神さま特製ランダムボックス・・・の製作者の神さまです。
「どもども、はじめまして、おはこんばんちわ。某漫画の台詞での挨拶ですが『神さま特製・・・以下略』の製作者の神さまです。いやー前々回は『ランダム・・以下略』の箱からの武器で、そして前回なんだが呼び出した時に持っていたそれが面白そうだったからそのまま魔王退治に向わせちゃったけど。(いやー、まー予想通り面白いことになったからいいけどね)あ、もちろん魔王を倒した後はそれぞれ元の時間枠に送り返したし…こっちの都合で呼び出して帰せません、じゃ次に呼び出すのが大変だもんね。」
ただ広っい上に何も無い空間。そこで一人うんうんと頷きながら浮いているのは神さまと自分を呼ぶ痛い少年。いや、実際ホントに神さまなのだから痛くは無いのだが、なんか痛い。おもに精神的な面で。ちなみにこの精神的なダメージを喰らってるのは神様では無く、無理やり召喚された勇者たちだ。
そう、召喚された勇者たちはそれぞれがっくりと肩を落とし、己の不幸を嘆いている。
「・・なんでまたこんな・・・」
「え? あれ? またトリップした?」
そしてそれぞれ心からの思いを吐露しつつ元凶である神さまの少年を見る。
「どもども、いやー、本来なら新たに産まれる魔王は百年経った後のはずなんだけどね、それがなんだか知んないんだけど産まれちゃったのよ。しかも二人...いや二匹? ま、そんな感じでさぁ。いや、ホント参った参った。」
そう言いながらもケラケラ笑う神さま少年。は、口にするほど参ってるようには見えない。そしてそんな神さま少年を勇者たちは訝しげに眺めながら...
「・・・あのさぁ、まさかと思うんだけど...「ひょっとしてその魔王たちを、」
「「倒せって言うんじゃないよね?」」
諮ったように重なった勇者たちのその言葉に神さまの少年は、それはそれはとても素晴らしい微笑(瞳キラリの歯ピカリな感じ)で以って『That's right. 』と言い切った。そして、
「今回の武器はこれになります!」
神さま少年の手によってランダムボックスから取り出されたそれは...
「「そんなも(の)んでどうやって倒せとッ?!」」
「そりゃもちろん、これで躾けてもいいし、傷だらけにして消滅させてもよし。まぁボクとしては躾けてほしいなぁなんて...」
「よし、分かった。先にお前を躾けよう。」
「そうですね。こんな訳分かんない物で魔王を倒せとか...これが武器として成り立つか試すのも良いですね。」
「て、違うから! ボクに使うんじゃなくて魔王に使っ・・・・あぁッ!!」
ヒュン...と空気を切り裂き唸るそれが神さま少年の身体を打ち付けると、神さま少年は顔を上気させ身体を小刻みに震えさる。
「...これって武器になるのかな?」
「大丈夫ですよ。武器には殺傷、損傷、捕縛、破壊、無力化を元来の目的として攻撃能力を有する道具である。とwikipediaに書いてありましたから。この鞭も立派な武器になるでしょう。」
それぞれ手に持つ小振りの鞭をヒュンヒュンと撓らせ、召喚された勇者たちは満面の笑みを浮かべる。そしてその笑みを目の当たりにした神さま少年はこれから起こる出来事に全身を戦慄かせて恍惚の表情を浮かべるのだった。
神さま少年により召喚されてから数日後。勇者たちは神さま少年同様、二匹の魔王の躾け...げふんげふん、退治に使った勇者のその武器は聖なる武器としてその後、神殿に大切に保管されたと言う。尚、勇者が二匹の魔王を躾け...退治するさまの2枚の絵姿が何故か残っている上に、その絵姿は神の信託に伴い神殿の双璧に大切に飾られていたと言う...