味わえ、極上のお肉!
お腹が空きまくって必死で到着したグリルザードって町。
町中からは美味しそうな匂いが漂っていて大食い大会が開かれているみたい。
でも負けたらお金を払わなきゃいけないんだって。
変身を解いたディズ改めベノムが参加しようとしていたけど、私はやめておいたんだよ。
ちょっと匂いにやられそうになったけど、試食もさせてくれるみたい。
食べてみると無味無臭、しかもプラスチックを食べているみたいにかたいんだ。
外で香っているのはいい匂いなのにどうしてだろう?
まあそれでもお腹を満たせるからお願いして数皿を食べたんだよ。
だから私はちょっと元気になったんだ。
それで大会は、やっぱりベノムは負けちゃった。
しかもお金を払えないって言ったら牢屋に入れられちゃったんだよ。
助け出さなきゃってことで私と御主人は大会主催者のウマ―って人に会いに行ったの。
「でしたら是非お願いします。正直ギルドに頼むお金もありませんでしたから。もし解決できたのならあの方を出すように進言してみますよ」
ウマーは私の提案に乗ってくれたの。
「任せてー!」
解決できればベノムを助けられそうかも?
(モモ、まずはどうしてこうなったか聞いてみよう。何時どういう状況でこうなったのか知らなきゃね)
「そうだね! あのね、どうしてそんな風になっちゃったの?」
私は御主人の云う通りに聞いてみたよ。
「そうですね、あれは二月ほど前のことです。町の卸業者から苦情が来てログロゥの肉の味が変わった事に気が付いたのです。自分でも試してみたのですが、結果は同じでした。それまではとてもジューシーでそこそこ評判の肉だったのですが、何故こうなったのか理由は全く不明のままです。医者に相談しても原因不明だと云われるし、どうか原因を見つけてください! このままでは廃業の危機なのです!」
ウマーは切実な問題を訴えてる。
ログロゥ? のお肉の味を変えちゃうなんて許せないよ。
もっと美味しいお肉を食べられたかもしれないのに!
(まあ牧場でお肉が売れなくなったら困っちゃうよね。原因はなんだろう? 病気とか?)
「だったら白猫ちゃんを呼んでみるよ。治せるかもだもん!」
(うん、試してみよう!)
「何だか分かりませんけど頼みますよ。今日は家に居ますので、何かあったらよんでください」
と、ウマーは家の中には入っていくよ。
私は牧場に放牧されている動物、ログロゥに近づいたの。
大きいけど結構大人しい感じで触っても暴れたりしないよ。
「猫猫召喚、出て来て、癒しの猫ちゃん!」
私は白猫ちゃんを呼び出してログロゥを舐めさせたんだ。
何時ものように治ったって云って消えちゃったんだけど、
「……御主人、これ治ったのかなぁ?」
見た目に変化がないからどうにもならないの。
(うーん、分かんない。味って食べないと分かんないし。一応ウマーさんに報告してみたら?)
「そうしてみるよー」
私達は戻ってウマーを呼んだんだよ。
「どうかされましたか?」
「治ったよー……たぶん?」
「え、もう? 本当なのですか!?」
ほんの数分しか経ってないからすっごく驚いてるよ。
「たぶん!」
私は自信満々に片手をあげてピョンと飛んだよ。
「自信があるのかどうかさっぱり分かりませんが、今は藁にも縋る状況です。まずは見せていただきませんかな?」
「うん!」
治したログロゥの居る場所に案内しようと思ったんだけど……。
「どれだっけ?」
あれかな、それとも、これだっけ?
模様もほぼ同じだし全く見分けがつかないよ。
(仕方ないからもう一回やってみたら?)
「うん、そうするよー!」
「あの、何をされるのですかな?」
事情を知らないウマーはすごく不思議そうにしているの。
「私が魔法で治しちゃうんだよー」
「そんなことが?」
「見ててねー」
そしてもう一度白猫ちゃんを呼び出してログロゥを治してみたよ。
「これで……治ったのですかな?」
「たぶん!」
「うーむ、それが本当だとしても試してみるしかありませんな。これは賭けになりますが肉にしてみましょう。しかし失敗した時は責任を取って貰いますぞ。ログロゥ一匹を育て上げるのには時間と費用が掛かっているのですからな。それで構いませんかな?」
「でも私お金持ってないよー」
「まあ、それならそれでやりようは幾らでもありますので。問題はありませんよ」
私の顔や体を見て何だかニヤニヤしているよ。
(うわ、酷いこと考えてる顔しているよ。モモ、やめといた方がいいんじゃない?)
