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コアによる海中捜査

冒険者ギルドでジェフリーが指名依頼をして、そのままその依頼を俺が受けた。

その足で俺は港の方まで足を運ぶことにした。


港には船がずらっと並んでいたが、どれも帆を畳んでしまって漁をしていた様子はない。

やはり、遠洋の魔物が近くまで来ている影響で、漁に出ることが出来ていないのだろう。


『それで、遠洋の魔物が近くに来ている理由って分かる?』


『うむ、空中から小さな魔物に監視をさせているが、原因になるような変わった様子は見られない。

ここから少し離れた海上にかなり巨大な魚に似た魔物が泳いでいる。

これが、その遠洋の魔物だろうな』


『原因が不明でも、その魔物を倒してしまえば問題解決ってならないかな?

何とか船で近づいて貰って、俺の属性魔術で仕留めるとか』


『主の魔術ならば仕留めることも可能だと思うが、その前に船の方がその魔物に破壊されるのではないだろうか。

しかも魔物が水中に潜ったら、どうする?いくら主の魔術でも水中内の魔物を仕留めるのはかなり困難ではないだろうか?』


確かに、俺はまだ水上戦も水中戦も経験がないからな。

初戦でそんな大型の魔物を相手にするのは、ちょっと怖いな。


『それじゃ、やはり原因を探して、遠洋にお帰り頂くのが確実か。

空から流石に原因は分からないなら、海中を調べることは出来ない?』


『主よ、申し訳ない。ダンジョンから連れて来ている魔物は空か陸に特化をしている魔物なので、海中の調査は厳しいぞ』


『コアでも水中型の魔物を作り出すのは厳しい?』


『いや、ダンジョン内の水場に魔物を用意することもあるので、ダンジョンさえあれば水中型の魔物を作り出すことが出来る。

しかし、流石に、ナスカからここまで水中型の魔物を連れてくるのが難しい』


流石に万能執事のコアでも難しいことがあるか。

しかし、どうしようかな。


『主よ。この海岸にダンジョンを構築すればどうだろうか。

本来、魔力が溜まっているような場所にならばダンジョンを構築出来る。

今回は海岸に、主の魔力で一時的に魔力溜まりを作り出して、そこに私の複製をダンジョンコアとしてはめ込み、ダンジョンを作り出す。

魔物を作り出すだけで良いので、階層を深くまで用意をする必要はない。

そこで、水中型の探索用の魔物を作り出せば良いのではないか?』


『そんな方法があるんだな。じゃあ、早速試してみよう』


コアはやっぱり優秀だな。

何処か目立たないところで、ダンジョンを構築しようと海岸を探索する。

少し奥の方に人の目につかない岩場に囲まれた場所を見つけたので、そこで挑戦をしてみる。


その岩場に魔力を流し込む。

ただ魔力を流すだけでは、拡散して広がっていくので、そこに留まっていくように魔力を維持させる。

身体に魔力を維持させるのよりも、自分以外の物に魔力を維持させるのはかなり難しいな。

魔力を流すだけならば、魔力量でゴリ押しも出来るのだが。

人造魔石へ魔力を流すのに似ているが、あれともまた違った難しさがある。


そんな感じで、苦戦もしたが何とかコアがダンジョンを構築出来るだけの魔力溜まりを作り出すことが出来た。

その場所にコアの複製をはめ込んで、ダンジョンを作り出す。

コアも言っていたが、今回は調査に必要な魔物を作り出すだけで良いので、特に見た目の変化はないが、これでダンジョンが出来上がったようだ。


ダンジョンコアとなった、コアの複製から魔物が出てきた。

魔物が作り出される度に俺の魔力が使われているようだが、今作ったばかりのダンジョンなのだから、そこは仕方がないだろう。

作り出された魔物は、魚やタコやイカに似たようなのから、半魚人の様な魔物まで本当に様々だ。

魔物の種類によって、使われている魔力量にも差があるようだ。


『遠洋の魔物にやられてしまうかもしれないので、念の為に様々な種類の魔物を作り出しておいた。

