表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/2

プロローグ

人生は退屈の連続だ。

少なくともこれは僕個人の感想であり、意見でもある。

皆がそうかと聞かれれば、充実している人間もいるかもしれないが、そんなのはごく一部の人間のみ。

所謂、成功者と呼ばれる人間たちだ。

そんな成功者たちの反対側で、退屈極まりない人生を送っている僕は、絶賛会社の同僚や上司たちが残していった大量の仕事を片付けている。

朝9時に始業して夕方5時に終業。

そこから既に5時間は残業をしている。

何故そんなに仕事を押し付けられたのかって?

そりゃあもちろん、人生に退屈を覚えてる人間がに熱中出来るほどの趣味なんてありゃしない。

会社の行事に誘われても理由を付けて欠席を決め込んでるし、仕事終わり同僚との飲み会でさえ断ってる。

そんな僕に目をつけたのか、同僚や上司は定時に帰りたい……もとい、夕方から飲みに行きたいが為に自身の仕事を僕に押し付けて退社してしまう。

なんで断らないのって?

だって、別に家帰ってもやることないし。

やるとしたら録り溜めたアニメの録画やまだやってないゲームくらいしか無いし、わざわざ仕事終わりに見るって事でもない。

そんなんだから日々の人生を惰性に生き時間を無駄にする。

彼女いない歴イコール年齢だし?

別に困ってるわけでもないし。

とにかく、僕の人生は退屈の連続なのだ。



そんなこんなで頭の中で自分に言い聞かせてたら既に夜中の11時を回ってる。

終電もあるので僕は残業を終わらせ会社を後にした。

終わってない仕事は知らない。

元々僕の仕事じゃないし。

僕が怒られるわけじゃないし。

でも今日なに食べよ。

この時間スーパーやってないよな。

テキトーにコンビニで弁当とか買うか。


「おい……君!行くな!!」


急に知らない人に声を掛けられた僕は咄嗟に横を振り向いた。

信号は青なのに、横からトラックが蛇行運転しながら突っ込んでくる。

その距離2メートル。

僕は瞬時に理解した。


「あ、死んだわ」


あれ? 何があったんだっけ?

身体がすごく重いし、なんなら感覚もない。

意識も朦朧とするし。

周りがすごく叫んでるけど、なんだっけ?

この男の人、僕にすごく叫んでるじゃん。

あ、そうか。

僕トラックに轢かれたんだ。

そっか、死ぬんだよな。

分かるよその感覚。

心臓の鼓動が弱くなってるし、呼吸も浅い。

退屈の連続だった僕の人生にようやく終わりが来たんだな。

やり残したことはないか?

特に無いね。

じゃないと、こんなアホみたいな死に方はしないと思うよ。

さてと、僕の人生の物語はここで終了。

生れ変わったら退屈じゃないといいな。

僕はそっと瞼を閉じた。




んぅ……眩しいな……

そんな目の前にライトをガツンと当てるなよ。

あ、なんか遮った。

おー、ちっちゃい手だなー。

そこの赤ん坊、ありがとね。

丁度眩しいって思ってたんだ。

ん?赤ちゃんの手?


「うわぁー!!可愛いでちゅねぇ!!」


うわっ!! いきなりバカでかい顔!!

でもすごく美人だしメイド服着てる!?

てか、僕死んだんだよね?

トラックに轢かれてさ!

でもここどこ!!


「あうあうあ(お姉さん)、あああうあ(ここどこ?)」


ん? 待て。

なんで僕あうあうしか言わないの?

言語能力も失われた!?

待て待て待て! 僕赤ちゃんプレイには興味無いけど!?!?


「さて、ウィル様、おしめを変えましょうね」


おしめ!?

てかウィルって誰!?

僕の名前違うんですけど……。

僕は巨人のお姉さんに持ち上げられる。

わー、僕ってなんて軽さなんだろう。

こうやって人類は駆逐されてくのだー

そして一定の高さまで来ると、お姉さん越しに鏡が見える。

その光景に僕はゾッとした。


「あう!(おい!)あう、あうあう!(僕、ばぶじゃん!)」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