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ダンジョンへは誰が行く?

『ダンジョンまでは海中であるが、ダンジョン内は空気もあるので、主でも間違いなく攻略できるはず』


『その、ダンジョンに行くまでが大変じゃないのか?』


探せば、水中を自由に移動できたり呼吸できたりするスキルもあるかもしれないけど、スキル創造で取得しただけじゃ上手く使いこなせないんだよな。

まぁ、他に移動手段がないならば仕方ないかな。


『多分だが、私の複製さえあれば、主がその場所に行ったことがなくても、複製を目印にして主が転移をすることが出来ると思うぞ。

主のスキルと私自身の親和性が上がっているから出来る芸当だぞ』


転移は俺が行った経験のある場所に、しかも使う魔力量と距離が比例する。

確かに非常に便利ではあるが、意外と制約も多いのだ。

しかし、コアが出来ると言っているのならば、間違いなくできるだろう。

それくらい、コアへの信頼感は高い。


『距離的な面も大丈夫そう?』


『主の魔力量も把握出来ているので、そこも間違いないぞ』


『分かった。じゃあ、あとでテストをしてみよう』


俺が海中にあるダンジョンへ向かうのは確定だな。


「アキト。急に黙り込んだけど、コアから報告があったんじゃないか?」


俺がコアとの会話で黙りこくってしまったので、ジェフリーが気にして声をかけてきた。

ちょうど、全員がリビングでのんびりをしていたところだった。


「あぁ、ちょうど、コアから報告が来ていた」


「本当か!遠洋の魔物が近くにいる原因が分かったのか!」


ジェフリーが身を乗り出して聞いてくる。

王族の一員として、街のことが気になるんだろう。

他の皆もやはり知りたいと思ってこちらの方を見ている。

そりゃ、せっかく海岸沿いの街に来たのに海で遊べないし、魚介類も手に入らない。

その上、街の雰囲気も悪くなってしまっている。

これじゃ、せっかくの長期休みが台無しである。


「皆も気になっているだろうけど、どうにも海中にダンジョンが出来て・・・」


コアから聞いた情報を全員に伝えたのであった。


「まさか、海中にダンジョンが発生しているとは」


「まぁ、俺がダンジョンへ向かって、攻略をしてきてしまうからさ」


「アキトならば、ダンジョンも攻略できるのだろうな」


ジェフリーはそう言いつつ、何かを考えているようだった。


「アキト、アキト。ダンジョンへ行くなら、私も連れて行って欲しいのだ!