数もかなり用意したので、主にも負担をかけたな』


『俺がコアに頼んだことだから、それは全然構わないさ。

それで、調査の方は上手くいきそうかな?』


『何とかやってみよう。

ただ、原因がかなり遠くにあった場合、私が魔物を管理できる範囲を超えてしまうかも知れない。

主の魔力量にその範囲が依存しているから、かなりの範囲を探索は出来るのだがな。

もし、仮にその範囲外に原因がありそうならば、主にも移動をして貰うかも知れない』


『そういうことならば、勿論協力するさ。それじゃ、調査を頼むよ』


こうして、コアに海中での調査を任せて、別荘へと戻ることにした。

ちなみに、海岸に作ったダンジョンは、さらに魔物が必要になる可能性も考えて、そのままにしておくことにした。

こんな場所にダンジョンがあるとは気が付かれないだろう。

ただ、誰も訪れないし野生の魔物や動物も来ないだろうから、ダンジョンを維持する魔力も俺の魔力からまかなう必要がある。

まぁ、階層もない小さなダンジョンから、俺の回復量よりも非常に小さいので問題ないだろう。




翌日、別荘でのんびりしていた。

海での遊びも魔物が近づいているということで、領内では控えるようにとの連絡があった。

一応、王家のプライベートビーチなので、気にせずに遊んでも問題ないが、周りが規制している中でそういう気分にもならないし、魔物が実際に来ても大変なので俺達も控えていた。

そりゃ、俺達は魔術学園のSクラスだから、実際に魔物が来ても倒す自信はあるが、リリスちゃんもいるのだ。

注意はしているが、わざわざ危険な可能性が高い場所で遊ぶのはどうかと思う。

それに街でも、漁が出来ない影響で雰囲気があまりよろしくないので、結局はこうやって別荘でのんびりと言いつつ、こもってしまっているのだ。

せっかくの長期休みなのに勿体ないな。早く解決したいものだ。


『主よ。原因が分かったぞ』


そんな風に別荘にこもっていると、待望のコアからの調査結果が出た。

流石、優秀なコアだ。昨日の今日で結果が出たようだ。


『この近くにダンジョンがあって、そこから魔物が発生していたのだ』


『じゃあ、遠洋の魔物が近くに来ていたってのは間違いで、そこのダンジョンの魔物が遠洋の魔物と間違えられていたのか?』


『いや、そうではない。

そこのダンジョンの入口は海中にあるにも関わらず、中は空気もある人が探索も出来るダンジョンで、入口から見た限りではそこのダンジョンの魔物は遠洋の魔物と呼ばわれるような感じではない陸上型の魔物だ。

そこから、溢れ出した魔物が海中に投げ出されるのだが、遠洋の魔物はその溢れ出した魔物が好物のようで、そのダンジョンに寄って来てしまっているようだ。

実際にそのダンジョンの周りにいるだけで、それ以外の場所にはいるような様子はなかったぞ』


『じゃあ、その魔物が溢れ出すのが止まれば、遠洋の魔物も去っていくかな』


『溢れ出し方が特殊で、一気に溢れ出すって感じではなく、時たまぼとぼとって吐き出すような感じだな。

あれはまるで、遠洋の魔物に餌をやっているかのようだ』


『それじゃ、いつまで経っても遠洋の魔物は離れていかないと』


『今の感じだと、いつダンジョンから魔物が溢れ出なくなるか分からないから、いつまでも遠洋の魔物がいる可能性があるな』


マジか。じゃあずっとこのままでずっと続くのか。

せっかくの長期休みなのに、これじゃ困るな。


『主よ。どうだろうか。

ここは、そのダンジョンを主が攻略をしてしまえば、魔物が溢れ出てくることもない。

そうすれば、自然と遠洋の魔物も元の遠洋に帰って行くのではないか?』


コアが俺にそのダンジョンを攻略してしまえば良いと言い出した。


はい、なんと99話ですよ。

次回は記念すべき100話です!


まぁ、特に何もなくストーリーを進めますがw


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