せっかく作ったポーションを魔物達に台無しにされて切れた私は魔術を発動し魔物達をやっつけました
皆の応援のお陰で日間異世界転生連載中第7位になりました。
本当にありがとうございます。
「ガオーーーー」
魔物が仁王立ちになって私を見下ろしているんだけど、私は上級ポーション作るのに集中していて周りをよく見ていなかったのだ。
エドガルド様は私の下敷きになっているし、知らなかったけれど、騎士達は皆戦っていた。
周りには魔物達の死骸が沢山転がっていた。
知らない間に皆に守られていたんだ。
この出来たポーションは絶対に守らないと。
「ガオーーーー」
そして、叫ぶや否や私に襲いかかろうとして、エドガルド様が私の前に剣を抜いてくれた。
ガキン!
エドガルド様の剣と魔物の爪がぶつかったんだけど……
でも、本来下々の者が王太子殿下を守らないといけないのでは?
平民の私を守って王太子殿下が死ぬ事なんてあってはいけない。
「エドガルド様。下がって下さい。私が守ります」
私は杖を抜いた。
こうなったら剣ならぬ杖で戦ってやる。
「リーナ、何を言っているんだ。危険だから下がって!」
魔物と戦いながらエドガルド様が私に指示する。
「でも、王太子殿下を危険にさらすことは」
「どう考えても君の方が弱いだろう」
私達は魔物を前にして言い合っていた。
そこへ、その魔物が私達ではなくて、横の大鍋に目をやったのだ。
ポーションが美味しそうに見えたんだろうか?
そのまま口をつけようとしてくれた。
「ちょっと、何を飲もうとしてるのよ!」
私が叫んで、
その隙を見たのかエドガルド様が剣で叩き斬ってくれた。
「ギャオーーーー」
悲鳴を上げて魔物が倒れた。
でも、一息つけない。
次はオオカミ型の魔物が襲ってきた。
何故か私を睨んで飛びかかってきたのだ。
私目がけて飛んでいる途中でエドガルド様が剣で叩き斬ってくれた。
「ギャオーーーー」
オオカミ型の魔物は黒い液を流しながら悲鳴を上げて吹っ飛んだ。
一息入れる間もなく、次はゴブリンが襲ってきた。
これは集団なんだけど……
「「「ギャオーーーー」」」
叫び声を上げてつつこいつらも私目がけて来るんだけど……何で私を目がけてくるんだろう?
よく判らなかった。
後で聞いたら
「聖女の血は魔物を寄せ付けるのよ。大聖堂で習ったでしょ」
そう王妃様に言われたんだけど……
私はそんなことは聞いていなかった。
私は下っ端聖女で初級ポーション制作要員としてしかカウントされていないから教えてもらわなかったんだと思う。
ゴブリンが一匹目はエドガルド様が横に剣を払って斬られて吹っ飛び、二匹目は真上から真っ二つに斬り下げ、三匹目は下から右上に斬り上げる。
エドガルド様の動きは流れるようにきれいだ。思わず見とれてしまった。
でも、その三匹目が出来上がったポーションの鍋に顔を突っ込んだのだ。
「えっ?」
ゴブリンの傷がドンドン治っていく。
嘘!
ポーションは魔物にも効くんだ!
私は知らなかった。
それとともにゴブリンは巨大化したんだけど……
ええええ!
普通の2倍になってくれた。
「ギャオーーーー」
雄叫びを上げてくれる。
私達はそのゴブリンに注意しすぎていたのだ。
別の熊型の魔物が後ろから現れたのに気付くのが遅かった。
誰ももうその魔物を止められなかった。
魔物は私目がけて駆けてきて、その途中にある本来守られなければいけない出来上がった上級ポーションが満杯になった鍋をひっくり返してくれたのだ。
「ギャーーーー」
私は絶叫した。
私の作った上級ポーションが……
鍋諸共ひっくり返されたのだ。
地面に上級ポーションが飛び散り、それがかかった魔物達が蘇ってくるんだけど。
ゾンビ映画みたいだった。
真っ黒な魔物の形をしたゾンビが出来上がったのだ。
でも、私はそれどころではなかった。
「私の私の渾身の力を込めて作った上級ポーションが……」
上級ポーションを魔物に地面にぶちまけられて私は完全にぷっつん切れていた。
「よ、よくも、よくも私の精魂込めて作ったポーションを無駄にしてくれたわね」
私は黒いオーラを周りにまき散らしていたと思う。
「「「ギャオーーーーー」」」
魔物達は一斉に私を目がけて咆哮してくれたる。
ポーションを浴びたからか目が爛々と輝いていた。
「リーナ!」
エドガルド様が私をみて叫んでくれた。
でも、エドガルド様は目の前の魔物の相手で私まで手が届かない。
しかし、私は、私が必死に作り出したポーションを無駄にしてくれた魔物達を見逃すつもりはなかった。
「許さない!」
私は杖を握りしめたのだ。
「「「ギャオーーーー」」」
魔物達が一斉に私に襲いかかってきた。
「地獄に帰れ! このこのこのこのこの!」
私は杖を持って魔物を叩いたのだ。
「ギャーーーー」
「ギャーーーー」
「ギャーーーー」
叩く度に魔物は絶叫してゾンビ達は星屑のようにキラキラ光って崩れ去っていく。
でも、叩けば叩くほど私の怒りはドンドン膨れ上がっていった。
こいつらがこんなところを襲ってきたから、私のポーションが台無しになったのだ。
「もう許さない!」
もう一度杖を強く握った時だ。
私の怒りが頂点に達した。
ピカッ
私の杖が金色に光り輝いたのだ。
「魔物は全部消えてなくなれ!」
私を中心に光り輝いて、それは魔物を次々に飲み込んでいった。
何故か魔物達は次々に浄化されていく。
なんか北の方に禍々しい物があるのが感覚的に判った。
「行っけーーーーー」
私の叫び声とともに、それ目がけて杖を振り下ろした。
光の奔流がまとまってそれ目がけて放たれた。
私は放出終えると魔力が切れたみたいだ。
そのまま気が遠くなってゆっくりと倒れる。
慌てて駆けてきたエドガルド様が私を抱きしめてくれたのを感じた。
どうやったか理解できなかったが、怒りのままに力を放ったら凶暴化した魔物達の大半を浄化してしまったのだった。
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
ポーションを無駄にされて怒り狂ったパウリーナは魔物達を浄化してしまいました!
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