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プロローグ

レイス=大体旧版のレイです。この二人を軸に話を進めます。

 デルテミア大陸。この世界「デルテミア」の中央部に位置する大陸で、この世界の中心となっている大陸である。過去にはこの大陸でも戦争をはじめとしたさまざまな出来事があったようだが、現在では平和そのものである。


 そのデルテミア大陸の中央部にある平原に、たくさんの人が集まっていた。彼らは、これからデルテミア学院へと向かう生徒とその保護者たちだ。今日はデルテミア魔法学院の入学式なのだ。生徒たちの保護者は、自分の子供の見送りに来ていたのだ。それはどこの家でも例外ではない。この黒髪黒目の子供と保護者もまた例外ではなかった。


「じゃあ、行ってきます」

「あなたの選んだ道だから、私は何も言わないわ。……でも、危険なことはしないでね?」

「まさか、あの風学科を専願でとはな……だが、その決意、変えてはいけないぞ?」

「うん! 絶対、最後までやってみせる!」


 この日、彼の物語が始まった……。


 レイside


 今日はデルテミア魔法学院への入学式。入学試験は何故か一人で受けることになったけど、そんなことは僕には関係ない。魔法の腕を磨き、飛行魔法や加速魔法を作り、卒業したらそれらを使って世界中を巡る旅に出る。そのために、僕は風学科を専願で受けたんだから。風学科でないと空を飛んだり加速するような魔法は作れないだろうから。


 デルテミアの世界地図の中には「○○島:詳細不明」と書いてあるエリアがデルテミア大陸の外に沢山ある。安全なデルテミア大陸の外にあるから誰も関心が無いのかもしれないし、他の理由でこれらの場所に入れないのかもしれない。でも、僕はそのエリアがどうなっているのか知りたい。飛行魔法と加速魔法を使えば、魔法を使いこなせるようになれば、そこに入ることもできるはず!


 周りは「風学科だけはやめておけ」「あんな落ちこぼれの集まりに入るのはよせ」「あそこは最悪なクラスだからやめた方が良い」とか言っていたけど、僕はそんなことはどうでもいい。僕の夢を叶えるためなら、そういう所であっても踏み込んで見せる!


「次の方、どうぞ」

「はい」


 呼ばれたので僕はデルテミア魔法学院へと通じる魔法陣の中に足を踏み入れた。その瞬間、僕の身体は何かに引っ張り上げられるように上へと持ち上げられた。一瞬で遠くの場所へと移動する感覚……これがワープなんだろうか?


 視界が晴れると、そこには全く知らない場所が広がっていた。自分の立っている魔法陣を中心に置いてある部屋……だろうか? そう考えていたら、目の前にいた人が話しかけてきた。


「ようこそ、デルテミア魔法学院へ。魔法使いになるべく門戸を叩いた者よ、歓迎します」

「はい! よろしくお願いします!」


 いよいよだ。僕はここで、必ず自分の目標を達成する。必ず、成し遂げてみせる!


ーーーー


 レイスside


 認めたくなかった。自分が光学科に合格できず、風学科に入れられたなんて。デルテミア養育学校に入り、一番になって卒業して通るはずだった。なのに、僕の目標は達成できなかった。レイはまだいい。風学科に専願して通ったんだ。でも、僕は……? 自分の方がレイより凄いって思ってたのに、違ったの?


 それにしても、どうして風学科の方に入ってしまったんだろ? ……やっぱり、あいつらのせいなのかな? あいつらが僕の勉強の邪魔をしてきたせいで、僕は落ちたのかな? そのせいで、こんな惨めな目に遭ってしまったのかな……。


 レイと違ってデルテミア養育学校に入学させてもらって、勉強したのに。どうして駄目だったの? お父さんもお母さんも受験料がそのまま入学後の学費だからって言ってこんな結果の僕でもここに行かせてくれるけど、凄く惨めだ……。風学科で必死に頑張るか、光学科に行ける可能性のある落ちこぼれのまま居るか早く決めないと……。

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