123 学年末テスト(1)
3学期はあっという間に過ぎてしまう。
少し授業があったなと思えば、もう学年末テストだ。
オレの通う高校は、県下でも有数の進学校。
その上、スポーツにも力を入れているので、全国でも名の知れた学校である。
スポーツ特待生として入学してきた『スポーツエリート生』でも、入学したからには部活の練習がきついという理由で、学業が疎かになることは許されない。
もし、成績が著しく下がってしまうと、クラブを辞めなければならなくなる。
みんなその種目をしたいがために名門の我が校の門をくぐるわけだが、成績が下がったからといって退部させられたら元も子もない。
地元の期待を背負って、全国から集まってきたのだから。
文武両道ってやつだ。
オレはたまたまこの姿薔薇紫高校が地元にあったからよかったものの、地方からやってくる生徒は、寮生活をすることになる。
せっかく入ったこの素晴らしい学校。
テストの出来が悪く、成績が下がったりしたら、センバツのレギュラーにだって入れなくなるかもしれない。それどころか、成績次第では部活そのものを辞めなければならなくなるかもしれない。
それだけはご勘弁。だって野球がしたくてこの学校に入ったのだから。
オレはまず、目の前の試験に集中してよい成績を収めたい。
それは部活のためだけじゃないんだ。
4月からは高校3年生。そう。受験の年だ。
部活は夏の甲子園までで3年生は引退となるので、それまでは受験勉強と野球の両方に励みたい。
野球を大学でも続けるかどうかは、まだ考え中だけど。
オレは兄貴と同じ大学への進学を考えている。
3歳上の兄貴と1年間、同じキャンパスで大学生活を満喫したい。
そこは偏差値的にも少し高めで難関とは言われているが、今のオレの成績でもなんとか合格できそう。
でも、どうせなら「なんとか合格できそう」ではなくて、「楽勝!」といきたいところ。
その為には、もっと勉強を頑張らないと。
そうやって、またオレは兄貴の背中を追いかけている。
子供の頃から、兄貴はオレの目標なんだ。
これからどのくらい人生が続くかは解らないが、ずっとずっと命の続く限り、オレは兄貴と仲良く楽しく過ごしていきたいと思っている。
それは兄貴も同じように考えてくれていることだろう。
オレは兄貴のように穏やかで思慮深く、思いやりのかたまりのような、でも芯が強く一本筋が通っている、そんな大人になりたいんだ。
さあ、明日からの試験に集中して頑張ろう。
その後のセンバツを頑張るためにも。
お読み下さりありがとうございました。
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