急な依頼
次の日、下ごしらえの為に店で作業。
例のものの為だ。
氷も大量に作っておく。
作り方は火の魔法。
不思議に思うだろうが、温度を上げると炎に、下げると氷になる。
魔力は炎の時の3倍かかるが、まあ、問題無い。
作った氷はリュックに入れて置けば溶けないし。
ほんと便利。
昼過ぎに作業は終わり、店から家に帰る途中、ギルドに寄ると、
「キルヒアイスさん!」
名を呼ばれ、声の方を見ると、受付嬢が手招きする。
「この依頼、受けてもらえませんか?」
一枚の依頼書を渡してくる。
ファイアエンペラーコブラ討伐と書かれている。
「ファイアエンペラーコブラって?」
俺の問いに、
「西の郊外の廃屋に、ファイアエンペラーコブラって言う、大きな蛇の魔物が住み着いていて、まわりの人が何人か犠牲に。難易度Aで、腕利きパーティが受けてくれたんですが、全員負傷して戻ってきまして、どうしたものかと考えていたんです。キルヒアイスさんなら倒せるかと。」
と、とんでもない事を言い出した。
難易度Aとか、成り立て冒険者の俺には無理だろうと言うと、
「何言ってるんですか!もうキルヒアイスさん、この街1番の冒険者ですよ!この間のミノタウルスなんか一体でAランク魔物ですよ!」
と、言われた。
あの牛、デカイだけで大した事なかったのだが。
まあ、そう言う事なら蛇倒して、蛇の身唐揚げでも出してみるかと、受けることにした。




