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84.どうにか大詰めを迎えたようです


 さて……。


《レディースアーンドジェントルメン! 皆々様お久し振りでございます! 色々トラブルこそありましたが大変お待たせいたしました! そしてこの度は皆様の寛容なお心遣いのおかげで――》


 

 まだ僕の依頼は完了していなかった。

 魔剣の破壊やマティルダの保護と、もう充分に自分の任を全うした気でこのまま自宅に帰って冷たい飲み物で乾杯といきたいところだったけど、残念ながらまだまだ本命の仕事が残っていた。


 そして、その仕事とは勿論――


《本日もこの超、超、超イベント! 女王決定戦の再会を許していただけました事! イザベラ女王様及び候補者の王女様に代わりまして、この私審判がお礼を申し上げさせていただきます! 誠に……まっことに! ありがとうございます!》


「「うおおおおおおおおおおおおお!」」

「「「待ってたぜ! この時をよぉぉぉ!」」」


 この女王決定戦を最後まで見届ける。

 そして女王に相応しい者を審査していく。

 この二つこそが僕が受けた依頼の全てであり、たとえ候補者がどれだけの人格者であっても成果を出せなければ無得点、そして【反則】などを行った場合は容赦なく失格扱いといった具合で、


「まさか……こうなるとは思いませんでした」

「私もだ。だが少々強引ながら特例として認められた以上、この結果は受け入れるしかないのだ」

「本当に、規則ルールって何でしたっけ?」


 それで今回の場合は魔剣に操られていたとはいえ、相手の武器を破壊し戦闘不能になった筈の妹達へ向けて反則となる【過剰な攻撃】を行ってしまったマティルダへ失格の通達をしたんだけど…………実はそれが……今から何日か前の事、



 ――レオナルド様、今なんと仰いましたか?

 ――もう一度同じ内容をお願い致します。


 ――いや……だからね……いくら魔剣に操られたとはいえマティルダは君達へ向けて、ルール違反である過剰攻撃をしたんだ。だから……残念だけど【失格扱い】で、後は君とメアリーの二人で再戦して女王を決めてって言ったんだけど?


 ――あらあら今の聞きました? メアリー?

 ――はい、ヴィクトリアお姉様。この両耳でしかと聞きました! まったく心外もいいところですわ! 過剰攻撃とは一体どういう事ですか?


 ――えっ!? いや……あの……君達負けましたよね? 僕の記憶が正しければマティルダに剣を真っ二つにされて敗北しました……よね?


 ――うふふふふ……レオナルド様ってば何を仰っているのかしら。あれはその……演技ですわ!


 ――へっ!? なに!? 演技!?


 ――そ……そうですわっ! あれは全て私達が仕組んだ演技だったのです。ほら、女とは時に弱い感じを装って男性を油断させる必要があるのです! ですからあれは……その練習といいますか……メアリー! 貴方からも何か一言をっ!


 ――はい! ヴィクトリアお姉様の仰る通りです! ただ強いだけが女ではないのです! 美貌の儀でもあったように敢えて弱く見せる事で男性を虜にするのも女性には必要な能力なのです! ですからあの怯えは全て偽物フェイクです!


 ――じゃ、じゃあ武器は!? 武器は破壊されていたよね!? 流石にこれの言い逃れは――


 ――それについては……まだ戦えてました。



 ――…………はいぃ?



 ――確かに……刃は2つに砕けて本来の威力を失いましたが……それでも刃は“半分残っていた”のです! ですからまだまだ戦えましたのっ!


 ――そ……その通りなのです! それなのに魔剣に憑りつかれて、少しだけ狂暴になったからってレオナルド様がいきなり乱入し試合は中断。これではマティルダお姉様が可哀想ですっ!


 ――う……うんぎぎぃ……い、イザベラ女王……二人のマティルダを庇いたい気持ちは分かりますけどいくら何でもこれはダメ……ですよね?


 ――うーむ……やはり私の娘だ……侮れん。どこまでも見事な“屁理屈”だ。確かに【降参の言葉】もコイツらは言っていなかったし、武器破壊の概念が定まっていない以上、欠けた刃でも“武器として使えた”と主張されればそれまで……。


 ――ほらやっぱりダメ……へ? 今なんて?


 ――それに試合を中断したのは他でもないレオナルド、お前自身だからな。滅茶苦茶に聞こえるだろうが、実際はそいつらの言い分も一理ある。


 ――えっ!? って事は……まさか。


 ――ふむ、もう一部の特例として扱うしかないな。マティルダの【過剰攻撃による失格】は取り消し。今度は武器を厳正に申請し直した後、再び最強の儀を“三人”で執り行うしかなかろう。


 ――わーい、やりましたわ! メアリー!

 ――一晩かけて考えた甲斐がありましたね!



 ――ふ……ふふ、ふざけんなあぁぁぁ!



 と……魔剣破壊後は大体こんな具合で半日に渡る議論の末、最後は何故か僕がビンタされそうになる寸前でマティルダの行った過剰攻撃については候補者、女王共に同意で特例扱いとして不問。


「僕だって心を鬼にして決めたのに……そりゃ本音を言うなら全力で応援したかったですよ。でも公平な審査と言われてしまったら嫌でも規則ルールは気にするべきと思っていたんですけど!」


「まあまあ……そうふてくされるな、レオナルド。お前の依頼に対する熱心さは買うが、あそこまでグイグイ言われては押し返しようもないだろう」


「ま……まあ確かにそうですね、女王。まあ僕も正直な話、“彼女”が女王になってほしいと思っていましたし。もう何でもアリで良いです……」


 それでその後は、ヴィクトリアとメアリーによる魔剣騒動の混乱についての謝罪、マティルダが勝利に固執した理由を告げ、彼女ら三姉妹の多大なる人望もあってかどうにか女王決定戦は再開。


「さあ、いよいよ始まるぞ! 括目せよ!」


 さらに直後に執り行われた共闘無しの【最強の儀】の再戦についてはマティルダがすぐに勝利。


《それでは“延長戦”にして本当に最終の儀! 国を取り仕切る指導者として戦士たちの士気を最大限に高め、団結させ強敵に立ち向かう際に用いる【演説】を題材とした儀式! 己が女王を志す理由を述べる【演説の儀】を開始致します! それでは皆様楽しんでいってくださいませっ!》


「「「うひょおおおおおおおおおおお!」」」

「「「真の女王は誰になるんだろうか!?」」」

「「マティルダ様頑張れぇぇぇぇ!」」

「「ヴィクトリア様も負けるなぁぁ!」」

「「「メアリ―様も頑張ってぇぇ!」」」


 そうやって色々ありながら今では、


【マティルダ  勝利数+1】

【ヴィクトリア 勝利数+1】

【メアリー   勝利数+1】


 と見事に勝利数が並んだ末に真の最終決戦、延長戦【演説の儀式】へ突入していくんだった。

 今度こそ最強の女王を決める為に……。



ここまで読んでくださりありがとうございます。

続きは現在執筆中につき間に合えば明日投稿予定です( `・∀・´)ノ

なお次話でこの五章は完結です。次章への伏線等は別章扱いで書きます。


ではでは最後にもしよろしければブクマや評価であったり率直な感想などお待ちしております!!

マヂで皆様の評価はこの【黒まめ】の執筆モチベに直結するほか、ユーザ様の声は私にとってものすごく励みやタメになりますので……あとおまけで飛び跳ねるくらい喜びます。

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