謎岩って便利だよ
俺たちは宝箱に入っていたバッチを装備に着け、全員でダンジョンを出た
自由週間中は、別クラスの先生がダンジョン門の近くにいるので、周回はせず練習場へ向かった。
周回出来ると知っているのは俺たちだけみたいだからな。
「帰ってきたか…… それは!?」
オルクス教官は俺たちのバッチを見て、驚く
そんなリアクション出来るんだ……
「キセロ説明しろ」
「私にも頼むわ」
オルクス教官とアーテー教官が詰め寄ってくる
圧が凄いよ。圧が……
「初心者ダンジョンクリアしました……」
「早いな……。けど、このバッチは不正出来ないからな……」
「にしても、ちょっと信じられないわね」
2人して疑ってくるが、俺たちゲーマーなら余裕よ!……たぶん
俺たちの行動を監視されたりしないよね?
「とりあえず、貴様らは今後、自由に行動していいぞ。初級ダンジョンへ入るなら準備はしておけよ」
「ありがとうございます。頑張ります」
それだけ話すと俺たち4人はすでに、出てきていた他のメンバーと訓練して個人のスキルについてアドバイスした
リンドウが、武器の扱いになると擬音語が多くなって、感覚的なのは驚いたよ。
「ギュッと溜めて!ブンだ!」なんて笑えるよな。リンドウってクール系美人なのにね……
セシーリアとカリー?ミニピクシーを見てメロメロになって、オルクス教官にブチギレられてたよ
召喚を事前に説明してなかったから、最初ミニピクシーを見た瞬間にアーテー教官は魔法をぶっ放そうとしたらしい
それでも、今は目をハートにして、ずっと見ている。
「貴様には説明をしてもらわないといけないことがたくさんあるみたいだな」
「勘弁してくださいよ……」
オルクス教官はミニピクシーを見ながら俺に言ってくる。
ミニピクシーはメイのフードの中に居て、顔だけ出して周りの様子をうかがっていた。飼い主に似るのかな?
教官への説明は……いつかの機会で!
★
放課後のチームハウスにて
「攻略おめでとうございます!」
ハルとヒスイが代表して声掛けをしてお祝いをしてくれた。皆で祝勝会?だ
少し溜まりかけていた資金を使って、ささやかなものだ。
もっと豪勢なパーティを出来るようになりたいな……
「皆も早く攻略出来るようにしないとな!」
「そのことなんですが……」
「”毒”だろ。考えがあるから大丈夫だ。」
初心者ダンジョンの中で一番困るのは、ミルクフロッグの毒対策だ。
毒は状態異常の中で唯一、行動制限がかからない。が、割合ダメージの割合が一番高い。
よって、回復が容易だから初心者ダンジョンから採用されている
「ぼ、僕……”毒草”余ってきてるの見たよ」
エイルがそんなことを言ってくれる。
エイルとビーラントは、自由週間中、助手みたいな感じで上級生のアイテム作製を手伝っているらしい
恐らくそこで余っているのを見たのだろう。頼りになるよ
「いや、もうここまで来たから買うのはもったいない。自分たちで獲りに行こうか。エイルありがとうな」
「それなら、初級ダンジョンへ行きますの?」
「そうだ。1階層で、敵のエンカウントを避けて収集したら、”毒回復薬”もすぐ作れるようになるだろう」
「それで攻略できますかね?」
ハルが不安そうに聞いてくるが、問題はないだろう。スキルとかステータスについては教えてあるし。
ハルが頑張ってミルクフロッグを引き付けている間に、ヒスイが魔法を頑張れば問題ないだろう
俺たちもそうやってクリアしたし。
「初級ダンジョンとは言ってもどのダンジョンへ行く?」
リンドウがそう聞いてくるが、初級ダンジョンについて少し説明する
初級ダンジョンは各ステータスに対応した9つのダンジョンが存在する
進級の為にはどれか1つでいいから攻略しないといけない
「今回行くのは、”霧の森”だな。そこ以外では1階層で毒草が手に入らないからな」
「どんなとこぉ?うちもぉ活躍出来るぅ?」
「戦闘しないって言ったじゃん……しかも行くの自由週間終わってからだぞ」
カリーとセシーリアが凹んでいる。どれだけ戦闘したいんだよ……
”霧の森”は俺たちが進級のため
その前に、初心者ダンジョン(最奥)のクリアが先だけど……
「ここまで聞いて、質問するのもどうかと思いますが、僕たちのために、こんなにしてもらっていいんですか?」
ハルがそんなことを聞いてくる。俺は逆に不安になったよ。
気持ちが伝わっていなかったみたいだから即答する
「何言ってるんだ?仲間だろ」
「そ、そうですね」
「俺たちの目的は違うけど、目標は無事に卒業すること。出来れば上位でだろ?」
