうとした時、グゴゴって壁が動いたの。
何時の間にか私の体に大蛇の尻尾が絡みついて、動けなくなっちゃったんだ。
(モモ!)
「大丈夫、ブラッククロウも、御主人だって護るから!」
すごい力、でも御主人が潰れないよう踏ん張ってピョイって遠くに放り投げたんだ。
ちゃんと着地したのを見届けると、大蛇の大きな口が迫って来たの。
生臭い匂いがむわっとしてくる。
すごくピンチ、でも私は絶対負けないんだから!
家猫のモモ
御主人(ヒロ)
王子シャーン
王女ルシフェリア
王女イブレーテ(長女)
シャーンのお母さんテルナ
爺
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




