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反撃の時がきた?

 ノラを捕まえた朝、私達は逃げられないようにクロの下に運んだ。

 これで解決、と思ったんだけど、朝食を取った喫茶店でノラの幼馴染だという女の子と出会った。

 ベルと名乗ったその子は、ノラと手紙のやり取りをしていたみたい。

 手紙の内容を見るとノラはお父さんに罪をかぶせた奴を探る為に敵の組織に潜入していたとか。

 私はその手紙を持ってお城に。

 もう裁判が始まっているみたいだけど、私はクロに手紙を手渡し進行を止めた。

 レオの判断で三年以内に敵のボスを倒すことと、攫われた子供達を取り戻すことを言い付けられてノラは呪いの首輪をつけられた。

 ノラに制約の首輪が取り付けられた。

 これでもう悪いことはできないと思う。


「さてと、裁判は終わったけれど、勇者様はまだ関わる気ニャンス?」


 色々終わってレオが私に向かって声をかけてきた。

 これはたぶんこの事件のことかな?

 ウィーディアに帰るのはまだ先だし、時間は充分にありそう。


「うん、帰るまでは手伝うよー!」


「ふむ、だったら存分に手伝ってもらうニャンス! クロ、反撃の作戦を考えるニャンス!」


「んニャァ、直ぐに準備いたしますニャァ! ノラ、お前にも手伝ってもらうニャァ」


「ふん、当然だ、この首輪を取り外すためにも必要だからニャ。いくらでも使いニャがれ!」


「ノラ、強がっちゃダメニャウ。頭を下げて頼むニャウ! お願いしますって頼むニャウ!」


 ノラはベルに頭を下げさせられている。


「おいベル、ニャめろ、俺のキャラが崩れるだろうが!」


「そんなのは捨てちゃうニャウ!」


 助けられたからか頭が上がらない感じみたい。


「ここでは色々騒がしいですニャァ。レオ様、ニャー達は会議場に向かわせていただきますニャァ!」


「うんむ、そうするニャンス」


 私達はお城の近くの会議場に移動した。

 ノラとベル、リーズとカリン、御主人もちゃんといるよ。

 その場所にある大きなテーブルの上にはこの国の地図がある。

 クロはその地図にあるこの町の場所を指さした。


「ではご説明しますニャァ。アインハルト・ディ・グライナスはこの町から、直ぐそこの領地を治める男ですニャァ」


 そこから少し動かすと魔導国家マグナストリスがある。

 その一部、この国の国境と隣接した部分を収めているのがアインハルトという男みたい。

 直ぐ近くだから行くのは簡単そうだけど……。


「しかし、我等が出向いたとなれば相手にたちどころに知られてしまいますニャァ。ノラの他にも色々と怪しい奴等が潜伏している可能性もありますからニャァ。もしそうであれば、ノラが捕まって寝返ったことも知られていると思いますニャァ」


「まあ、そうだろうニャ。きっと亀みたいに動かニャいぜ」


「うむ、奴に直接声をかけたとしてもこちら側に来ることも無いということですニャァ。ならばもっと上の人物と交渉して呼び寄せるしか無いですニャァ。絶対に断れないほどの人物となれば……」


「ふーん、向うの王様とか?」


「それなら絶対に断れませんね」


 あー、レオと同じ立場の人か。

 それならできそうだね。


「確かにそうですが、他国の王と直接交渉するのはまず不可能ですニャァ。一番信用できてアインハルトに情報を伝えないであろう人物、そいつに情報を伝えて貰いますニャァ」


「おい、そんニャ奴が存在するのかよ」


「うむ、ほぼ全ての国には派閥というものが存在するニャァ。アインハルトを毛嫌いして我々に協力してくれるであろう人物は……この領地を治めるランスロット・グリーン・マイヤー伯爵だニャァ」


 指をさしたのはアインハルトの領地の隣にある場所みたい。


「伯爵がこの話しを知れば利用するのは必然ですニャァ」


「逆にアインハルトに恩を売ってしまうことはニャいのかよ?」


「ほぼあり得ぬ話だが、当然見張りも付けるニャァ。何かあれば直ぐに連絡を入れさせますニャァ。さて、問題は誰に行かせるかですニャァ」


 クロはちょっと悩んでるみたい。

 ノラやこの国の人がいけないのなら私の出番かも。

 走るのは凄く得意だし!