「まあ、確かに」
「なら、協力しようぜ。一人で出来ることは少ないからな。そのためにこのチームを作っているし」
ハルが静かに頷いた。理解してくれたらよかったぜ
「じゃあ、今日はここまでな。自由週間中は初心者ダンジョンへ入って、開けたら初級ダンジョンで素材を集めよう」
それだけ宣言すると、解散した。
★
自由週間2日目
「よし、初心者ダンジョンの謎岩へ行こうか」
「今日はバトル祭りですの!散歩キノコですの!」
「今日は散歩キノコじゃないぞ」
「何と戦いますの?」
そうセシーリアが聞いてくるが、無視して謎岩へ突入した
自由週間は、エイルとビーラントがいないので自分たちで採集と採掘をしなければいけない
敵を出す前に終わらせ、戦闘準備に入る
「誰とぉ戦うのぉ?心の準備がぁ」
「サプライズだな。まあまずは小手調べだ」
俺は謎岩のコンソールを操作し、ゴブリンのパーティを召喚する。
「おい!ボスじゃないか!大丈夫なのか?」
リンドウが焦って、大声で鬼の形相で詰め寄ってくる。
が、全く問題ない。リンドウの迫力以外は。
「よく見てみろよ。恐ろしく見えるか?」
「あれ?全員杖を持っていますの?」
そうだ。セシーリアが言う通り、召喚したゴブリンのパーティは全員が”回復役”だ。
攻撃?全くないよ。魔法を使わせなかったら、回復すらない。
スライムの経験値が美味しい版って言ったらいいかな?
「物足りなぁい!攻撃はぁ?」
「今回はこれだけど、次は訓練になるよう召喚しようか」
「それは、そうだな。まずはこれを倒してしまおうか……」
スキルを使わなかったため少し時間はかかったが、無事に倒すことが出来た。
最初はゴブリンたちも抵抗していたが、1体やられた辺りから逃げ出そうと走り回っているのを追いかけるのが大変だったよ
唯一、セシーリアが「動き回る的ですのー!」って目をキラキラさせていたけどな
「さて、こんな感じでゴブリン達とも戦える。というか、ボスを倒すと謎岩で再選出来るってことだ」
「じゃあ、全員を物理攻撃のゴブリンにも出来るのか?」
「出来るぞ。次はとっておきを見せようか。皆全力で戦えるように準備しよう」
そう宣言し、皆の準備を待つ。
準備が出来たことを確認し、コンソールを操作するとゴブリンが4匹召喚される
ゴブッ!
「盾を持っているのがいるな……。それに、妙に視線を引き付けられるな」
「あれはゴブリン達が唯一使ってくるスキルの”挑発”だな。だが俺たちにはほぼ効かないけど」
「あれからぁ倒していいのぉ?」
そう会議をしていると、魔力球が飛んでくる。
「”受け流し”」
俺は皆の前に出て、魔力球を受け流し無力化する。
「えっ!」
驚いた声が聞こえたが、もう攻撃が始まっている。
すぐに迎撃しないとやられてしまうので、短く指示を出す
「”攻撃準備”!カリーは今魔法を打ってきたものを!リンドウは盾をもったやつだ!」
「私はどうしますの?」
「回復に集中して!」
それから目の前にいる物理攻撃型のゴブリンに集中する。
今相手にしているのは、基本パーティと言われる4匹だ
盾役に物理と魔法の攻撃型、回復役のバランスの良い構成だ。
「キセロ!各個撃破じゃダメなのか?」
「それをするとセシーリアに攻撃が行く!目の前の敵に集中だ」
「くっ……”2連突き”」
盾を持った相手に苦戦しているな……
盾だけは練習出来なかったみたいだし。
カリーは……
「”連打” 魔力はぁ溜めさせないよぉ」
「そうだ!攻撃される前にキャンセルさせよう!」
「任せてぇ」
カリーは放置でよさそうだな。やるべきことを分かってるから頼もしいよ
ゴン!
「痛っ!コノヤロー」
「何やってますの?”ヒール”」
周りに気を向けていたら攻撃を食らってたよ。集中……
ガムシャラに切りかかってくるのを、盾で弾き体勢を崩してるところを攻撃する
ゴブッ!ゴブッ!
怒ってる怒ってる。攻撃一辺倒ならカウンターしやすいから楽だぜ
自分からは攻めない。ゆっくり待ってカウンターに徹していると……
「おしまぁい。次はぁ回復かなぁ?」
「カリー!リンドウの方へ!」
「はぁい」
カリーが参戦したことにより、盾ゴブリンはどっちつかずになってしまい瞬殺された
ちょうどその頃に俺も目の前のゴブリンを光にした
回復役しか残っていないゴブリンだけだったら後はすぐだったよ。
「宝箱ですのー!」
毎度見ていただいてありがとうございます
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