せっかく獣化の制御ができるようになったのだ。実践で試してみたいのだ!」


「それでしたら、私もアキトさんと一緒にダンジョンへ潜りたいです。

これでも一緒にアキトさんと冒険者活動をしていましたから」


ダキニとシーラが一緒に参加したいと言い出した。

まぁ、ダキニとシーラは実際に一緒に冒険者活動をしているので、その辺は問題ないだろう。


「アキト兄、ユーリア姉も一緒に参加したいって!」


「こ、こら、私はそんなこと言ってないでしょ。」


「でも、ダキニ姉もシーラ姉も参加するみたいだよ。

ユーリア姉、ここで参加しておかないと、一歩出遅れちゃうよ」


「くっ。で、でも私は貴方の面倒もみなければいけないし」


「どうせ、アキト兄達が解決してくれなきゃ、ここにこもっているだけでしょ。

警備の騎士さんもいるし、メイドさんも暇そうにしているから相手してくれるよ」


「わ、分かったわよ

アキトさん、私も足手まといにならないように頑張りますから、一緒に行って良いですか?」


何やら、コソコソと姉妹のやり取りをしていたが、ユーリアも参加希望のようだ。


「まぁ、大丈夫かな。

ただ、ダンジョンのレベルも分からないから、皆も気をつけてくれよ」


そう言うと、真剣な顔で頷いてくれた。


「それじゃ、俺と3人でダンジョンの攻略を目指して来るから、ジェフリーは待っていてくれ」


「は?何を言っているんだアキト。

僕も行くに決まっているじゃないか」


え?決まっているも何も、そんなこと一言も言ってないじゃないか。


「ジェフリーは王族なのに、ダンジョンに潜って大丈夫なのか?」


「別に、王族がダンジョンに潜っちゃいけない理由はないだろ?」


そりゃ、そうなんだろうけど・・・

アナベラさんが渋い顔をしていた。


「殿下、流石に今まで未発見のダンジョンに王族が入るのはどうかと思います」


「アナベラ、僕も通常の場合ならば、こんなワガママは言わないよ。

ただ、今回はアキトがいる。アキトがいて、その時に今まで未発見だったダンジョンが見つかる。

こんな機会は滅多にないと思うんだ。

アナベラ頼むよ。何とか今回は見逃して欲しい。」


ジェフリーがキラキラした目をしてアナベラさんに訴えかける。

生粋の王子様のあの顔はヤバいだろ。

普段は魔術学園ではあんな顔絶対に見せないな。


「し、しかし、殿下の身にもしものことがあったら・・・

せ、せめて、ここに連れて来た護衛を一緒に伴ってはどうでしょうか?」


それはそれで、今度はこっちが困る。

ジェフリーや他のSクラスのメンバーならば、実力もきっちりと把握しているし、何があっても守ってあげる自信があるが、正直実力の幅がある騎士達をぞろぞろとダンジョンに伴っては、そこまでの面倒はみきれない。

ジェフリーも、ダンジョン内をぞろぞろと護衛を連れて歩く姿を想像したのだろう、渋い顔をしている。


「それでしたら、俺の従魔であるジャンヌをジェフリーの専属の護衛にしますよ。

それならば、護衛の騎士さん達よりも確実に守りますよ」


「アキト様。ジャンヌ様というのは、確かブレアフル辺境伯家で伝説になっていた女性騎士様ですよね。

確か、ナスカのダンジョンでスケルトンになっていたところを、アキト様が従魔になされたと。

アキト様が太鼓判を押すならば、それなりの実力があるのでしょうが、ここの騎士達は普段はジェフリー殿下のお父上の護衛をしている近衛兵の中でも最上位の者達ですよ。

その者達よりも確実というのは、大変に失礼な物言いですが不安を覚えてしまいます」


あれま、うちのジャンヌはアナベラさんのお眼鏡にかなわないようだ。

まぁ、ジャンヌの実力をみていないだろうし、自らの同僚に自信があるんだろうな。


さて、どうアナベラさんを説得したものか考えていると、ジェフリーがニヤっと悪い笑顔を見せた。

ジェフリーって、たまにああいう顔を見せるんだよな。


「それならば、アナベラ。ここにいる近衛兵達を警備に必要な最低限は残して集めてくれよ。

その近衛兵達とアキトの従魔のジャンヌさんで模擬戦をしたら良いよ。

それで、ジャンヌさんが勝てば僕もダンジョンへ向かうし、近衛兵達が勝てば大人しくこの別荘でアキト達の帰りを待つさ」


「ジェフリー殿下、本当にそれでよろしいのですか?

可能な限りの近衛兵達を連れてきますよ。」


「あぁ、構わないよ。アキトもあれだけ言ったんだから、何人でも大丈夫だよね」


「それは、勿論。ジャンヌは俺の師匠でもあるからね。絶対に負けるわけないよ」


「分かりました。それでは、準備がありますので、少々お時間を頂かせて貰います。

それでは、失礼します」


俺の言質を取ると、アナベラさんはそそくさと部屋を出ていってしまった。


「よし、それじゃ皆、ダンジョンへ向かう準備をすぐに初めてくれ。

アキト、何が必要なのか皆にも説明をしてあげてくれ」


アナベラさんが出て行ったと思ったら、ジェフリーが皆に準備をさせるように言った。


「食料品やダンジョン内で必要なものは俺のスキルで準備できるから、皆は戦闘に必要な物だけ用意すれば良いけど、どうしてそんなに焦って準備するんだ?」


「ジャンヌさんが近衛兵に勝ったら、有無を言わさずにダンジョンへ向かおう。

下手にアナベラに時間を与えると、ああでもない、こうでもないと条件を付け加えさせられる可能性があるからね」


あぁ、なるほど。

勝ってしまった勢いで一気に転移をしてしまうわけだ。

ジェフリーも悪いやつだな。


皆様、ありがとうございます。

この話で、ちょうど100話を迎えます。


最初の方の話はですます調である調の混在で読みにくい文章だったり、今でも微妙な表現もあるかも知れませんが、ここまで毎日書くことが出来たのは皆様のおかげです。


これからも頑張っていきたいと思っているので、よろしくお願いします。




毎日投稿はそろそろキツイかも・・・

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