「それ私が行ってくるよー!」


「勇者様、良いのですかニャァ!?」


(え、モモが行くんだ? じゃあ僕も一緒に行かなきゃね)


「うん、仲良く一緒に行こうねー!」


 私はしっかり頷いた。

 御主人も来てくれるならすごく心強い。


「もしかしたらって思ってたけど……」


「これはグリフ様に報告したほうが良いのかもしれませんね」


(まあ、それはそうだろうね。僕達ウィーディアの人間だし)


「何はともあれ準備はせねばなりませんニャァ。急ぎ支度をさせます故に、少しお時間をいただきますニャァ。その間にノラにデザートでも持って来させますニャァ!」


「わーい!」


「おい、パシリかよ」


「ノラ、文句言わないで行くニャウ!」


 ノラがベルに引っ張られながら部屋から出て行く。


「こっちも急いで行ってくるわ。モモはここで待ってなさいよ」


「モモさん、動いちゃダメですよ」


「はーい!」


 クロと一緒にリーズとカリンもこの場所を飛びだしていく。

 私と御主人はどんなデザートが来るのかを楽しみにしながら待ち続けた。


 私が出発する時間。

 リーズとカリン、グリフやクロ、他にもいっぱい見送りに来てくれている。

 ノラとベルは居ないみたい。


「モモ、本当について行かなくてもいいのよね? 道に迷ったりしないわよね?」


「ええ、ちょっと心配ですね」


 リーズとカリンが心配そうだけど、


「大丈夫、道は覚えたよー」


(うん、僕がだけどね。まあ大きい町だし、看板もあるらしいから何とかなるでしょ)


 そこは御主人が何とかしてくれるから大丈夫!

 頼りになる御主人は大好きだ!


「モモ殿が行くと云うのであればこちらからは何も言いますまい。ただし、無事に戻ってくるのですぞ」


「はーい!」


 私はグリフに返事をした。


「では勇者様に書状をお預けしますニャァ。これを見せればランスロッド様もきっと応じてくれるニャァ」


 クロからは国境を越える手形とお手紙、それに向うで使えるお金を渡されて移動する準備は万全だ。


「それじゃあ行ってきまーす!」


 私と御主人は皆に手を振って走り出した。

 馬でも五日はかかる距離と云っていたけど、私はもっともっともーっと速いんだよ。


「にゃあああああ!」


(うわ、風圧がすごくて正面向いてられないよ!)


 動画で見た新幹線以上のスピードで走り続けると直ぐに国境の門が見えてくる。

 ピョ―ンと飛び越えることも出来るけれど、クロにそれはダメだと云われていたからちゃんと止まって門の人に話しを通したんだよ。

 手形のお陰で難なく通過し、ランスロットの収める領地、ブルスカリア。

 向かうのはその中にあるルーギスの町。


「御主人、看板があった」


(うん、ルーギスはあっちだね)


 ちゃんと道の途中にある看板を見て、御主人がその方向を教えてくれる。

 私はまた走り出すと、一日も経たずにその町が見えて来た。

 でも休憩もしてないからちょっとお腹が減っちゃった。


(この辺りに他に町がないからあれがルーギスで間違いないね。モモ、お疲れ様)


「うん、ご飯食べたい!」


(そうだね、到着したらまずご飯を食べに行こう。こっちで使えるお金もちゃんと持ってるしね)


「うん!」


 そして無事に到着したルーギスの町の門でクロに貰ったお手紙を見せたのだけど、


「確認を取りますので少々お待ちください」


 と、すごく長い時間を待たされてしまった。

 せめてお菓子かジュースを出して欲しい。

 もうお腹がグーグー鳴ってるよー。


「御主人、何か食べてきたらダメかなー?」


(流石にダメなんじゃないの? 勝手に入ったら捕まっちゃうよ)


「うー、何か食べたいよー」


 私の我慢の限界が近づいて来た頃、


「お待たせいたしました、確認が取れましたのでランスロット卿の屋敷にご案内いたします。さあこちらへ」


 ようやくさっきの人が帰って来た。


「先にご飯食べちゃダメ?」


 でも鳴りまくっているお腹の音は、この人にも聞こえているはずだ。


「あー……流石にゆっくり食事を取る時間は作れませんが、道中で腹を満たせるぐらいの物をご用意いたしましょう」


「わーい!」


 何とか危機は回避されて私と御主人は町の中へ。

 色とりどりの壁絵が描かれた町並み。

 人々の服装も十色以上使った物が主流のようで、華やかさを絵にかいたような感じの場所だ。

 それでもちゃんとした屋台やお食事の場はあるみたいで、充分に私のお腹は満たされてランスロットの屋敷に向かったのだった。 

家猫のモモ

御主人ごしゅじん(ヒロ)

王子シャーン

シャーンのお母さんテルナ

グリフ・リスマイヤー

青鎧のブルース・グライブス

教育係アリア・ファイリーズ

赤髪の槍使い、リーズ・ストライプ(エルフ)

桃髪の魔術師、カリン・ストライプ(エルフ)

ルーカ(孤児)

プラム・オデッセイ(ブルースに頼まれて特訓中)

ジャック・スロー (天狼ジャックスロー隊長、白い狼男)

クロノ・アークス (シャーンとルシフェリアのお友達)

シャルネリア・シャルル・シャリアット(同上)


剣と魔法の世界 ミドレイス

翼の生えた子供 ウリエリア

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