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続・シュレディンガーの鴨葱  作者: ネギ愛好家
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夢見る生死

テーマ【自己嫌悪】

帰ってきた部屋の臭い、嫌悪感

誰も帰ってこない部屋

期待しても扉は開かない

むしろその方が好都合

照明を落とす


ディスプレイの光が反射した顔

酷く滑稽極まりない

さあパレードの始まりだ

命短し進め我らが分身

秒速3ミリメートル程度のエネルギー


迸るリビドー

熱いパトス

湧き上がるアンビバレンツ


止まって見えるかもしれないくらい速度

けれど懸命に泳いでいる

滑稽に見えるそれを

覗き込んでいる奴の滑稽さを笑う


排水溝に詰まる糸くずの塊のような

ティッシュの上で泳ぐ分身よ

過酷な生存競争を強いられた身ではあるが

スタートラインにすら立てなかった哀れな分身

しかし放つはスタートラインにすら立たせられなかった哀れな本体


さよならパレード

丸められダストシュート

そのままフェイダウェイ


数十、数百万のゴールに辿りつくことのなかった我ら分身よ

過酷な生存競争

ゴールの椅子がたった一つ

そのスタートラインに立つこともなく

その貴重な機会を日常的に

刹那的な快楽のために大量に廃棄されている


非合理的非効率的排他的行為

わかっていても

その行為に耽ってしまう

脳内麻薬中毒者


すなわち刹那トリップ

その後すみやかに黙とう

その虚構の極地にて

賢者のごとく悟りを開く

数千万、数億の消えていった我らへ


温もりのない白い絹の上で

僅かな命を散らす生死の狭間で

同類憐れみ

嘆き

慟哭するも

その散らされる運命

抗えるはずもなく

可及的速やかに生死は刹那の夢を見せる


誰も帰ってこない部屋

期待しても扉は開かない

スタートラインが開かれる時を夢見て

冷たい寝床に潜る本体の

消費された分身の補充が始まる

その扉を開けてくれる

そんな誰かの

夢を見ても良いじゃないか?




――これは妄想


今日吐き出された生死についての妄想


白い絹の波間で泳ぎ切れず溺れて

死に行く様も見れずに

消費され投棄される命

せめて僕の手でと

頭にこびりつく妖艶

滲み出す後悔の滴を

振り払うこともできずに

夜の空の下で写生した刹那

そんな彼らの

声なき声を聞いたような気がした


【読了後に関して】

感想・ご意見・ご指摘により作者は成長するものだと、私個人は考えております。


もし気に入っていただけたのであれば、「気に入ったシーン」や「会話」、「展開」などを教えてください。「こんな話が見たい」というご意見も大歓迎です。


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