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ようこそ!神さま部へ!  作者: ELS


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第17話.いくぜ神さまと猟犬!

数時間後、大きな天幕(テント)の下でエルフと獣耳たちが地面に座って話しあっている。会議室の時の半数ほどの人数だ、どうやら半分くらいは今回は欠席らしい。仮設の会議室で船長は大きな声で取り仕切っていた。


「それで、あれらはなんだ。クソったれのテロリストども。貴様らの仲間か?」


船長が言う。仮面の襲撃者達はみな砂エルフのような顔立ちをしていたように見えた。


「何?」

「お前たちのお仲間のように見えたが?」

「まさか。こちらも最長老様がやられているんだ。そもそも日時を指定したのも、飛行船の中を指定したのも貴様らではないか」

「なんだと?」


エルフと獣耳、双方が再び口論を始める。水掛け論を繰り広げる天幕の中、神さま部の三人はそっと外に出た。乾いた風が、相変わらず砂を運んでくる。


「先輩、ナナコ先輩。もう良いんですか」

「まぁ。あのまま聞いていても、ハッピーエンドになるとは思えないし?」

「確かに、喧嘩になりそうでした」

「もうなってる気もするけどね」


ナナコとスイカが会話する中、メイは黙って手で顔をぱたぱたとあおいでいる。


「んー。襲ってきたのはエルフちゃんだったけど、持っていたのは獣耳ちゃん達も使っているライフル銃?って言うのはなんか変だよね」

「はい。船の爆破も事前に用意してないと、あんなにすんなりいかないだろうし。獣耳さん達の方にも内通者がいるって事でしょうか」


ナナコは頷いた。


「船長さんたちもわかってるだろうけどね。まぁ、事が大きいだけに自分たちも悪いなんて言えないよね。きっと」

「また争いになるんでしょうか」

「かもねー」

「どうしましょう」


どこから取り出したのか、メイがエナジードリンクを飲んでいる。小さな赤い缶にストローをさして。


「どうするって言っても。まぁ、できることはないよ。どっちかに肩入れするわけにもいかないし」

「もう私たちで犯人を捕まえるって言うのはどうですか」

「んー。それは良いかもね。私たちの目的についても何かわかるかもしれないし」


二人の意見がまとまった。メイが口を開く。


「決まった?」

「オッケー!決まったよ、これからあの仮面の人達を追いかけるんだ!」


言いながら、ナナコはメイをぎゅっと抱きしめた。


「暑い!暑い!」

「メイちゃーん一緒にがんばろうね!」

「あいあい、頑張るから解放して」


ナナコがメイを解放する。彼女は小さな頭をぷるっと一回ふった。


「あの仮面たちを追いかけるとして、んー。どうしよっか」

「そうですね。何か手がかりがあれば良いんですけど」

「手がかりかぁ、手がかりねぇ」

「強引にいく?」


指をくるくるしながらメイが言った。


「いや、強引なのはちょっと」


手をパーにしてナナコが止める。メイの強引に行くというのは、本当に力技の可能性がある。そこに一人、声をかけてくるものがいた。


「行くのか?」


右腕を白い布で吊るしたミカだ。剣で斬られた時の怪我だろう。


「うわっミカさん。怪我大丈夫?」

「ん?ああ、これか。思いっきり振り下ろしてくれたようだ。骨までイカれてしまってな。まぁ半日もあれば繋がるだろうが」

「半日で!?」

「ん。まぁ、たぶん」


何事もないかのようにミカは言った。


「じょ、丈夫ですね」

「そうか?まぁそんなことは良い。アレらを追いかけるのだろう」

「そのつもりですけど」

「うん。よし、私も連れて行ってくれ」

「えっ?」

「闇雲に探すつもりか?私なら彼奴等を見つける事ができる」


吊るした右腕をあげて、ミカは続ける。


「コレをやられた時、彼奴に発信機をつけておいた。狼の狩りは執念深い」

「んー。やるね!良いよ、今度は逆だね」


ミカはにっと口角をあげてみせる。


「ありがとう。おっと」


ミカが握手のために吊るされた右手をあげようとして失敗する。それを見たナナコがわっと手を広げてミカに抱きついた。ふわっと彼女の銀髪が浮いて、キラキラと砂の粒を落とした。


「よろしくね!ミカちゃん!」


そう言いながら、わしわしと頭を撫でる。5秒ほどおとなしく撫でられていたが、すぐに限界がきた。


「ええい、やめろ!やめろ!まるで子供にするようにやってくれるがな、私がいくつかわかっているのか」

「えー。何歳なの?」

「五百歳」

「わお!大先輩じゃん」


想像以上の数字に驚いた。


「五百って言うと。あの砂エルフのアリサさんと一緒?」

「そうなのか?知らん。同期なのかもな」

「はぇー」

「まぁ良い。ともかく気軽に撫でてくれるな」

「……」

「おい、返事は!?」


ともかく。発信機と仲間を得て、仮面の一団を追跡することが決まったのだった。

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