「大丈夫だよー、白猫ちゃんがそう云ってたもん」
(そっか、でも最悪はベノムを置いて逃げなきゃダメだからね。ウィーディアに着いちゃえば皆助けてくれるんだから)
「うん、そうするね!」
「それでは解体作業をしてみましょう」
ウマーはさっき治したログロゥを一匹解体小屋に移動させてお肉にし始めたの。
私も手を貸して見た目は美味しそうなお肉が出来上がったんだよ。
今は普通に柔らかそう。
「それでは焼きを入れてみましょう」
それを青空の下で鉄板を使ってジューっと焼くと、少し甘くて香ばしい匂いが漂ってきたよ。
ちょっとお腹が空いちゃいそう。
でも問題は味なんだよね。
食べたらガッチガチで無味無臭になっちゃうんだ。
「さあ、試食してみましょう」
「うん!」
私とウマーは切り分けられたお肉を口に運んだの。
あのガチガチだったお肉は今は程よい嚙み応えで肉汁が溢れ出る。
最後のあと味までしっかりと。
「美味しい!」
これはもっと食べたい感じ!
グゥっとお腹が鳴っちゃった。
(ちょっとドキドキしちゃったよ。でも良かったね)
「うん!」
「おお、これは素晴らしい。是非他のログロゥにも治療をお願いします!」
「任せてー! でもその前にもうちょっと食べてもいい? 御主人の分もお願い!」
「ええ、もちろんですとも!」
(やっと美味しい物が食べられるよ!)
それで私と御主人のお腹がしっかりと満たされたよ。
顔がにやけちゃうぐらい満足なの!
やる気に満ちた私は全部のログロゥに治療をしたよ。
今度はちゃんと治療前と後で分けたからかけ逃しとかはないんだ。
「ようやく光明が見えましたな。これでまた肉の販売が再開できそうです。ですが原因が突き止められたわけではないですから、またかかってしまうと困るわけでして、引き続き調査をお願いしたいのですが」
ウマーはまた私に頼んで来たよ。
「うん、いいよー」
「おお、ありがたい。ではこちらからは牢の男を出すように指示をして来ましょう。もし原因を突き止めてくださったならたっぷりとお肉を振舞いましょう」
「わーい、やったー!」
ベノムが出て来られるし、またお肉が食べられるし、私はすっごい嬉しいんだ。
直ぐに牢に向かって出して貰ったの。
直前まで寝てたベノムは背伸びしたりしているよ。
「ふぅ、全く酷い目に遭ったぜ。でもまあ臭い飯とはいえ腹がふくれたから多少はマシか。んじゃ帰ろうぜ」
「まだ帰れないよー。ウマーから依頼を受けてるの」
「それが条件ってやつか。んじゃ仕方ねぇ、やるとするか。で、どんな依頼だ?」
「えっとね――」
私はベノムにお肉が不味くなってたーって、白猫ちゃんで治したーって、事情を話したよ。
「確かにあの肉はかたくて不味かったが、そんな風になる病気があるのか? 農業のことは全然知らねぇけどウィーディアじゃ聞いたこともねぇぜ? もしかしたら呪いや魔術の類だったりしてな」
「ふーん、そんなのがあるんだ?」
よく分からないけど、ベノムは私よりは知ってる感じ?
「いや、まあそっち方面も詳しくはないんだがよ、まあ予想って感じだな」
(確かに、病気であんなプラスチックみたいにはならないよね。しかも味付けされてるのに無味だったし)
「誰かやってる人が居るのかな?」
「そうだとしたら確実にな」
「じゃあ犯人を捜さなきゃだね」
(うん、聞き込みをしようか)
それで私達は牧場に戻ったの。
ベノムが挨拶したりしながら家の中で話をしたり聞いたりしたよ。
「恨まれると云われましても、私達は農場を営んでいて肉の売買をしているだけなのですが。特にそういう覚えはありませんねぇ?」
うんうん考えているけど出て来ないみたい。
「あんたの家族はどうだ?」
「妻も娘も身に覚えはないと思いますよ?」
「直接聞いてみてもいいー?」
私はお話しを聞いてみることにしたよ。
「ええ、どうぞどうぞ」
ウマーの奥さんユーマと、年頃の女子マーユもやっぱり覚えがないんだって。
どこにも情報がないから近くの民家とか聞き込みをすることになったの。
でその道中。
「ま、本人に覚えがなくても恨まれることぐらいあるだろう。言いたくないことだってあるだろうしな。実は浮気しててその相手がってことだって考えられるぜ。まあとにかくだ、次の家についても失礼なことを云って機嫌を悪くさせることはやめとけよ」
「うん、分かったよー」
話ながら隣の家に到着して私はこんにちわーって元気よく扉を叩いたよ。
ガチャッと出て来たのは……。
「あー、犯人だー!」
と、私が決めつけちゃえるほどすっごく怪しいドクロだらけの衣装で、部屋の中にもいっぱい怪しい物があるとてもいっぱい怪し過ぎる人だったの。
家猫のモモ
御主人(ヒロ)
王子シャーン
王女ルシフェリア
王女イブレーテ(長女)
シャーンのお母さんテルナ
爺
青鎧のブルース・グライブス
教育係アリア・ファイリーズ
赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)
桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)
ベノム(ブレードバード隊、隊長)
ルーカ(孤児)
プラム・オデッセイ(里帰り中)
ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)
クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)
シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)
剣と魔法の世界 ミドレイス
翼の生えた子供 ウリエリア




